カタール男子サッカーワールドカップと中国企業

中国はサッカーがあまり盛んだというイメージがありませんが、昨年のカタールで⾏われたサッカーワールドカップでは中国企業のスポンサーが目⽴っていました。中国のサッカー事情はどうなっているのでしょうか。

 昨年、カタールで開催した男子サッカーのワールドカップ(022/11/20〜2022/12/18)では、中国企業が大きな存在感を示したとされています。中国企業4社が大会の主要スポンサーに名を連ね、中国企業が投じる協賛⾦は国別最多の約 14 億米ドル(約 1,950 億円)で、これは米国企業の 11 億米ドルを上回り、国別の最多となっています。
 協賛⾦が⾼額なW杯の主要スポンサーは「FIFAパートナー」と「FIFAワールドカップスポンサー」がありますが、カタール大会の2種類のスポンサーは全世界で計 14 社あり、このうち中国企業は以下の4社でした。
◆大連万達集団︓不動産系コングロマリット
◆蒙⽜乳業(集団)︓内モンゴルの乳業
◆海信集団(ハイセンス)︓家電
◆維沃移動通信(ビーボ)︓スマートフォン

 米国企業はコカ・コーラ、マクドナルド、VISA(ビサ)の3社。その他は、中国以外のアジア企業が3社で、欧州企業とカタール企業が2社ずつ。日本企業はありませんでした。
 この他にも様々な中国企業がワールドカップで活躍していたといいます。例えば、河南省鄭州市のバス製造大⼿、宇通客⾞の新エネルギーバス約 1500 台がサービス⽤⾞両として採⽤され、うち純電気(EV)バスは 888 台納入され、バスが移動⼿段の主⼒となりました。

 また、LEDディスプレーなどを⼿がける深圳市洲明科技はルサイル・アイコニック・スタジアムに設置するLED製品を供給した。索具大⼿の巨⼒索具は競技場2カ所の設計、建設に参画。さらにインフラ大⼿の中国電⼒建設集団(中国電建)はカタールで太陽光発電所の設置を⼿がけており、同社の発電所が大会中の電⼒供給を⽀えていたといいます。カタールの⾼温で乾燥、風が強く砂が多いという気候条件に合わせ、同社は⾞載電池に液体冷却システムを搭載したり、空調に⾞内外の温度差を⾃動で検知するスマート技術を取り入れたりするなど⾞両にさまざまな⼯夫を施したことが知られています。
 このように、カタールのサッカーワールドカップの開催には、中国企業が大きな影響を与えているのがわかります。
 次号では、実技のスポーツとしてのサッカーに対して、中国ではどう取り組んでいるのか⾒てみたいと思います。

以上