今週のトピックス(2023年3月)

2023年3月29日

■中国上海虹橋空港が26日から国際線運航、3年ぶり再開 

中国の上海虹橋国際空港は3月26日付で、国際線、香港・マカオ・台湾線の運航を再開する。新型コロナウイルスの流行を受け、同空港では2020年3月からこれら業務を一時停止し、上海浦東国際空港に移管していた。中国東方航空、上海航空、中国国際航空、日本航空(JAL)、全日空(ANA)、大韓航空、アシアナ航空、香港航空、マカオ航空、チャイナエアライン、エバー航空の11社が第1ターミナルで国際線、香港・マカオ・台湾線の運航を再開する。 

■中国の2022年における工業付加価値額が40兆元の大台突破

工業・情報化部は2022年における中国の工業付加価値額が40兆元(1元は約19.2円)の大台を突破し、国内総生産(GDP)に占める割合が33.2%に達したことを明らかにした。製造業の付加価値額がGDPに占める割合は27.7%に達し、製造業の規模は13年連続で世界最大となった。一定規模を超える工業付加価値に占める割合はハイテク製造業が15.5%、設備製造業が31.8%という水準。新エネルギー自動車(NEV)、太陽光発電の生産規模は世界トップを維持している。

■金融、科学技術分野での党の指導を強化、中央金融委員会や中央科学技術委員会を設立 

3月16日に、中国共産党中央委員会(党中央)と国務院(内閣)による「党・国家機関改革案」が公表された。第14期全国人民代表大会(全人代)第1回会議で提議された国務院の組織再編に、党中央、全人代、政治協商会議などの組織再編も加えたもの。党中央については、(1)中央金融委員会、(2)中央金融工作委員会、(3)中央科学技術委員会、(4)中央社会工作部、(5)中央香港・マカオ工作弁公室の5組織が新設される。

■上海浦東、自動運転スマートコネクテッドカー産業の革新的発展を推進

22日、「上海市浦東新区自動運転スマートコネクテッドカー革新的応用促進規定の実施細則」の施行に伴い、関連スマートコネクテッドカー企業は「車内にドライバーとテスト安全オペレーターを乗せない」という状況下で、浦東新区の特定エリアでテストや商用運営などを行えるようになった。百度智行や新石器無人車など申請を行った企業8社が22日、自動運転革新的応用テスト通知書を取得した。

■中国1-2月の外資導入額が前年比6.1%増

商務部が発表したデータによると、2023年1-2月には、中国全土の実行ベース外資導入額が前年同期比6.1%増の2684億4千万元(1元は約19.2円)となり、米ドル換算では同1%増の397億1千万ドル(1ドルは約132.5円)だった。産業別に見ると、同期のサービス業の実行ベース外資導入額は同10.1%増、ハイテク産業は同32%増だった。そのうちハイテク製造業は同68.9%増、ハイテクサービス業は同23.3%増だった。

■2022年の粤港澳大湾区の経済規模が13兆元を突破

広東省、香港特別行政区、澳門(マカオ)特別行政区の統計当局はこのほど、2022年の経済データを相次いで発表した。それによると、22年の粤港澳大湾区(広州、仏山、肇慶、深セン、東莞、恵州、珠海、中山、江門の9市と香港、澳門<マカオ>両特別行政区によって構成される都市圏)の経済規模は13兆元(1元は約19.1円)を超え、総合的な実力が大幅に高まり、世界トップクラスのベイエリアと世界レベルの都市圏を構築してきたという。

2023年3月22日

■2025年末には中国の高速鉄道が約5万キロへ

中国国家鉄路集団有限公司は、第14次五カ年計画(2021‐25年)の終盤には、中国全土の鉄道の営業距離数が16万5000キロに達する見込みであることを明らかにした。うち約5万キロが高速鉄道(一部は都市間鉄道)と指摘。近5年、中国全土の鉄道の固定資産投資は3兆8000億元(1元は約19.7円)に達した。また、鉄道の営業距離数は12万7000キロから22.0%増えて、15万5000キロに、高速鉄道の営業距離数は2万5000キロから67.8%増えて、4万2000キロまで伸びた。新時代の10年(2012‐22年)、中国全土の鉄道の固定資産投資は7兆7000億元に達し、その前の10年と比較して1.9倍増えた。中国全土の鉄道の営業距離数は10年前と比べて58.2%、高速鉄道の営業距離数は3.7倍伸びたと説明した。

■中国の物流市場の規模、7年連続で世界一に

中国物流・調達連合会が伝えた情報によると、2022年に中国の社会物流総額が347兆6000億元(1元は約19.7円)に達し、物流業総収入が12兆7000億元だった。中国の物流市場は7年連続で世界最大規模の物流市場になった。中国全土のAクラス物流企業は9000社を超え、中国の物流企業上位50社の収入の合計は2兆元に迫った。複数の国際競争力を備えた物流企業が次々に生まれている。

■中国と日本・韓国・タイ結ぶ航空路線が大幅増便

3月に入り、大韓航空、アシアナ航空、日本航空(JAL)といった航空会社が中国路線を大幅増便することを次々発表している。価格を見ると、航空情報アプリ「航班管家」の今月10日のデータでは、直近1週間の国際航空便の平均価格が4197元(1元は約19.4円)と、昨年12月に比べて15.16%、前年同期比で42.90%低下している。航空会社は国際便の増便を次々発表しており、東南アジア路線が最も人気となっている。なかでも、中国とタイを結ぶ路線が激増している。

■中VWの2023-27年投資は1800億ユーロ 中国市場が重点

独フォルクスワーゲン(VW)・グループは、2023年から27年にかけて利益のポテンシャルが最も高い業務・方向性に1800億ユーロ(1ユーロは約144.3円)を投入する五カ年計画を明らかにした。これにはグループのバッテリー戦略の推進、北米地域事業の拡張、中国におけるデジタル化の実力および製品の競争力の強化などが含まれるという。これから10年間、中国市場の重要性がますます高まるとみられる。

■中国、1〜2月半導体生産量17%減、米制裁でマイナス成⻑加速

国家統計局によると、2023年1〜2月の半導体生産量は、前年同期比17.0%減の443億個に低迷した。減産率は前年同期の1.2%から大幅に拡大。22年通年の11.6%減と比べても減少幅が広がった。米国による対中半導体規制の強化が原因とみられる。中国海関総署(税関)が3月初めに発表した1〜2月の半導体輸入量も26.5%減の676億個と、22年通年の15.3%減から減少幅が拡大している。22年通年の半導体輸出量も20.9%減と、前年の0.5%増から大幅に落ち込んだ。

■中国1〜2月小売売上高3.5%増 22年9月以来のプラス

中国国家統計局が発表した2023年1〜2月の主な経済統計によると、百貨店、スーパーの売り上げやインターネット販売を合計した社会消費品小売総額(小売売上高)は前年同期を3.5%上回った。22年9月以来の増加に転じた。新型コロナウイルスを封じ込める「ゼロコロナ」政策が終わり、接触型消費などが持ち直した。

2023年3月14日

■2023年の中国工業経済は回復好転する見込み

14 期全国人⺠代表大会(全人代)第 1 回会議初の「部⻑通路」取材イベントが行なわれ、工業・情報化部の金壮龍部⻑は、「2022 年の中国経済発展は多くの困難と挑戦に見舞われたが、工業経済は全体として回復好転している。工業付加価値額が初めて 40 兆元(1 元は約 19.7 円)の大台を突破した。」と述べた。また金氏は、「経済運営情勢の分析によると、今年 1 月と 2 月には、製造業購買担当者景気指数(PMI)がいずれも 50%を上回り、製造業が景気拡大局面にあることを物語っている。

■中国金融監督管理システムの大変革 機構改革の6大措置が発したシグナル

国務院機構改革案が 7 日に発表された。同改革案に基づき、証券監督管理委員会、中国銀行保険監督管理委員会、中国人⺠銀行(中央銀行)などの金融機関に対して相応の改革が行われた。改革の内容は主に次の 6 項目。 (1)国家金融監督管理総局を新設し、証券業以外の金融業の監督・管理を一手に担う。 中国銀行保険監督管理委員会は存続させない。 (2)中国証券監督管理委員会を国務院直属機構とする。 (3)中国人⺠銀行支店機構改革を統合的に推進する。 (4)国有金融資本管理体制を整備する。 (5)金融管理当局職員の統一的・規範化管理を強化する。 (6)地方金融監督管理体制改革を深める。

■中国初のFクラス出力50MW大型ガスタービンが商用化に成功

中国が初めて独自開発した F クラス出力 50 メガワット(MW)の大型ガスタービン「G50」が、このほど広東省清遠市で72 時間+24 時間のテスト運転を終え、商業運転をスタートした。今回、商業運転を始めた F クラス 50MW タービンは、2 万点以上の部品で組み立てられ、同じ出力の火力発電ユニットと比較すると、1 年間で炭素排出量を 50 万トン以上減らすことができる。コンバインドサイクルによる 1 時間の発電量は 7 万キロワットアワー(kWh)を超え、7 千世帯の 1 日分の電力需要をまかなうことができる。

■中国の自動運転商用車メーカーの卡睿智行 欧日の資本支援獲得

自動運転商用車メーカーの卡睿智行科技有限公司(以下、Corage)はこのほど、日本の住友商事の戦略的投資機関(CVC)である住友コーポレーション・エクイティ・アジアからの戦略的投資を獲得したこと、同期に「欧州で最も優れたベンチャー投資基金」とされるベンテックチャイナからの投資を導入したこと、さらに昔からの株主である上海辰韜資産管理有限公司と日本の PKSHA SPARX アルゴリズム 1 号ファンドからの支援も続いていることを明らかにした。Corage は商用車の自動運転技術の開発と商業化の実施に力を注いでいる。

2023年3月8日

■イラク中央銀行、「人民元建て決済」許可を発表

イラク中央銀行はイラクの対中国貿易における人民元建て直接決済の許可を含む新たな外貨準備改善措置を発表した。イラク中央銀行が発表した声明によると、人民元の対中貿易直接決済は、①同国銀行が中国の銀行に開設した人民元口座の人民元準備高を増やす方法、②イラク中央銀行がJP モルガン・チェースかシンガポール DBS銀行の口座で同国銀行のドル準備高を増やし、人民元と両替する方法という2 つの方法で実施できる。中国はイラクの最大の貿易パートナーであり、イラクは中国のアラビア諸国における第 3の貿易パートナーとなっている。

■2022年中国GDPは前年比3.0%増の 121 兆元

中国国家統計局は 28日、「中華人民共和国国民経済・社会発展統計公報2022」を発表した。それによると、2022年の国内総生産(GDP、速報値)は 121 兆 207 億元(1 元は約 19.6円)で、前年比3.0%増だった。うち、第一次産業の生産額は前年比4.1%増の 8 兆 8345 億元、第二次産業の生産額は同 3.8%増の 48 兆3164 億元、第三次産業の生産額は同 2.3%増の 63 兆 8698 億元だった。産業別の生産額が GDP に占める割合は、第一次産業が 7.3%、第二次産業が 39.9%、第三次産業が 52.8%だった。

■中国2022年人口は前年比85 万人減の 14 億1175 万人

中国国家統計局はこのほど、「中華人民共和国国民経済・社会発展統計公報2022」を発表した。試算によると、2022年末時点の中国全土の人口は前年末より85 万人減の 14 億 1175 万人だった。うち、都市部の常住人口が9 億 2071万人を占めた。出生数は年間956万人、出生率は6.77‰、死亡数は 1041万人、死亡率は7.37‰、自然増加率は-0.60‰だった。

■「デジタル中国建設全体の展開計画」 2035年に世界上位レベルのデジタル化目指す

国務院がこのほど「デジタル中国建設全体の展開計画」(以下、「計画」)を通達した。「計画」によると、デジタル中国建設は、「2522(デジタルインフラ・データ資源体系の『2 大基礎』の打ち固め、デジタル技術と経済、政治、文化、社会、生態文明建設を深く融合させた『五位一体』の推進、デジタル技術革新体系・デジタルセキュリティバリアの『2 大能力』の強化、デジタル化発展の国内と世界の『2 つの環境』の最適化)」の全体的な枠組みに基づいて展開される。「計画」は、2025年に、縦と横が連携し、調和が取れ、強力な一体化推進構造をほぼ完成させ、デジタル中国建設が重要な進展を遂げるようにすることを目標としている。また、2035年に、世界上位レベルのデジタル化発展水準を達成し、デジタル中国建設が重要な成果を挙げることを目標としている。

■中国、22年PCT 国際特許出願7 万件超え、4年連続で世界最多

世界知的所有権機関(WIPO)がこのほど発表したデータによると、特許協力条約(PCT:Patent Cooperation Treaty)に基づく国際特許出願で、中国が 4年連続の世界トップとなっている。中国の PCT 国際特許出願(概算値、以下同)は 2022年に7 万 15件となり、前年確定値(6 万 9604 件)を 0.6%上回った。世界全体の 4 分の 1 を占めている。中国の出願数は 19年に初めて米国を追い抜き、その差を一段と広げている。2 位の米国は 22年に 5 万 9056件となり、前年確定値から0.6%減少した。3 位以下は順に、日本の 5 万 345件(前年比0.1%増)、韓国の 2 万 2012 件(同 6.2%増)、ドイツの 1 万 7530 件(同 1.5%増)と続き、順位は前年と同じ。

■中国、PV モジュール回収に巨大商機、25年廃棄量108GWh規模に

太陽光発電(PV)装置メーカーで構成する中国光伏行業協会は2 月 27 日、「廃棄 PV モジュールの回収作業チーム」を新たに立ち上げると発表した。発足準備を進めると同時に、加盟者を募集する。老朽化したPVモジュールの大量廃棄時代を迎えるなか、より効率的に回収する狙い。巨大な新市場に成長するとの認識を示している。PV 装置の耐用年数は約25年とみられる。二酸化炭素(CO2)排出削減の動きが加速することで、2025年時点の廃棄量は108GWh(1 億 800 万 kWh)相当にまで膨らむと想定された。専門家によると、40年時点の廃棄量は、累計253GWh相当にまで膨らむ見通し。回収産業の市場規模は、累計1500億人民元(約2 兆 9700 億円)にまで急拡大する可能性がある。

2023年3月1日

■2021年、中国SF産業の総売上高が同50.5%増の829.6億元に

中国SF産業報告2022」によると、2021年の中国のSF産業の総売上高が前年比50.5%増の829億6千万元(1元は約19.6円)に達し、全体として回復傾向を示したという。21年のSF出版産業の総売上高は同15.4%増の27億元だった。デジタル出版産業は全体として著しい成果を上げ、オーディオブックが力強い伸びを示した。SF映画・テレビ産業の総売上高は同171.4%増の71億9千万元となり、映画館の興行収入は回復増加した。 21年のSFネット配信ドラマは売上高が減少し、SFゲーム産業の売上高は同39.6%増の670億元に達し、SF関連製品の総売上高は同186.3%増の60億7千万元だった。

■中国2022年のビッグデータ産業規模が1兆5700億元に

2月20日に中国国際ビッグデータ産業博覧会2023が開催された。中国22年のビッグデータ産業規模は前年同期比18%増の1兆5700億元(1元は約19.6円)で、デジタル経済の発展を推進した。中国は22年末現在、すでに世界最大の光ネットワークを完成させている。光ファイバーの総延⻑は6000万キロメートル近くに上り、1Gbps光回線で5億世帯以上をカバーしている。データセンターのラックの総規模は600万標準ラック(19インチラック)近くに達し、中国全土の5G基地局数は230万ヶ所を超えた。

■中国の9地域が人口統計を発表 出生数が全体的に減少

2022年、中国の人口が減少に転じたのを背景に、各省(自治区・直轄市)の人口の変動にも注目が集まっている。現時点で、9省(区・市)が2022年の人口統計を発表。これらの統計を見ると、出生数の低下が全体的な傾向になっている。中国全土を見ると、2022年の出生数は前年比106万人減の956万人で、1000万人の大台を割り込んだ。また、中国国家統計局の統計によると、出産可能年齢の女性が持続的に減少している。2022年、中国の出産可能年齢(15―49歳)の女性の数は2021年比で400万人以上減少した。うち、妊娠適齢期(21―35歳)の女性は500万人近く減少した。

■中国貿易促進委「外資系企業と海外商業団体の98%が中国経済を信頼」

中国国際貿易促進委員会によると、最近、外資系企業向けサービス業務専門グループが390余りの外資系企業と海外の商業団体に対して調査研究を行なった。その結果、企業・団体の 98.2%が今年の中国経済の発展の見通しに信頼感を持っていることがわかった。中国における事業展開で優先的に検討する投資の方向性は順に次の通り。新型工業化、グリーン・低炭素産業、『健康中国』の建設、『デジタル中国』の建設、農村振興、重要文化産業プロジェクト、金融サービスなど。

■中国は日本の半導体対中輸出規制めぐる動向に注目

2月22日、第16回日中経済パートナーシップ協議が開催され、両国の関係当局及び大使館の関係者が参加した。双方は両国の指導者の経済貿易分野における重要な共通認識を実行に移すことをめぐり、マクロ経済情勢、産業チェーン・サプライチェーンの安定と円滑化、貿易・投資、グリーン・低炭素、医療・ヘルスケアなどの分野における協力、および多国間協力、地域協力などの議題について踏み込んだ議論を行ない、中日ハイレベル経済対話の準備について意見を交換した。中国は日本の対中半導体輸出規制問題をめぐる動向に非常に注目していることを伝え、中日経済貿易協力の大局を維持することを望むとした。

■自動車運搬船市場で中国のシェアが上昇中 世界の受注すべてを獲得

ここ数年、中国の自動車輸出台数が増加し続け、自動車運搬船の建造市場が発展している。自動車運搬船はニッチな市場に属する船種で、2016年から20年までは、毎年の引き渡し隻数が4隻しかなかった。だが、新エネルギー自動車の輸出台数が増加し続け、運搬船のニーズも大きく増加した。22年の中国の自動車輸出台数は311万台を突破。そこで一部の自動車メーカーが業界の枠を超えて自前の輸送船隊の構築に乗り出した。さらに、今年1月、世界で新たに注文された自動車運搬船は計17隻で、すべて中国の造船メーカーが受注した。