今週のトピックス(2023年11月)

2023年11月29

■中国初の「供給網博覧会」、テスラやアップル参加

中国政府は 21 日、北京市で 28 日に開幕する「中国国際サプライチェーン(供給網)促進博覧会」の概要を発表した。習近平国家主席は訪米時にデカップリング(分断)に反対した。テスラやアップルなど多くの米国企業が出展するとアピールして企業を囲い込む姿勢を示した。

■中国に追加緩和観測 政府債増発にらみ資⾦供給拡⼤

中国で追加⾦融緩和の観測が浮上している。中国⼈⺠銀⾏(中央銀⾏)は 20 日利下げを⾒送ったが、「⼈⺠銀⾏は年内にも市中に出回るお⾦を増やす」との⾒方が⾦融市場に出ている。災害復興を⽀える国債増発で銀⾏などからの資⾦調達が増え、⾦利に上昇圧⼒がかかりやすいためだ。

■珠海で⺠間航空機の展覧会が初開催、250 社超出展

中国の成都セブン-イレブンと重慶セブン-イレブンは、四川省成都市と重慶市のセブン-イレブン全店舗において、期間限定で日本の各地にちなんだ商品を販売する「日本美食紀行」)の一環として、11 月 6 日から北海道にちなんだ商品を販売する「北海道祭り」を開始した。

■マクドナルド、中国事業の出資⽐率拡⼤ 好業績で再取得

米マクドナルドは 20 日、米投資ファンドのカーライルが保有する中国のフランチャイズ会社の株式持ち分を買い取ることで合意した。マクドナルド本体の出資⽐率を 20%から 48%に引き上げる。中国事業は 2014 年の消費期限切れ鶏⾁問題などで⼀時低迷していたが、近年は業績が回復しており、投資収益の拡大を目指す。

■⼤連の万達集団、⽶ドル債の償還延⻑へ 商業施設最⼤手

商業施設運営最大⼿、大連万達集団(ワンダ・グループ)の系列企業が発⾏する 6 億ドル(約 880 億円)の米ドル債について、2024 年 1 月の償還期限を延⻑する方針であることが 21 日、明らかになった。⾦融機関が融資を厳格化したことで資⾦繰りが悪化した。

2023年11月23

■10 月の自動車販売台数は前年同月比 13.8%増、3 カ月連続で輸出が 40 万台超

中国自動車工業協会(CAAM)が 11 月 10 日に発表した 2023 年 10 月の自動車販売台数は、前年同月比13.8%増の 285 万 3,000 台だった。うち、国内販売台数は 236 万 5,000 台、輸出台数は 48 万 8,000 台と 3カ月連続で 40 万台を超えた。前月比では、国内販売台数は 2%減少したが、輸出台数は 9.8%増加となった。

■中国の医療用材料メーカー、産学官連携で開発強化

医療消耗品と医療用高分子材料を手がける「固源塑胶製品(GuYuan Plastic Products)」はこのほど、プレシリーズ A で晟隆創投から数千万元(数億~十数億円)を調達。資金は医療用新材料の研究開発と市場開拓に充てる。

■成都市と重慶市のセブン-イレブンで「北海道祭り」を実施

中国の成都セブン-イレブンと重慶セブン-イレブンは、四川省成都市と重慶市のセブン-イレブン全店舗において、期間限定で日本の各地にちなんだ商品を販売する「日本美食紀行」)の一環として、11 月 6 日から北海道にちなんだ商品を販売する「北海道祭り」を開始した。

■CATL、貴州省で動力、蓄電池工場を稼働

中国の車載電池大手の寧徳時代(CATL)は 10 月 27 日、貴州省の貴安新区(注)で動力電池と蓄電池の工場の操業を開始した。同工場の総敷地面積は約 1,435 ムー(約 95 万 7,100 平方メートル、1 ムー=約 667 平方メートル)に及び、年産能力は 60 ギガワット時(GWh)で、動力電池と蓄電池を生産する計画だ。

■中国 OPPO、スマホ OS 刷新 生成 AI で通話内容を要約

中国スマートフォン大手の OPPO(オッポ)は 16 日、スマホ用の基本ソフト(OS)を刷新すると発表した。新 OS は生成 AI(人工知能)と連携して音声アシスタント機能などを高めたのが特徴だ。同日から順次、出荷済みのスマホの OSを更新できるようにし、販売拡大につなげる。

2023年11月15

■成都市で初となる沖縄フェスティバルが開催

四川省成都市で 10 月 26~28 日に、初めての「成都沖縄フェスティバル」(以下「フェスティバル」)が開催された。フェスティバルには、成都市内の日本食レストラン 14 店舗が参加した。期間中、各店舗内で沖縄料理と沖縄県産の泡盛や梅酒を提供したほか、沖縄出身の音楽家が三線を演奏するなど、沖縄の料理、酒、音楽を多くの来場者に提供した。

■中国輸入博、日本企業 350 社出展 環境技術売り込み

上海市で開催中の中国国際輸入博覧会には良品計画やソニーグループなど日本企業約 350 社が参加している。初出展の良品計画は再生プラスチックを使った商品を展示した。中国は 2060 年までに二酸化炭素(CO2)の排出量を実質ゼロにする目標を掲げており、会場を訪れる政府関係者らに環境負荷の低い素材などを売り込む企業が目立った。

■中国の車設備企業、タイに EV バイク工場 420 億円投資

タイ東部の経済特区「東部経済回廊(EEC)」の事務局は 7 日、自動車設備などを手がける中国の蘇州瀚川智能科技がタイに電動二輪(EV バイク)の新工場を設けると発表した。2028 年までに総額 100 億バーツ(約 420 億円)を投じ、年 15 万台の生産能力を確保する。

■中国 SNS 大手、インフルエンサー実名表示 当局指導受け

中国当局は SNS の統制を強化する。大手各社は当局の指導を受けて、時事問題などを扱い 50 万人以上のフォロワーを抱えるインフルエンサーの実名表示を決めた。経済の回復が遅れる中、世論形成に影響力を持つ SNS の統制で社会の安定を狙うとみられる。

2023年11月8

■中国ハイテク企業、ロボットに注⼒ AI 連動の道探る

スマートフォン⼤⼿の小⽶(シャオミ)や、新興電気⾃動⾞(EV)メーカーの小鵬汽⾞(シャオペン)は⼆⾜歩⾏型の開発を進めている。部品やセンサーなどの性能向上で、より⾼度なロボットの制御が可能になるなか、⼈工知能(AI)と連携した新たなビジネスを探るため。

■中国半導体投資ファンド、メモリー企業に 20 億ドルを出資

中国政府系の半導体投資ファンド「国家集積回路産業投資基⾦(⼤基⾦)⼆期」が、半導体メモリー企業の⻑キン新橋に 145 億 6000 万元(19 億 9000 万ドル)を出資した。⻑キン新橋は 2021 年に安徽省合肥市で設⽴され、法定代表⼈の趙綸⽒は中国有数の半導体メモリー企業である⻑キン存儲技術の法定代表⼈でもある。今回の出資は今年実施した⻑江存儲科技(YMTC)への 130 億元の投資に続くもので、近年で最⼤規模となる。世界のNANDメモリー市場で中国唯⼀のプレーヤーであるYMTCは 22 年、⽶国の技術を中国・華為技術(ファーウェイ)に横流しする恐れがあるとして、⽶ブラックリスト⼊りしている。

■中国スマホ出荷 6%減 7〜9 月、下げ幅拡大

⽶調査会社 IDC は 27 日、中国の 2023 年 7〜9 月期のスマートフォンの出荷台数が前年同期⽐ 6.3%減の6705 万台だったと発表した。10 四半期連続で前年同期を下回り、4〜6 月期の 2.1%減に⽐べ下げ幅が拡⼤した。需要の低迷が続くなか、多くのメーカーがスマホの出荷を抑えて在庫の解消を進めたためという。

■BYD の 7〜9 月純利益 82%増 四半期最高、EV 販売伸びる

中国の電気⾃動⾞(EV)⼤⼿、⽐亜迪(BYD)が 10 月 30 日発表した 2023 年 7〜9 月期決算は、純利益が前年同期⽐ 82%増の 104 億元(約 2100 億円)だった。四半期では 02 年に⾹港取引所に上場して以来、最⾼となった。EV やプラグインハイブリッド⾞(PHV)の販売を伸ばし、研究開発費などの費⽤増加を補った。

■逐際動⼒(LimX Dynamics)リアルタイムに地形検知、⾞輪付き四脚ロボットを開発

汎⽤脚型ロボットの開発を⼿がける「逐際動⼒(LimX Dynamics)」がエンジェルラウンドとプレシリーズ A で計 2 億元(約 40 億円)近くを調達した。エンジェルラウンドは峰瑞資本(FreeS Fund)、智数資本(Stalagnate Capital)、明勢資本(Future Capital)、昆仲資本(Kinzon Capital)などが出資、緑洲資本(Vitalbridge)が主導したプレシリーズ A には聯想創投(Lenovo Capital and Incubator Group)も参加した。調達資⾦は⾞輪付き四脚ロボットの開発、⼈型ロボットとエンボディド⼈工知能(AI)の技術研究に充てられる。

2023年11月1

■中国半導体企業、⾹港サイエンスパークに⾹港史上初の⼤規模な⼯場設⽴、パワー半導体を⽣産へ

香港政府系の研究開発施設の香港サイエンスパーク(HKSTP)と、傑平方半導体(上海)は、傑平方が HKSTPに研究開発センターを設⽴し、独自開発の半導体の⼤規模⽣産を推進する計画を連名で発表した。傑平方と HKSTPは覚書を締結し、香港でのマイクロエレクトロニクス・エコシステムと第 3 世代半導体チップ産業の発展を推進する方針を示した。

■中国、新規国債 20 兆円増発 災害復旧に充当

中国の国会にあたる全国⼈⺠代表⼤会(全⼈代)常務委員会は 24 日、政府が 2023 年に発⾏する新規国債の増額を認めた。1 兆元(約 20 兆 5000 億円)増発し、自然災害の被害を受けた地域の経済復興に充てる。

■BYD、国家新エネルギー⾞技術イノベーションセンターと戦略的パートナーシップ締結

中国の国家新エネルギー⾞技術イノベーションセンター(NEVC)は 10 月 23 日、中国の電気自動⾞(EV)⼤手の⽐亜迪汽⾞⼯業(BYD)と戦略的パートナーシップ協定を締結したと発表した。

■中国「100 円カフェ」蜜雪氷城やコッティが日本で攻勢

茶系飲料の蜜雪氷城(ミーシュエ)や庫迪咖啡(コッティコーヒー)など中国のカフェチェーン⼤手が相次いで日本で出店拡⼤する。1 杯 100 円からと低価格が売りで、ミーシュエは 2028 年までに 1000 店の構想を掲げる。日本は有⼒カフェが混戦する成熟市場だ。中国チェーンは持ち帰り主体の小型店で攻勢をかけ世界への足がかりにする。

■レノボ、全製品に AI 導入 米半導体⼤手と連携強化

パソコン世界⼤手のレノボ・グループは 24 日、⼈⼯知能(AI)をすべての製品やサービスに導入していく戦略を発表した。米エヌビディアや米アドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)など半導体⼤手との連携を強化して開発を加速する。