日系企業進出状況(2022年7月)

2022年7月27日

■ヤマハ発動機、知財訴訟で中国企業と和解

ヤマハ発動機株式会社は、中国における模倣品の拡散抑止のため、コンピュータソフトウェア著作権および特許権を根拠とする知的財産権侵害訴訟を提起していた。そしてこの提訴を受け、被告の深セン市東順貿易有限公司、深セン市東順電子有限公司、および深セン市東順貿易有限公司の法定代表者である王悦懐は、知財侵害を認め、模倣品の製造・販売の停止、在庫の破棄、謝罪広告の掲載、損害賠償の支払いなどの条件に合意した。ヤマハ発動機によると、裁判の開始前に被告側が侵害⾏為を認め、7⽉上旬に和解条項に合意したという。ただ和解条項の完全履⾏が確認で
きるまで、訴訟は取り下げない⽅針である。

■日⽴エナジーが変圧器など受注、中国洋上風⼒タービン向け

日⽴グループの日⽴エナジーは、中国の洋上風⼒発電設備製造会社である中国船舶集団海装風電股フン有限公司(中国海装)から、洋上向け製品群「OceaniQ(TM)」の⼀つである洋上風⼒タービン向け変圧器「WindSTAR(TM)」と開閉装置「PASS(Plug and Switch System)M00-Wind」を受注した。本プロジェクトは、中国の発電事業者である中国広核集団が開発を進める、発電容量 280MW のプロジェクトで、8MW 風⾞ 35 基を設置し、66kV の海底ケーブルで陸上昇圧変電所に送電する。中国では近年、風⼒発電が急速に発展し、総発電容量の 14%を占めている。そして、豊富な洋上風⼒資源を活⽤するため、洋上風⼒発電の導⼊拡⼤と効率性向上に向けて、設備容量の増加と送電電圧の⾼電圧化が進んでいる。

2022年7月20日

■TIS、⾃動運転 EV スタートアップの貴州翰凱斯と資本・業務提携

TI インテックグループの TIS 株式会社は、⾃動運転 EV 向けの共通シャシーを開発する中国の貴州翰凱斯智能技術有限会社と資本・業務提携したことを発表した。TIS は事業活動を通じた社会課題の解決の分野として「低・脱炭素化」「都市への集中・地⽅の衰退」「⾦融包摂」「健康問題」を掲げており、貴州翰凱斯社との資本・業務提携は特に「低・脱炭素化」「都市への集中・地⽅の衰退」の解決に貢献する事業と考えている。⾃動⾞の EV 化や⾃動運転技術の進歩に伴い⾃動⾞産業が⼤きく転換し、ソフトウェアの重要性が⾼まる転換期において、貴州翰凱斯社との提携を通じ
て MaaS(Mobility as a Service)、スマートシティ領域等における新たな IT サービスを創出していく。

■ホンダ、「無印良品」と電動⾃転⾞ 中国で発売

豊田合成株式会社は、中国の華中における内外装部品の供給基ホンダは、生活雑貨店「無印良品」を展開する良品計画と共同企画した電動⾃転⾞「素一 MS01」を中国で発売するとした。ホンダの中国での⼆輪⾞生産・販売の合弁会社「新⼤洲ホンダ」が開発し、製造や販売も担う。新⼤洲ホンダがネット通販で 4 日から予約受け付けを始めた。1 度の充電で⾛れる航続距離は 65 キロメートルで価格は 4980 元(約 10 万円)。ホンダ系列の⼆輪⾞店舗やネット経由で販売し、無印良品も店舗で紹介する。中国で急増する電動⼆輪⾞の需要を取り込む狙いだ。

2022年7月13

■富士フイルム、中国複合機リサイクル拠点で脱炭素実現

富士フイルムホールディングス株式会社は、使用済み複合機などを再資源化するリサイクル拠点の富士フイルムエコマニュファクチャリング(蘇州)でカーボンニュートラルを実現したと発表した。富士フイルムエコマニュファクチャリング(蘇州)は、拠点内で約 8,000m2 の太陽光発電パネル設置などにより、使用電力の約 90%を賄い、使用電力のすべてを再生可能エネルギー由来の電力に切り替えることで、カーボンニュートラルを実現するという。

■豊田合成、中国の内外装部品生産社に出資

広汽本田(広汽ホンダ)は 6 ⽉ 6 ⽇、中国仕様フィットの新モデル「無限(MUGEN)」を正式発売した。価格は 9万 6800 人⺠元(約 190 万 4000 円)から。第 4 世代中国仕様のフィットから進化させ、新たなスポーティモデルとなる「無限フィット」である。無限フィットは、ホンダ専門のアフタースポーツブランド「無限」のエアロパーツを各種装着。フロントスポイラーやシルバーのフロントグリルが採用されて存在感ある顔つきとなったほか、リアスポイラーも派⼿なデザインが採用されている。⽇本で販売されるフィット向けの無限アクセサリーともやや異なるデザインで、精悍さが強調されたスタイルという。

豊田合成株式会社は、中国の華中における内外装部品の供給基盤を強化するため、中国地域の統括会社「豊田合成(中国)投資有限公司」を通じて「武漢彬宇汽車零部件有限公司」に出資すると発表した。夏頃をめどに 2000 万元(約 3 億 5000 万円)を投じて株式 34%を取得する予定だ。ホンダからの現地調達ニーズの高まりを受け、供給能力を強化する。豊田合成としては中国で四つ目の内外装部品生産拠点になる。華北および華南地域にある従来の生産拠点は主に沿岸部にあり、内陸部の生産体制は手薄だった。今回、内陸部に拠点を構えると同時に武漢一彬の取引実績を取り込むことで、生産体制の増強や販路の拡大などを見込む。

2022年7月6日

■任天堂はテンセントと提携継続、「スイッチ」拡販へ

任天堂の株主総会で、中国のインターネットサービス大手、騰訊 HD(テンセント)との提携を継続していく方針を明らかにした。中国のゲーム機市場の成⻑余地は大きいとし、引き続きテンセントと共同で家庭用ゲーム機「ニンテンドースイッチ」を中国で広めていく考え。両社は 2019 年 4 月に業務提携を発表。同年 12 月に中国で発売された「スイッチ」について、テンセントが正規販売代理店となった。テンセントは 21 年 1 月の時点で、発売以来の「スイッチ」累計販売台数が100 万台に達したことを明らかにしている。

■「深セン市⻄麗総合交通ハブ」国際コンペ、⽇建設計が当選

株式会社日建設計は、中国最大規模の交通ハブ「深セン市⻄麗総合交通ハブ」の国際コンペに当選した。日建設計はこれまで、多くの国内における TOD(公共交通志向型開発)プロジェクトに携わってきた。中国は人口増加による過密化や交通渋滞、環境汚染などの課題を抱えており、近年、公共交通機関を基盤として⾃動⾞に依存しない社会を目指す TOD 開発が進められている。本プロジェクトは、日建設計が日本国内外で培ってきたこれまでの知⾒を活かしながら、乗り換え空間の動線整理から都市レベルのつながりに⾄るまで、中国ならではの事情に合わせ計画した。