【後半】北京モーターショー、個別メーカーの躍進と日系メーカーの「現地化」戦略
- 北京モーターショーが話題となっています。今年のモーターショーの特徴と日系企業の様子を教えてください。
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2026 年の北京モーターショーでは、中国自動車産業が「電動化」から「知能化」へと本格的に移行していることが話題となりました。中国市場ではNEVの普及が進み、すでに「EVを出すかどうか」ではなく、「どのようなスマートEVを、どのスピードで投入できるか」が競争の焦点になっています。
BYD は、2025 年に約460 万台のNEVを販売し、圧倒的な量的規模を築きました。従来はコスト競争力と量産力を強みに成長してきましたが、現在は「仰望」などのプレミアムブランドを通じて高級化を進め、AI 運転支援システムの搭載拡大により知能化でも存在感を高めています。電池、車両、電子制御、販売網までを垂直統合できる点が、BYDの大きな強みです。
ファーウェイは、自社で車を製造しない一方、OS、スマートコックピット、自動運転支援、通信、AI などを提供するプラットフォーマーとして、自動車産業への影響力を強めています。HarmonyOS を軸に、車をスマートフォンや家電、クラウドサービスとつながる「生活空間」として再定義している点が特徴です。
シャオミは、初の EV「SU7」で大きな注目を集めました。スマートフォン・家電との連携、独自 OS による一体的な利用体験、若年層に響くデザインにより、スマホ企業ならではの「チャイナスピード」を自動車産業に持ち込んでいます。
NIOやXpengなどの新興勢力も、単なるEVメーカーからAIテック企業へと変化しています。NIOはバッテリー交換システムに加え、自社開発チップやAIネイティブOSを打ち出しています。Xpengは自動運転、AIチップ、人型ロボット、空飛ぶクルマなどを展開し、次世代モビリティ企業としての色彩を強めています。
一方、日系メーカーは中国市場でNEVシフトに出遅れ、近年販売面で苦戦してきました。しかし今回の北京モーターショーでは、中国現地企業や合弁パートナーとの協業を通じ、巻き返しを図る姿勢が見られました。
日産は「中国で、中国のために、そして世界へ」という方向性を示し、中国発モデルをASEAN、中東、ラテンアメリカなどへ展開する方針を打ち出しています。トヨタはマルチパスウェイ戦略を維持しつつ、中国ではテンセントやファーウェイとの連携により、EVとスマート化への対応を強化しています。
ホンダは中国専用EVブランド「烨(Ye)」を展開し、マツダは長安汽車との合弁を通じて現地技術基盤の活用を進めています。
日本企業にとって重要なのは、従来の「高品質な車を作る」だけでは、中国市場で十分な差別化が難しくなっている点です。中国では、車内空間、AI音声操作、スマートコックピット、運転支援、アプリ連携、充電体験などが購買判断の重要な要素になっています。
今後の日系メーカーには、自前主義から脱却し、現地企業との協業を通じて、中国消費者のニーズを素早く製品に反映する体制が求められます。中国はもはや単なる販売市場ではなく、グローバル戦略上の開発拠点・輸出拠点として再定義されつつあります。自動車産業の主戦場は、「EVを作る競争」から、「AIで移動体験を再設計する競争」へ移行しています。以上

