今週のトピックス(2026年10月)
2026年10月23日
■中国製ハイブリッド車、EU向け輸出に新たな制限
10月9日に発表された中国とEUの新たな合意により、プラグインハイブリッド車(PHV)を含む中国製ハイブリッド車のEU向け輸出に数量制限が導入される方向となった。中国側は、輸出拡大の余地を確保したと説明している。中国メーカーはEUによるEV追加関税を回避するためハイブリッド車輸出を急拡大しており、2026年上半期の中国からEUへのハイブリッド車輸出額は、前年同期の25億ドルから75億ドルへ約3倍に増加した。BYD、上海汽車、奇瑞汽車などへの影響が見込まれる。今後、中国メーカーは単純な輸出から、欧州での現地生産へのシフトを迫られる可能性がある。中国自動車産業の海外展開が「輸出」から「現地化」へ移る契機となりそうだ。
■中国の9月輸出36.3%増、貿易黒字は1,335億ドル
10 月14日に報じられた中国税関当局の発表によると、9月の輸出額は米ドル建てで前年同月比36.3%増となり、市場予想の25.5%増を大幅に上回った。輸入も31.0%増加し、貿易黒字は1,335.3億ドルに拡大。1~9月累計の黒字額は9,381.1億ドルに達し、年間で再び1兆ドルを突破する可能性が高まっている。半導体、自動車、AI関連機器、グリーン技術製品などが輸出をけん引した。国内消費や不動産市場が弱い中、輸出が中国経済を支える構図が一段と鮮明になった一方、欧米との貿易摩擦がさらに強まるリスクもある。
■中国、5,500億元の地方政府債務枠を追加活用 景気下支えを強化
中国政府は10月9日、未使用となっていた地方政府の債務枠5,500億元(約820億ドル)の活用を決定し、地方財政とインフラ投資の支援に配分したと発表した。このうち3,000億元は県・区レベルの地方政府の財政運営支援に充て、残りは経済基盤の比較的強い地域を中心としたインフラ事業に投入する。中国経済は輸出が堅調な一方、個人消費、不動産、民間投資の弱さが続いている。政府は年4.5~5%の成長目標達成に向け、金融緩和だけでなく財政政策による景気下支えを一段と強化している。
■テンセント、米ドル・人民元建て社債の発行を完了 AI投資拡大を背景に
中国IT大手テンセントは10月22日、米ドル建ておよびオフショア人民元建て社債の発行を完了したと発表した。10月14日に条件を決定しており、発行額は18億米ドル(約2,826億円)と260億元(約6,240億円)。資金使途は「一般事業目的」とされている。2026年上半期の設備投資額は963億元(約2兆3,112億円)と前年同期比で2倍以上に増加しており、計算設備、ソフトウェア、データセンターなどAIインフラへの支出が膨らんでいる。中国では生成AIやクラウドサービスの競争が激化しており、大手IT企業による資金調達も大型化している。高金利環境が続く中でも、テンセントがAIを中長期の成長分野として重視していることを示す動きといえる。
■ByteDance、AI安全専門チームを新設 世界で研究者を採用
TikTok を運営する中国ByteDanceは10月14日、AI研究部門「Seed」内にAI安全性を専門とする「Alignment & Preparedness」チームを新設し、世界規模で研究者10人の採用を開始した。高度なAIが人間の意図や安全要件に沿って動作するための「AIアラインメント」や、脆弱性評価、行動監視、新たなリスクへの備えを研究する。中国の大手AI企業が、最先端モデルの安全性を専門に扱う独立組織を公表するのは異例。中国でもAI開発競争が「性能向上」だけでなく、安全管理や社会実装を含む段階へ移りつつあることを示している。
2026年10月16日
■中国製PHV、EU向け輸出に新たな制限 現地生産を促す可能性
中国とEUの新たな合意により、中国製プラグインハイブリッド車(PHV)のEU向け輸出に数量制限が導入される方向となった。中国メーカーはEUによるEV追加関税を回避するためPHV輸出を急拡大しており、2026年前半の輸出額は前年同期の約3倍に増加した。BYD、上海汽車、奇瑞汽車などへの影響が見込まれる。今後、中国メーカーは単純な輸出から、欧州での現地生産や高価格帯モデルへのシフトを迫られる可能性がある。中国自動車産業の海外展開が「輸出」から「現地化」へ移る契機となりそうだ。
■中国の9月輸出36.3%増、貿易黒字は1,335億ドル
中国税関当局が発表した9月の輸出額は前年同月比36.3%増となり、市場予想の25.5%増を大幅に上回った。輸入も31.0%増加し、貿易黒字は1,335億ドルに拡大。1~9月累計の黒字額は9,381億ドルに達し、年間で再び1兆ドルを突破する可能性が高まっている。半導体、自動車、AI関連機器、グリーン技術製品などが輸出をけん引した。国内消費や不動産市場が弱い中、輸出が中国経済を支える構図が一段と鮮明になった一方、欧米との貿易摩擦がさらに強まるリスクもある。
■中国、5,500億元の地方政府債務枠を追加活用 景気下支えを強化
中国政府は、未使用となっていた地方政府の債務枠5,500億元(約820億ドル)を活用し、地方財政とインフラ投資を支援する方針を打ち出した。このうち3,000億元は県・区レベルの地方政府の財政運営支援に充て、残りは経済基盤の比較的強い地域を中心としたインフラ事業に投入する。中国経済は輸出が堅調な一方、個人消費、不動産、民間投資の弱さが続いている。政府は年4.5~5%の成長目標達成に向け、金融緩和だけでなく財政政策による景気下支えを一段と強化している。
■テンセント、AI投資拡大へ45億ドル以上の社債発行を検討
中国IT大手テンセントは、AI関連投資の拡大に向け、米ドル建ておよびオフショア人民元建て社債で少なくとも45億ドルを調達する計画を進めている。2026年上半期の設備投資額は963億元と前年同期比で2倍以上に増加しており、計算設備、ソフトウェア、データセンターなどAIインフラへの支出が膨らんでいる。中国では生成AIやクラウドサービスの競争が激化しており、大手IT企業による資金調達も大型化している。高金利環境が続く中でも、テンセントがAIを中長期の成長分野として重視していることを示す動きといえる。
■ByteDance、AI安全専門チームを新設 世界で研究者を採用
TikTok を運営する中国ByteDanceは、AI研究部門「Seed」内にAI安全性を専門とする「Alignment &Preparedness」チームを新設し、世界規模で研究者10人の採用を開始した。高度なAIが人間の意図や安全要件に沿って動作するための「AIアラインメント」や、脆弱性評価、行動監視、新たなリスクへの備えを研究する。中国の大手AI 企業が、最先端モデルの安全性を専門に扱う独立組織を公表するのは異例。中国でもAI開発競争が「性能向上」だけでなく、安全管理や社会実装を含む段階へ移りつつあることを示している。
2026年10月8日
■中国、10月の燃料輸出を事実上停止
中国の主要製油会社が10月のガソリン・軽油などの輸出を停止または大幅に抑制している。背景には、中東情勢の緊張による原油調達リスクと、国内在庫の低下がある。中国政府は国内供給の安定を優先しており、PetroChinaなどが予定していた輸出を見送った。中国はアジア有数の石油製品輸出国であるため、この措置は周辺国の軽油価格や供給にも影響する可能性がある。特に中国産燃料への依存度が高い国では代替調達が課題となる。エネルギー安全保障を優先する中国の姿勢が改めて鮮明になった。
■中国の「過剰生産能力」巡り、米欧日など15カ国・地域が共同声明
10月7日、米国、EU、日本、韓国、インドなど15カ国・地域が、構造的な過剰生産能力と市場をゆがめる非市場的政策への対応を求める共同声明に署名した。声明は特定国を名指ししていないが、米国側は中国の政府補助金や輸出拡大を強く問題視している。中国はこれに対し、「過剰生産能力」との批判は保護主義を正当化するものだと反論している。EV、鉄鋼、化学、機械など、中国企業の競争力が高い産業を中心に、今後さらに関税や輸入規制が広がる可能性があり、中国の輸出主導型成長にとって新たな外部リスクとなっている。
■中国「新経済指数」、9月は34.1に低下
財新智庫が発表した2026年9月の中国新経済指数(NEI)は34.1となり、前月の過去最高35.0から0.9ポイント低下した。主因は新経済分野への資本・労働・技術投入がそろって減少したことで、特に科技分野への投入低下が目立った。一方、中国政府はAI、半導体、先端製造業など「新質生産力」への投資を成長戦略の柱としているため、指数の低下が一時的かどうかが注目される。不動産など従来型産業の低迷を新産業で補う構造転換を進める中国にとって、技術投資の勢いを維持できるかが今後の景気を見る重要な指標となる。
■DeepSeek、最大1,000億元規模の大型資金調達へ
中国AI企業DeepSeekが、新たに800億元超、最大1,000億元規模の資金調達を進めていると報じられた。企業価値は約5,000億元を目指しており、CATL(寧徳時代)やテンセントなどが出資者として名前を挙げられている。調達資金は中国国内でのIPO準備やAIモデル開発などに充てる見通し。また、DeepSeekは華為技術と協力し、同社のAscend AI 半導体に最適化した開発環境の構築も進めている。米国による先端半導体規制が続く中、中国ではAI モデルから半導体、開発環境まで国内企業で構築する動きが一段と加速している。
■中国、アリババとByteDanceによるNVIDIA製高性能半導体の購入を検討
中国政府が、アリババやByteDanceなど国内IT大手によるNVIDIA製高性能半導体の購入を認める方向で検討していると報じられた。対象は高性能ワークステーション向け「RTX PRO 5500」で、中国工業情報化部が一部企業に購入計画の提出を求めたとされる。中国は国産AI半導体の育成を進める一方、生成AIの開発競争では高性能GPUへの需要が依然として大きい。米国による対中半導体輸出規制と、中国側の国産化政策の間で、必要な海外技術を選別的に利用する姿勢が表れている。AI開発力を巡る米中競争の行方にも影響する動きとして注目される。一環とみられる。
2026年10月1日
■9月製造業PMIが50.1、景況感は再び拡大圏へ
中国国家統計局が9月30日に発表した9月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.1となり、前月から0.3 ポイント上昇し、好不況の分岐点である50を上回った。生産や新規受注などの指標も改善し、製造業の景況感には持ち直しの兆しがみられる。電子機器や設備関連など、一部の輸出・ハイテク分野が回復を支えているとみられる。一方、内需や不動産、設備投資はなお力強さを欠き、中小企業の経営環境も厳しい。今回のPMI改善は前向きな材料だが、景気回復が持続するかは、今後の国内需要の回復や経済対策の効果が重要となる。
■中国、ガソリン・軽油価格を引き上げ 上昇幅は政府が抑制
中国国家発展改革委員会は9月24日、国際原油価格の上昇を受け、25日から国内のガソリンと軽油の小売価格を引き上げると発表した。1トン当たりの引き上げ幅はガソリン395元、軽油385元。ただし、中国の価格決定方式に基づけば、それぞれ830元、800元程度の値上げとなる可能性があったため、政府が上昇幅を大幅に抑えた形となった。エネルギー価格の上昇は物流、製造業、農業など幅広い分野のコスト増につながり、物価や企業収益にも影響する。中国政府は国際原油高を国内価格へそのまま転嫁せず、企業や消費者の負担を軽減することで、内需や経済活動への悪影響を抑える姿勢を示している。
■1~8月の工業企業利益は15.7%増、ハイテク産業がけん引
中国国家統計局によると、2026年1~8月の一定規模以上工業企業の利益総額は5兆2,700億元となり、前年同期比15.7%増加した。製造業の利益は17.4%増と堅調で、特にコンピューター、通信、電子機器製造業では利益が前年同期比で約2倍となり、ハイテク分野が全体をけん引した。一方、自動車、鉄鋼、非金属鉱物などでは収益環境が弱く、業種間の格差は大きい。また、売掛金や製品在庫も増えており、受注や資金回収に課題を抱える企業も少なくない。中国の工業部門は全体として改善しているが、その回復は依然として業種によってばらつきが大きい。
■Momenta、自動運転タクシーを欧州・中東へ拡大
自動運転技術企業Momentaは、ロボタクシー事業の海外展開を本格化する。現在、中国5都市に加え、ドイツ・ミュンヘンやアブダビなどで実証を進めており、2026年末までに保有車両を数百台、2027年には数千台規模へ拡大する計画。今後はドバイや欧州の複数都市、日本も重点市場として検討している。同社にはメルセデス・ベンツ、トヨタ、BYDなど大手自動車メーカーが出資している。7月には香港市場に上場し約7億5,100万ドルを調達した。中国の自動運転企業が国内市場だけでなく、海外で実際のサービス展開を競う段階に入っていることを示す動きとして注目される。
■中国恒大、物業管理子会社の株式売却に向け独占交渉
経営再建中の中国恒大集団は、傘下の不動産管理会社「恒大物業集団」の株式売却に向け、特定の買い手候補と独占交渉契約を締結した。恒大物業が9月30日に明らかにした。売却対象は、中国恒大集団および関連会社が保有する恒大物業株で、買い手の名称や売却価格など具体的な条件は現時点では公表されていない。中国恒大は巨額債務を抱え、清算・債務処理が続いており、優良資産の売却による資金回収が重要な課題となっている。今回の動きは、不動産開発本体とは比較的独立した管理サービス事業の価値を活用し、債権者への資金還元を進める再編策の一環とみられる。

