日系企業進出状況(2026年10月)

2026年10月16日

■トヨタ、中国一汽・広汽集団と新たな戦略提携 合弁事業を再編

トヨタ自動車は10月8日、中国第一汽車および広州汽車集団と、新たな戦略提携の枠組み協定を締結した。今後、一汽トヨタと広汽トヨタは研究開発、調達、生産、販売などで連携を深め、電動化や知能化への対応を加速する。中国一汽が保有する一汽トヨタの持分50%を広汽集団が取得する計画も示されており、中国事業の運営体制は大きく変わる。中国市場ではBYDなど地場勢の競争力が高まっており、トヨタは従来の二つの合弁体制をより緊密に連携させることで、開発スピードと事業効率の向上を目指す。

■日系14社、中国・武漢のシルバー経済博覧会に出展

ジェトロは、中国・武漢市で開催された「武漢国際シルバー経済博覧会」にジャパンパビリオンを設置し、日系企業14社が出展した。中国では高齢化が急速に進み、介護、健康管理、福祉機器、生活支援サービスなど「シルバー経済」の市場拡大が期待されている。日本企業にとっては、高齢化対応で蓄積してきた製品・サービスを中国市場へ展開する機会となる。一方、中国企業の技術力向上や価格競争も進んでおり、日本企業には単純な製品輸出ではなく、現地ニーズに合わせた仕様変更、販売網構築、医療・介護関連制度への対応が求められる。

2026年10月8日

■日産、中国販売が約52%減 NEVへの転換を急ぐ

日産自動車が9月29日に発表した8月の中国販売台数は2万8,275台となり、前年同月比51.9%減少した。中国での生産台数も1万5,474台と73.3%減となり、厳しい状況が続いている。中国市場ではBYDなど地場メーカーがEV・PHVを中心に急速にシェアを拡大しており、日系自動車メーカーは価格、ソフトウェア、商品投入スピードで強い競争に直面している。日産は新型SUV「NX7」など新エネルギー車(NEV)の投入を進め、商品構成の転換を急いでいる。中国市場で日系メーカーが直面する構造変化を示す代表的な事例といえる。

■パナソニック、9年連続で中国国際輸入博覧会に出展

パナソニックは10月5日、11月に上海で開催される第9回中国国際輸入博覧会への出展概要を発表した。同社は第1回から9年連続で参加しており、今回は消費品展示エリア最大となる903平方メートルのブースを設ける。展示内容は、AIインフラを支える電子部品、各種ソリューション、スマートライフ関連製品の3分野が中心となる。中国市場では家電販売だけでなく、高齢化、健康、住宅、AI、産業インフラなど社会課題に対応する事業へ重点を移している。中国を単なる販売市場ではなく、技術開発や事業展開の重要拠点として位置付ける姿勢が鮮明になっている。

2026年10月1日

■トヨタ、中国販売が8月23%減 EVシフトへの対応を加速

トヨタ自動車の2026年8月の中国販売は前年同月比約23%減少し、7カ月連続の前年割れとなった。中国ではガソリン車需要が縮小する一方、BYDなど現地メーカーのEV・プラグインハイブリッド車が急速にシェアを拡大しており、日系メーカーにとって競争環境は一段と厳しくなっている。トヨタは対応策として、中国市場向けの商品開発を現地主導へ切り替える「中国のための中国」戦略を進め、部品の現地調達や中国人技術者への権限移譲を拡大している。上海ではレクサスEVを生産する独資工場の建設も進めており、中国事業の構造転換を急いでいる。

■無印良品、中国で新店舗を相次ぎ開業 地方都市にも出店拡大

良品計画が展開する「無印良品(MUJI)」は、中国で店舗網の拡大を続けている。9月24日から30日までの1週間だけでも、紹興、上海、煙台、深圳、鄭州、南京、西安、佛山などで新店舗を相次いで開業した。9月28日には西安咸陽国際空港の第5ターミナルに「MUJI to GO」を開設するなど、通常の商業施設だけでなく交通拠点への出店も進めている。中国では消費低迷や価格競争の激化から事業を縮小する外資企業もみられるが、無印良品は主要都市に加えて地方中核都市にも販売網を広げている。中国消費市場への継続的な投資姿勢を示す動きとして注目される。