ダボスでマスク氏が警告「電力を制する者がAIを制す」――中国太陽光の圧倒的規模
- イーロン・マスク氏が中国の太陽光エネルギーを高く評価していると聞きました。どういうことでしょうか。
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2026年1月22日、スイスで開催されたダボス会議(世界経済フォーラム)の場で、イーロン・マスク氏はブラックロックのラリー・フィンク氏との対談に登壇し、今後の AI 開発競争において最大のボトルネックになるのは「半導体ではなく電力である」と明確に警告しました。世界中で AI データセンターの稼働に伴う深刻な電力不足が懸念される中、同氏が「唯一の例外」として名指しで警戒し、かつ高く評価したのが中国です。マスク氏がダボスの壇上で驚愕を示したのは、中国の太陽光エネルギーの「桁違いの規模」と「圧倒的な成長スピード」です。同氏の発言によると、中国の太陽光パネル生産能力は年間 1,500GW に達し、実際の導入ペースも年間1,000GW を超える勢いにあります。これをバッテリーと組み合わせた24時間安定供給可能な定常電力に換算すると約250GW、全米の平均電力使用量(約 500GW)の半分に匹敵すると発言しています。中国は毎年、太陽光とバッテリーだけでアメリカの総電力消費の半分にあたる新エネルギー網を作り出せる異常なペースに達している・・・
その象徴的な現場が、「青い海」と称される新疆ウイグル自治区の太陽光発電産業パークです。計画面積は750㎢、東京23 区(約627 ㎢)より一回り大きく、見渡す限りすべてが太陽光パネルで埋め尽くされた光景はまさに一面の青い海です。このほか内モンゴルや青海省にも世界最大級のメガソーラーが点在し、日照豊富な砂漠地帯が巨大なエネルギー産出地へと変貌しています。中国の凄さは発電規模だけにとどまりません。内陸部で生み出された莫大な電力は、「西電東送」プロジェクトのもと、超高圧(UHV)送電網によって最大3,000km 離れた東部の大都市へロスを最小限に抑えて届けられます。2025年だけで送電網への投資額は約920億ドル(約13兆円)に達しました。電気を大量に作り、無駄なく届けるインフラが国家規模で完成しているのです。

さらに中国は戦略的な大量生産により、太陽光パネルの価格を15年間で90%下落させました。大型蓄電池(ESS)でも世界シェア約90%を握り、再エネの弱点である不安定さを補っています。この結果、2025年の中国の年間電力消費量は史上初の10兆kWhを突破し、米国の約2.5倍、日本・EU・ロシア・インドの合計をも上回りました。同年、再生可能エネルギーの設備容量が火力発電を初めて逆転したことも歴史的な転換点です。
マスク氏はダボスの対談で、米国の高い関税障壁が太陽光導入を阻んでいると指摘し、自らもTeslaとSpaceXで米国内に年間100GWの太陽光製造能力を構築する計画を表明しました。「電力を制する者がAIを制する」時代において、安価で大量の電力とそれを支える巨大インフラこそ、中国がテック覇権を握るための最大の武器です。マスク氏はその現実を、誰よりも鮮明に見抜いているようです。以上

