今週のトピックス(2026年5月)

2026年5月28

■中国3月の光ファイバー輸出264%増、価格も3倍高に

世界的な需要の拡大と価格の上昇を受け、中国の光ファイバー輸出規模が拡大している。中国海関総署(税関)のデータによると、2026年3月の中国の光ファイバー・光ケーブル輸出額は前年同月比263.84%増の2億4500万米ドル(約389億円)に膨らんだ。平均輸出単価は1キログラム当たり76.11米ドルで、同204.32%上昇している。英調査会社のCRUによると、中国の光ファイバー出荷量は25年に世界全体の56.3%を占めた。工業情報化部・情報通信経済専門家委員会の盤和林氏は、人工知能(AI)インフラに対する予想以上の投資が光ファイバー製品の需要を後押ししていると指摘した。

■中国、希少糖「アルロース」需要拡大、食品認可で使用製品増加

中国で「希少糖」の一種、アルロース(プシコース)の需要が拡大している。2025年7月に国内販売できる新食品原料として認可されたことを受け、食品・飲料大手が続々とアルロースを使用した製品を投入している状況だ。アルロース生産を手がける中国企業はこれまで、主に海外向けに販売していたが、足元では国内向けの販売に意欲を示し、生産能力の拡張を進めているという。ルロースの甘味度はショ糖の70%で、砂糖に近いすっきりとした甘さを持ちながら、ほぼゼロカロリーで血糖値を上げにくいという優れた特徴がある。中国では前述のように、25年7月に新食品原料としての使用が認められた。これを受けて、康師傅HD、統一企業中国HD、中国蒙牛乳業、奈雪的茶HDなどがアルロースを使用した製品を発売。コカ・コーラなどの大手企業も研究開発を進めている。

■中国1-4月の外資系企業新規設立数が前年比6.8%増、2万社突破

商務部によると、2026年1-4月、全国で新たに設立された外資系企業は前年同期比6.8%増の2万113社に達し、実行ベース外資導入額は2876億9000万元(1元は約23.4円)に上った。外資のストックは安定的に増加している。過去約3年間、中国の外資系企業は年々増加して53万社を超え、外資ストックも3兆6000億ドル(1ドルは約158.9円)を超えた。2025年には前年を10%以上上回る約8000社の外資系企業が対中投資を増やし、2026 年1-4月には約3000社が対中追加投資を行った。

■ハイアールが超軽量AI運動支援外骨格ロボットを発表

海爾集団(ハイアール)は5月26日、超軽量の人工知能(AI)運動支援外骨格ロボット「W3」を発表した。このロボットを使用すれば体力の消耗を最大で37%減らすことができるという。「W3」は「フルカーボンファイバー+チタン合金」設計を採用し、本体重量はわずか1.75キログラム(kg)。AI歩行アルゴリズム3.0を搭載し、多次元センサーを内蔵し、ミリ秒単位で動作の意図を判断できる。また「大トルクデュアルモーター+高エネルギーバッテリー」を採用しており、片足あたりの最大アシスト力は16ニュートンメートル(N・m)に達し、体にかかる負荷を約5kg分軽減することができる。

■小米、武漢にEV新工場 新型車投入でスタートアップ勢との競争激化

中国のスマートフォン大手、小米(シャオミ)が中国・武漢で電気自動車(EV)の新工場を計画していることがわかった。生産能力は年15万台。早ければ7月から生産を始める。中国市場でEV新興勢の淘汰を促す可能性がある。新工場は内陸の湖北省武漢市に建てる。車関係の工場が集まる経済技術開発区の一角だ。地元政府系の国有企業が土地や建物を整備し、小米に引き渡す。工事は完成に近いという。

2026年5月21

■通信大手3社が「Tokenプラン」発売、AI利用の新たな課金体系

中国移動(チャイナ・モバイル)、中国電信(チャイナ・テレコム)、中国聯通(チャイナ・ユニコム)の通信キャリア大手3 社が相次いで、消費者向けの「Token(トークン)プラン」を投入した。トークン消費量を単位とした人工知能(AI)モデル利用の新たな課金プランだ。通信キャリアの間で、AIインフラの利用料金を通信料金と一体化する動きが本格化していることを意味する。うち中国電信は、「開発者・中小企業」と「個人・家庭」向けの2タイプのプランを用意。トークン消費量に応じて3段階の料金を設定した。一方、中国移動は4月に北京で個人向けトークンプランの販売を開始。クラウドパソコン(PC)利用者向けに5.99人民元の従量課金プランや、24.99人民元で1000万トークンを利用できる月額プランを投入した。このほか、中国聯通のトークンプランは個人版が月額15人民元からで、利用枠は600万トークン。法人版は最低で月額198人民元からとなっている。

■PCB増産計画相次ぐ、主要3社は計9330億円投資へ

プリント基板(PCB)の供給が不足するなか、中国の主要メーカーが増産計画を打ち出している。勝宏科技(VGT)、滬士電子(WUSプリンティド・サーキット)、鵬鼎控股(アバリー・ホールディング)の大手3社だけでも、2026年に入って公表した増産計画の投資総額が400億人民元(約9330億円)を超えた。投資の方向性は、人工知能(AI)サーバー、高周波・高速通信、パッケージ基板など高級分野に集中している。一方、需給の引き締まりを受け、PCB価格の上昇も進んでいる。銅張積層板(CCL)、高級銅箔、ガラスクロス、特殊樹脂など原材料の価格が上昇するのに伴い、PCB完成品も値上がりしている状況だ。特にAI向けの高速・高周波製品の値上がり幅が大きく、納期は数カ月に延びている。

■中国、米国と関税下げ規模「4.7兆円で合意」

中国商務省は5月20日、米国との間で300億ドル(約4兆7400億円)以上の関税引き下げを相互に行うことで合意したと発表した。新設する貿易委員会で詳細を協議する。合意パッケージには、中国によるボーイング航空機200機の購入や米国産牛肉の輸出業者登録再開が含まれる。一方、希土類の輸出規制問題については協議継続となった。この合意は米中貿易摩擦の緩和に向けた大きな一歩であり、航空機産業や関連サプライチェーンに広範な影響を及ぼす見通しだ。

■ステランティス、東風汽車と欧州に合弁設立 欧州で中国車生産

欧州ステランティスは20日、中国国有自動車大手の東風汽車集団と欧州に合弁会社を設立すると発表した。共同で自動車の開発や製造、販売を担う。合弁会社はステランティスが51%出資する。合弁会社を通じて、欧州の一部市場で東風汽車傘下で電気自動車(EV)など新エネルギー車を手掛けるブランド「嵐図」の車両を販売する。この合弁会社は、ステランティスが51%、東風汽車が49%を出資する形で設立され、両社は欧州市場への直接的な参入経路を確保し、中国製EVに対するEUの追加関税を回避することを目指している。また、ステランティスは中国のEV技術を取り込むことで収益改善を狙い、東風汽車は欧州市場への前例のないアクセス権を与えられることになる。

■アリババ、新型AI半導体を発表 性能3倍に

アリババグループは、エージェント型人工知能(AI)と推論コンピューティング向けの新たな半導体「玄鉄C950」を発表した。この半導体は、前世代モデル「玄鉄C920」と比較して3倍以上の総合性能を誇り、大規模言語モデルのネイティブサポートや独自AIアクセラレーションエンジンを搭載している。アリババは、米エヌビディア製プロセッサーに代わる国産代替品の開発に注力しており、中国国内で米国製先端半導体へのアクセスを断たれた中で、独自技術エコシステムの構築による「完全な技術自立」へと舵を切っている。

2026年5月14

■中国製農機が電動化加速、ハイブリッド中心に量産段階

中国の新型エネルギー貯蔵の総設備容量は、初めて世界全体の半分超を占めた。「エネルギー貯蔵産業研究⽩書2026」のデータによると、国内の新型エネルギー貯蔵の累計設備容量は、2025年末時点で合計144.7GW(1億4470万kW、電⼒貯蔵総設備容量の3分の2以上)に達し、世界市場に占める⽐率が51.9%にまで⾼まっている。25年の新型エネルギー貯蔵の新規設備容量は66.4GW/189.5GWhに達し、出⼒規模とエネルギー規模がそれぞれ前年⽐で52%、73%ずつ伸びている。世界市場に占める⽐率は58.6%に達し、4年連続で世界⾸位を維持した。新型エネルギー貯蔵の累計規模は、2030年に371.2GWまで拡大すると予想されている。2026〜30年の年平均成⻑率(CAGR)は20.7%に上る⾒通し。

■油圧ショベル値上げ相次ぐ、原燃料高と景況感改善で

中国で油圧ショベルの値上げが相次いでいる。三一重工、徐州工程機械集団、広西柳工機械などの大手が相次いで価格見直しを発表。値上げ幅は5%前後で、5月中旬から6月初旬にかけて実施される予定だ。キャタピラー(CAT/NYSE)などの海外大手も値上げに踏み切っている。値上げの理由は、鋼材を含む原材料や燃料の価格上昇だ。また、建機業界全体の景況感改善によって、メーカーが強気に転じているという。中国国内では大型インフラプロジェクトの推進、地方債資金の投入を背景に建機の需要が回復している状況。海外では、欧米の景気循環に伴う需要回復、アフリカ鉱業分野での高い需要を背景に、輸出が引き続き好調だという。

■華為AI半導体売上高は26年に6割増へ、国内最大シェアに

中国企業の間で米半導体大手、エヌビディア(NVDA/NASDAQ)への依存を減らす動きが加速するなか、華為技術(ファーウェイ)は2026年に中国の人工知能(AI)半導体市場で最大のシェアを獲得する見通しだ。ファーウェイのAI 半導体売上高は26年に前年比で6割の増加が予想されている。報道によると、中国の大手テック企業は既にファーウェイの最新AI半導体「昇騰(Ascend)950PR」を大量発注している。ファーウェイは受注残ベースで、26年のAI半導体売上高が約120億米ドル(約1兆8860億円)に達すると見込んでおり、25年の75億米ドルから60%増加する計算だ。主力製品の昇騰950PRは26年3月に量産を開始しており、年内受注の大半を占めているという。