今週のトピックス(2026年6月)
2026年6月25日
■中国商務部、米企業10社を「輸出規制リスト」に追加
商務部は22⽇に公告を発表し、米国の企業10社を輸出規制リストに追加することを明らかにした。同部の報道官は、「中国は国家の安全と利益を守り、核拡散防止などの国際的な義務を履行するために、米国政府のいわゆる『中国軍事企業リスト』の対象企業追加という悪質なやり方に対し、『中華人民共和国輸出管理法』と『中華人民共和国軍民両用品目輸出管理条例』などの法律・法規の規定に基づき、アヴェオックスをはじめとする軍事関連の米国企業10社を輸出規制リストに加えることを決定した。対象となる10社に対する軍民両用品目の輸出を禁止し、全ての輸出事業者は上記の規定に違反してはならない」と述べた。
■中国、9大エネルギー多消費産業で省エネ・低炭素化を推進
国家発展改革委員会など5当局はこのほど、重点産業における省エネ・低炭素のさらなる進展を目指した難関攻略3年行動をスタートした。2026年から3年間かけて、鉄鋼、電解アルミニウム、セメント、石炭火力発電などエネルギー消費量の多い9つの重点産業を対象に、省エネ・低炭素の取り組みを全面的に実施し、企業がエネルギー効率と炭素効率の水準を可能な限り引き上げるよう後押しし、二酸化炭素(CO2)排出量ピークアウトおよびカーボンニュートラルの目標達成を支援するというものだ。行動計画の要求によると、2028年までに、鉄鋼、電解アルミニウム、セメント、板ガラスなどの重点工業分野において現行のエネルギー効率ベンチマーク値に到達した生産能力の割合を平均20ポイント引き上げ、石炭火力発電分野では15ポイント引き上げ、エネルギー効率基準を下回る生産能力は基本的に淘汰し、累計で1億トン以上の標準石炭の節約と2億トン以上のCO2の排出量削減を目指す。
■中国のEV充電インフラ、5月末時点で2249万7000基に
中国の電気自動車(EV)充電インフラ(充電ガン)の総数は2026年5月末時点で、前年同期比44.9%増の2249 万7000基となったことが6月24⽇、国家エネルギー局の情報からわかった。そのうち、公共充電インフラ(充電ガン)は前年比25.9%増の495万1000基となった。充電ガン1基当たりの平均出力は同8.9%増の約48.89キロワット(kW)で、充電ステーションにおける急速充電サービス能力が引き続き向上している。また、プライベート充電インフラ(充電ガン)は前年比51.4%増の1754万6000基だった。プライベート充電インフラの契約電力容量は1億5100 万キロボルトアンペア(kVA)に達した。プライベート充電インフラ(充電ガン)の数は今年に入ってから前年同期比の伸び率が常に50%を超えており、家庭用充電インフラが急速に発展している。
■京東がAI技術とサプライチェーンを融合 従来産業に新原動力を注入
人型ロボットの応用シーンは幅広い。人工知能(AI)技術の発展を推進するため、京東はAIとサプライチェーンの融合を推進し、小売、物流、健康、工業、デリバリー、家事代行サービスなど3000を超えるシーンでAIの応用を進めてきた。中国の製造業は整った体系を備えており、AI技術の大規模応用に広い舞台を提供した。今年の「618」期間には、京東のエンボディドAI技術を搭載したスマートデスクライト、調理ロボット、スマート車椅子などのスマートハードウェアが初めて登場し、100種類近くの新製品が消費者の家庭で使用されるようになった。
■中国バイトダンス、AIアプリに有料プラン 専門業務対応で課金
中国ネット大手の字節跳動(バイトダンス)は24⽇、人工知能(AI)アプリ「豆包(ドウバオ)」に課金プランを導入すると発表した。データ分析やデザインなど専門的な業務を処理する機能について有料とする。月額68元(約1600円)からのプランを用意した。有料版はAIが自律的に仕事をする「AIエージェント」に対応し、パソコンの操作やブラウザーの使用をAIに任せられる。豆包は中国のAIサービスのなかで最も人気があり、収益化を目指した今回の動向に注目があつまっている。AIランキングサイト・AICPBによると、豆包の月間アクティブユーザー数は2026年4月時点で約3億3600 万人に上り、米OpenAIの「ChatGPT」に迫る世界第2位だった。
2026年6月19日
■中国、車メーカーとエネ企業連携進む、充電・電池交換インフラ整備
新エネルギー自動車(NEV)の充電・バッテリー交換インフラ整備を巡り、中国で自動車メーカーとエネルギー企業の連携が進んでいる。比亜迪(BYD)や広州汽車集団(GAC)、吉利遠程が中国石油化工(サイノペック)や中国海洋石油(CNOOC)など国有エネルギー大手と協力。北京汽車(BAICモーター)や奇瑞汽車(チェリー・オートモービル)は寧徳時代新能源科技(CATL)と組み、充電・バッテリー交換分野で新たなネットワークを構築している。提携モデルの一つとして、ガソリンスタンドなど既存資産の活用がある。既存の給油設備には手を加えず、空きスペースに充電設備を置く方式を採用。一方、CATLはバッテリー交換網の整備を急いでいる。車両本体と電池を別々に所有・管理する「車電分離」を軸に、乗用車向けバッテリー交換ソリューション「巧克力(Choco)」は自動車メーカー11社、25車種と連携。
■中国電子用ガラスクロスが再び値上げサイクル、25年安値比2倍に
中国で電子用ガラスクロスの価格が引き続き上昇している。天風証券によると、2026年6月初に一般的な規格品は年初来5回目の値上げサイクルを迎え、平均価格は1メートル当たり7.4人民元(約175円)に達した。25年第3四半期(7〜9月)の安値との比較で上昇率は100%に達する。人工知能(AI)サーバーなどの分野で需要が拡大するなか、電子用ガラスクロスの需給が引き締まっている。一方で、供給拡大には時間がかかる見通しだ。電子用ガラスクロスの生産は設備や工程管理への要求が高く、高級織造設備の納期は12〜18カ月と長い。新規生産ラインも計画から稼働まで少なくとも18〜24カ月を要する。
■開園10周年の上海ディズニー、新エリアとホテル拡張
「上海ディズニーランド」を運営する上海ディズニーリゾートのアンドリュー・ボルスタイン社長は15日、開園10周年の記念イベントで、同リゾートの拡張計画が本格化していると報告した。園内では9カ所目となる「スパイダーマン」をテーマとした新エリアを建設しており、象徴となる赤い軌道の最終区間が数週間前に取り付けられるなど工事が進んでいるという。完成すれば、同園で初めての大型マーベル系アトラクションとなり、関連する物販や飲食、エンターテインメント施設も整備する。ホテル開発も並行して進む。既存の2軒に続く3軒目と4軒目の建設を進めており、このうち3軒目の名称を「上海迪士尼星願酒店」と正式発表した。外観工事が最終段階に入り、上海の建築様式を取り入れたアールヌーボー調のデザインを採用する。客室数は400室で、園内や隣接する星願公園を望む眺望を確保し、今冬の開業を予定する。4軒目はパークの主入口近くに立地する計画だ。
■中国「6.18セール」、AIが買い物手助け 価格下落で自動購入も
中国で最大級のネット通販商戦「6.18セール」が最終盤に入った。今年は各プラットフォームのサービスでAIの導入が加速しており、テクノロジーで消費者を囲い込む。例えば、老舗の巨大ECサイト淘宝(タオバオ)は、親会社阿里巴巴集団(アリババグループ)傘下のLLM「千問」と連携し、買い物アシスタントとして消費者にAI試着、AI割引計算、AI安値購入支援などの機能を提供する。京東(JD)は最新の物流大規模モデルを実戦投入し、数千万個の注文荷物の輸送ルートを動的に計画し、空車走行や中継コストを削減する。抖音(ドウイン)や快手(Kuaishou)といったショート動画系ECプラットフォームでもAIの活用が進んでいる。抖音はAIGC技術ツールを公開し、出店者のコンテンツ制作を効率化する一方、快手は出品段階でデータに基づくAIを活用し、ヒット商品の選定を支援するという。
2026年6月12日
■中国企業が放熱材料に投資加速、AI時代の需要拡大にらむ
中国の上場企業が、人工知能(AI)用半導体の放熱材料分野で投資を加速している。合成ダイヤモンド大手の力量鑽石は10日、増資による調達資金の用途を一部変更すると発表。未使用の調達資金10億2800万人民元(約243億円)について、ダイヤモンド機能材料の生産・研究開発プロジェクトに投じることを明らかにした。従来は合成ダイヤモンド工場などに充てる予定だった資金を、AI時代の放熱需要をにらんだ機能材料分野へ振り向ける方針だ。力量鑽石は計画の変更について、ダイヤモンド放熱材料が先端科学技術分野に属し、独創的技術の開発を支援する国の政策にも合致すると説明。同社はHPHT(高温高圧法)やCVD(化学気相成長法)による合成ダイヤモンド分野で技術を蓄積しており、新プロジェクトを通じて製品競争力を高める考えを示した。
■5月中国物価1.2%上昇、8カ月連続プラス
中国国家統計局が10日発表した2026年5月の消費者物価指数(CPI)は、前年同月比1.2%上昇した。プラスは8カ月連続。伸び率は前月から横ばいだった。中東情勢の緊迫を受けたガソリン価格や金製品の高騰が続いた。食品価格は1.7%下がり、下げ幅を4月から0.1ポイント広げた。うち豚肉は16.1%下がり、下げ幅は0.9ポイント拡大。果物は2.2%下がった一方、野菜や卵類、水産物は値上がりした。非食品価格は1.9%上昇し、伸び率は4月から0.1 ポイント拡大。プラスは12カ月連続。消費品価格は1.6%、サービス価格は0.8%それぞれ上がった。工業消費品は3.9%上がり、伸びを0.4ポイント広げた。うちガソリンは23.5%、金装飾品は39.0%それぞれ値上がりした
■中国AIDC「2兆元計画」の衝撃、計算力は新たな国家インフラか
中国は国家プロジェクトとして、AIデータセンター(AIDC)網の整備を加速する。今後5年で約2兆人民元(約47兆3400億円)を投じ、全国規模のAI算力インフラを構築するという計画が伝えられた。これは単なるDC整備ではない。発電所、送電網、通信網、半導体供給網を一体で組み替える「計算力インフラ」の再設計だ。この背景には、生成AI の急速な普及がある。大規模モデルの学習と推論には、GPUやAIアクセラレーターだけでなく、HBM、光インターコネクト、液冷、電力設備、運用ソフトウエアまで含む巨大なシステムが必要になる。中国による「2兆人民元計画」の本質は、AIをアプリケーションではなく、基礎インフラとして扱う点という。
■ファーウェイ半導体、DeepSeekの「事後学習」に初成功
Huawei を含む中国の研究チームが、HuaweiのAscend 910Cチップを使い、DeepSeek-V4-Proモデルのポストトレーニング(事後学習)を完了したと明らかにした。中国の半導体産業がAI推論の支援からより複雑なモデル訓練へ進もうとする中で、今回のプロジェクト成功は大きな前進と位置付けられている。今回の取り組みではDeepSeekとして過去最大となるパラメーター数1兆6000億のDeepSeek-V4-Proが使われた。深圳市政府によれば、DeepSeekV4-Pro は少なくとも1000個のHuawei Ascend 910Cで構成される計算クラスター上で稼働したと報告したとのこと。そして、今回の取り組みで実施されたのは「フルパラメータ」の事後学習だ。事前学習が大量のデータを吸収してモデルに話し方を学ばせる工程だとすれば、事後学習は人間の指示や安全規則、特定の作業に従う方法を学ばせる工程といえる。
■印タタ、高級EV展開で中国奇瑞と提携 プラットフォーム採用
インド自動車大手タタ・モーターズは、高級車ブランド「アビニャ」の電気自動車(EV)を現地生産するため、中国同業の奇瑞汽車(チェリー)の自動車製造プラットフォームを活用することがわかった。タタ傘下の英高級車メーカー、ジャガー・ランドローバー(JLR)との当初の共同開発計画が棚上げとなった後、中国技術への依存度が高まっている実態が浮き彫りになった。タタは長らく遅れていた計画を軌道に戻し、首位維持を目指して奇瑞のプラットフォームを利用したアビニャのEVを発売する。タタはロイターに、中国で奇瑞とJLRの合弁事業が生産する「フリーランダー」プラットフォームを活用し、インド南部タミルナド州の新工場で車両を製造する方針を明らかにした。
2026年6月4日
■中国1-4月の全産業対外直接投資、4294億2000万元
商務部(省)および国家外貨管理局の統計によると、2026年1-4月、中国の全産業における対外直接投資額は前年同期比3.9%増の4294億2000万元(1元は約23.5円)で、ドル建てでは同7.7%増の619億9000万ドル(1ドルは約159.3円)だった。このうち、中国国内の投資家は世界142の国・地域の海外企業5231社に対して非金融分野の直接投資を実施し、累計投資額は前年同期比13.9%減の3157億4000万元となり、ドル建てでは同10.7%減の455億8000万ドルとなった。
■第4回サプライチェーン博が6月に開幕 中国国内外676社の出展確定
第4回中国国際サプライチェーン促進博覧会が6月22日から26日まで北京市で開催される。これまでに、85の国・地域および国際機関から、中国国内外のサプライチェーン主導企業、「専精特新(専門化・精密化・特徴化・新規性)」企業、各種業界団体など676社・機関の出展が確定している。そのうち外資系企業の割合が36.5%に上り、フォーチュン・グローバル500に入る企業と各産業のリーディングカンパニーの割合は65%を超える。5月22日に行われた記者会見で、中国国際貿易促進委員会の李興乾副会長がこうした情報を明らかにした。李副会長によると、「出展企業が帯同する産業チェーンの川上から川下に至る協力パートナーを合わせると、実際の出展企業は1200社を超える見込み。現在、博覧会に来場し商談を行うことが確定している海外からの団体は150以上あり、団体の数もレベルも前回を上回ることが予想される」という。
■中国、「農業・農村現代化」5カ年計画発表、食糧年産7.25億トンへ
中国国務院は2日、農業・農村現代化の加速に向けた第15次5カ年計画(2026~30年)を発表した。同計画では数値目標として、30年までに食糧の生産能力を1兆4500億斤(7億2500万トン)前後まで引き上げる方針を示した。25年の1兆3900億斤(6億9500万トン)から4%の拡大を目指すという。同計画ではこのほか、30年までの重大任務として、農業の総合生産能力と質・効率の向上を最優先に挙げた。さらに◆貧困脱却の成果の定着・拡大、◆科学技術・装備による農業支援、◆農民の増収ルートの拡大、◆農業発展の全面的なグリーン展開――なども重点任務に盛り込んだ。


