今週のトピックス(2022年9月)

2022年9月28日

■世界最薄 140μm のシリコンウエハー 中国天津で生産

天津市にある超⼤型太陽光発電シリコンウエハーのメーカーでは、最初に⽣産していたのは厚みが 190 マイクロメートルの製品だったが、今では 140 マイクロメートルの製品を⼤量⽣産することが可能になった。世界最⼤で最薄の G12 規格ソーラーウエハーは現在、天津で⽣産されている。同メーカーは全⾃動の物流運搬システムを実現し、ロボットアームが⼈間に代わって 100 キログラム以上のシリコン棒をピックアップし、⼈間のほとんどいない「ダークファクトリー」モデルを応⽤して、無⼈化操業を実現させた。

■中国 8 ⽉の⾃動⾞輸出台数が過去最⼤に 史上初めて 30 万台を突破

中国⾃動⾞⼯業協会によると、⾃動⾞輸出台数が今年 8 月に再び過去最⼤を更新し、史上初めて 30 万台を超えた。8 月の⾃動⾞輸出台数は前月⽐ 6.2%増、前年同期⽐ 65%増の 30 万 8000 台。⾃動⾞企業の 1-8 月の輸出台数は前年同期⽐ 52.8%増の 181 万 7000 台。うち 8 月の新エネ⾞輸出台数は前月⽐ 53.6%増、前年同期⽐ 82.3%増の 8 万 3000 台で、急成⻑の勢いを⾒せている。1-8 月の新エネ⾞輸出台数は前年同期⽐ 97.4%増の 34 万台。

■中国⼤連・成都が経済活動解禁、地下鉄やバス全面再開

寧省⼤連市、四川省成都市の政府は 18 ⽇、新型コロナウイルスの感染拡⼤が抑え込まれたとして、経済活動を 19⽇午前 0 時に解禁すると通知した。両市ともに、地下鉄やバスなど公共交通機関の運転を全⾯再開している。⾞の通⾏も平常通り認められた。幼稚園や小中学校では、対⾯授業の再開が認められた。また⼤連市では、区域を跨ぐ移動を解禁。ただ、映画館や公衆浴場、フィットネスクラブの営業や飲⾷店の店内飲⾷は再開が当⾯⾒送られた。

■中国、半導体投資ブーム沈静化、チップ企業 3400 社超が閉鎖

需要の低迷などを背景に、中国で半導体投資ブームが鈍化している。今年 1〜8 月にチップ関連企業 3400 社余りが閉鎖された。昨年通年を上回る規模で、ここ数年で最悪の数字だという。「企査査」のデータによると、今年 1〜8 月に登記が取り消されたチップ関連企業は 3470 社を数えた。過去の推移を⾒ると、2017 年は 461 社、18 年は 715 社、19 年は 1294 社、20 年は 1397 社、21 年は 3420 社となっており、徐々に増加している。投資ブーム鈍化の背景には、コンシューマー製品向けチップの需要鈍化、海外に⽐べた技術⾯での遅れ、マクロ経済の成⻑減速などにより、投融資市場が低迷しているため。また、米国が中国への半導体設備の輸出を規制していることが挙げられる。

■上海市が夜間経済指数 1 位 24 時間稼働の街づくり促進

中国国内都市の夜間経済指数に関する座談会が最近⾏われ、上海市が各指数において⾸位となっていることがわかった。座談会では 2021 年の映画、バー、ライブハウスなどの事業及び⼈の流れの 6 ⼤要素でランク付けを⾏い、上海市は全項目で突出して全国 1 位となった。2 位以下は深セン市、北京市、四川省成都市。現在世界の約 60 都市に、夜間⽣活経済対策室が設置されている。今回の座談会では「上海ナイトライフ」の⾸席執⾏官理事会を準備発⾜させ、上海市の夜間経済の促進や資源整合、異業種間の協⼒、研究発展の政策措置を進めていくという。

■中医薬は今や世界 196 ヶ国・地域に広がる

中医薬は今や世界 196 ヶ国・地域に広がり、中国は外国の政府、地域の主管機関、国際組織など 40 ヶ所との間で専門的な中医薬協⼒合意を締結しており、質の⾼い中医薬海外センター30 ヶ所の建設作業を進めている。国家衛⽣健康委員会が 23 ⽇に⾏なった記者会⾒で明らかにされたところによると、中国共産党第 18 回全国代表⼤会の開催以降、中国では中医薬事業が着実に発展し、中医薬の海外進出の歩みが加速し、⼀連の目に⾒える成果を上げた。

■順調に建設進む海南⾃由貿易港⽂昌国際航天城

海南省文昌市にある文昌国際航天城は、海南⾃由貿易港の重点園区の⼀つ。文昌国際航天城は、航空宇宙技術を主導として、商業宇宙打ち上げおよび関連サービス、航空宇宙ハイエンド製品の研究開発および製造、航空宇宙関連ビッグデータの開発および応⽤などの産業に重点を置いている。同城の建設は、順調に進められており、海南商業宇宙発射場、文昌宇宙スーパーコンピューティングセンター、ロケット組⽴⼯場、⼈⼯衛星組⽴・テスト⼯場など各プロジェクトも計画通りに建設されている。

2022年9月20日

■上海市の⾞産業が存在感 UP、輸出台数で中国全体の 40%

新エネルギー⾃動⾞(NEV)製品を中⼼に、上海市の⾞製造業が拡⼤を続けている。中国で最も重要な製造・販売エリアに躍進した。中国全体に占める上海市のシェアは、⾃動⾞(燃油⾞+NEV)生産で 11%、⾞部品生産で20%、輸出台数で 40%に上っている。全国第 1 陣の「NEV 普及・応用都市」指定を受けた 2009 年以来、上海市の関連産業は成⻑が加速している。
21 年の中国 NEV 生産 354 万 5000 台のうち、上海製は 18%に相当する 63万 2000 台に達した。22 年上半期の NEV 生産数は、前年同期⽐ 3 割増の 42 万台に達し、全国最多という地位を不動にしている。特にテスラ(TSLA/NASDAQ)の中国現地生産⼯場「テスラ上海ギガファクトリー」は存在感が⼤きい。22 年上半期の海外輸出は 9 万 7182 台に拡⼤し、全国 NEV 輸出全体に占める⽐率が 48%に達した。

■中国、6-8 ⽉の⾞両購置税の減税額が 230 億 4 千万元に

国家税務総局によると、今年 6-8 月には、⾞両購置税(⾃動⾞の購⼊時にかかる税⾦)減税政策の恩恵を受けた⾞両が約 355 万 3 千台に上り、減税額は累計 230 億 4 千万元(1 元は約 20.7 円)に達した。具体的な数字を⾒ると、6 月は減税の対象となった⾞両は 109 万 7 千台、減税額は 71 億元。7 月は減税の対象となった⾞両は116 万台、減税額は 75 億 8 千万元。8 月は減税の対象となった⾞両は 129 万 6 千台、減税額は 83 億 6 千万元。
マクロ経済の⼤局を安定させ、⾃動⾞市場の発展を促進し、⾃動⾞消費を牽引するため、中国は経済安定の包括的な政策を打ち出した。乗用⾞の一部について購置税を段階的に減税し、2022 年 6 月 1 ⽇から 2022 年 12 月 31 ⽇までの間に購⼊された 1 台当たりの価格(付加価値税を含まない)が 30 万元以下で排気量 2 リットル以下の乗用⾞について、購置税を半額にするとした。

■中国企業トップ 500 社の売上高総額が初めて計 100 兆元を突破

中国企業連合会と中国企業家協会は北京で記者会⾒を開き、「中国企業トップ 500 社番付 2022」と「中国トップ500 社発展報告 2022」を発表した。それによると、22 年のトップ 500 ⼊りのハードルは前年⽐ 53 億 8900 万元(1元は約 20.6 円)増(13.74%増)の 446 億 2500 万元になった。同時にトップ 500 の売上⾼総額が 102 兆4800 億元を達成し、初めて 100 兆元の⼤台を突破した。前年に⽐べて、12 兆 6500 億元増(同 14.08%増)で、成⻑率は 9.65 ポイント向上した。

■中国再生可能エネ発電の新設、1〜7 ⽉で全国 6502 万 kw

中国再生可能エネルギー源を利用した発電設備の新設が加速している。国家能源局の報告によると、今年 1〜7 月の新設容量は、全国で 6502 万 kW に達した。全電源を対象とする新設分の 77%を占めている。再生可能エネルギー源による全国発電量は、1〜7 月にかけて 1 億 5200 万 kWh に上った。全国発電量に占める⽐率は 31.8%に拡⼤している。電源別の利用率は、⽔⼒発電が 98.6%、風⼒発電が 96.1%、太陽光発電が 97.9%で推移している。砂漠、僻地、荒地を対象とする第 1 陣の⼤型風⼒・太陽光発電プロジェクトはすべて着⼯された。第 2 陣は一部が着⼯されている。第 3 陣も作業が順調に進展している。

■第 22 回中国国際投資貿易商談会が厦門で開幕

9 月 8 ⽇、「グローバルな発展︓デジタルのチャンス共有・グリーンな未来に投資」がテーマの第 22 回中国国際投資貿易商談会が、福建省厦門(アモイ)市で開幕した。今回の商談会の展示規模は 12 万平⽅メートルに達し、投資促進館、産業イノベーション発展館、プロジェクト資本マッチング館の 3 ⼤ブロックに 13 の展示エリアが設置され、世界 66 ヶ国・地域の企業が出展している。

■中国、医療機器も外国製排除 世界市場の分断深まる

中国が医療機器の市場で外国製品の締め出しに動いている。地⽅政府が病院に国産機器を調達するよう求め始めたほか、中央政府は設計開発や重要部品の調達を中国に移すための法改正案を公表した。米国はサプライチェーン(供給網)から中国企業を排除する動きを強めており、グローバル市場の分断がさらに深まる。

2022年9月14日

■中国 1-8 ⽉の対外貿易輸出⼊が安定成⻑ ⺠間企業が輸出⼊の 5 割超に

税関によると、今年 1-8 月には、中国の輸出入総額が前年同期⽐ 10.1%増の 27 兆 3 千億元(1 元は約 20.7円)に達した。そのうち輸出は同 14.2%増の 15 兆 4800 億元、輸入は同 5.2%増の 11 兆 8200 億元、輸出から輸入を差し引いた貿易収⽀は 3 兆 6600 億元の⿊字で、⿊字額は同 58.2%拡⼤した。
⼀般貿易の輸出入が 2 けたの伸びを達成し、割合が上昇した。1-8 月の⼀般貿易輸出入額は同 14.1%増の 17兆 5500 億元に上り、対外貿易総額に占める割合は同 2.3 ポイント上昇の 64.3%に達した。中国の保税物流⽅式での輸出入額は同 9%増の 3 兆 3300 億元だった。特に、⺠間企業の輸出入が急速に増加し、割合も上昇した。1-8月の⺠間企業輸出入額は同 14.9%増の 13 兆 6800 億元に達して、中国の対外貿易総額に占める割合は同 2.1ポイント上昇の 50.1%となった。

■中国、世界一の産業用ロボット市場をキープ 2021 年の⽣産量は 15 年の 10 倍増

工業・情報化部によると、中国共産党第 18 回全国代表⼤会が開催されて以降、中国のロボット産業の規模が急速に拡⼤した。2021 年の産業全体の売上⾼は 1300 億元(1 元は約 20.7 円)を超え、産業⽤ロボット生産量は 36万 6 千台に達して 15 年の 10 倍増となり、中国は世界⼀の産業⽤ロボット市場のポジションをキープ。また、産業⽤ロボットの応⽤が国⺠経済の工業⼤分類 66 産業・中分類 168 産業へと広がった。21 年の中国製造業のロボット密度が1 万⼈当たり 300 台を超え、12 年の約 13 倍増加。サービス⽤ロボットと特殊ロボットが教育、医療、物流などの分野で⼤いに活躍し、新産業・新モデル・新業態を絶えず育んでいるという。

■⼈⺠銀が 9 ⽉ 15 日から外貨預⾦準備率を 8%から 6%に引き下げへ

中国⼈⺠銀⾏(中央銀⾏)は 9 月 5 ⽇、⾦融機関の外貨資⾦の運⽤能⼒を⾼めるため、2022 年 9 月 15 ⽇から、⾦融機関の外貨預⾦準備率を 2 ポイント引き下げ、現⾏の 8%から 6%に引き下げることを明らかにした。

■対外開放が拡⼤ 2021 年の外資保険の市場シェアは 7.8%に増加

中国保険産業協会によると、ここ数年間、中国の保険業は対外開放に⼒が入り、⼀連の保険業の対外開放措置が打ち出され、株式の持ち株⽐率に関する外資系保険会社に対しての制限も徐々に撤廃され、外資が中国の保険市場に参入する際の数量⾯でのハードルが⼤幅に低下した。2012 年から 21 年までで、外資系保険会社の中国市場シェアは3.5%から 7.8%に上昇し、北京、上海などの地域ではシェアが 20%に達した。

■四川瀘定地震の死者 86 ⼈に、⾏⽅不明者は 35 ⼈

四川省雅安市⽯棉県で 9 月 8 ⽇夜に開かれた四川省「9.5」瀘定地震抗震救災省市(州)県前線連合指揮部の記者会⾒において、8 ⽇ 12 時の時点で、同地震により 86 ⼈が死亡、35 ⼈が⾏⽅不明であることが明らかになった。犠牲者の内訳は、甘孜蔵(カンゼ・チベット)族⾃治州で 50 ⼈、雅安市で 36 ⼈。

■中国初の海上スマートガス⽥群、海南⾃由貿易港に 600 億⽴⽅m超の天然ガスを供給

中国海洋⽯油集団有限公司(中海油)海南分公司が 9 月 8 ⽇に明らかにしたところによると、中国初の海上スマートガス田群「東⽅ガス田群」が 19 年連続の安定生産・増産を維持している。海南⾃由貿易港に向け累計で 600 億⽴⽅メートル超の天然ガス、60 万⽴⽅メートル超のコンデンセート油を供給しており、海南⾃由貿易港の建設のために「クリーンな原動⼒」を尽きることなく注いでいる。

■上海封鎖でネズミ増加、感染症防止へ駆除呼びかけ

上海では約 2 カ月に及んだ新型コロナウイルス対策のロックダウン(都市封鎖)の影響で春の駆除作業が⾏われなかったため、ネズミの繁殖数が前年同期より増加していることが当局の調べで分かった。上海市疾病対策予防センターは感染症防⽌のため、秋に集中的な駆除作業を⾏うよう呼びかけている。上海市当局は住居周辺の清潔の維持や、建物内や下⽔道でのネズミの駆除を呼びかけた。また住⺠に対し、⽔たまりをなくすことや家庭内の衛生管理の徹底、生ごみの分類など、蚊が繁殖場所を減らすことへの協⼒を求めた。

2022年9月7日

■中国 7 ⽉の国際物品・サービス貿易輸出⼊額が 11%増加

国家外貨管理局のデータによると、2022 年 7 月は、中国の国際物品貿易および国際サービス貿易の輸出入額が前年同期比 11%増の 3 兆 9151 億元(1 元は約 20.0 円)に達した。輸出から輸入を差し引いた貿易収支を⾒ると、物品貿易は 4156 億元の⿊字、サービス貿易は 604 億元の赤字だった。米ドル建てで計算すると、同月の国際物品・サービス貿易の輸出額は 3171 億ドル(1 ドルは約 137.6 円)、輸入額は 2644 億ドル、貿易収支は 528 億ドルの⿊字だった。

■中央財政から穀物⽣産農家へ農業⽣産資材⼀時補助⾦を再び⽀給

中央政府はこのほど一般公共予算から 100 億元(1 元は約 20.0 円)の資⾦を拠出して、実際に穀物を⽣産する農家に農業⽣産資材一時補助⾦を再び支給し、秋の収穫シーズンおよび秋の種まきシーズンを統合的に支援し、農業⽣産資材の価格上昇がもたらす穀物⽣産コスト増大の影響を緩和し、農家の穀物栽培への積極性をさらに喚起するという。これにより 2022 年には中央財政から 3 回にわたり累計 400 億元の補助⾦が支給されたことになる。

■中国共産党大会 10 ⽉ 16 日開幕、習氏 3 期目人事が焦点

中国共産党は 8 月 30 日、党中央政治局会議を開き、5 年に 1 度の党大会を 10 月 16 日から北京で開くことを決定した。国営メディアの新華社が報じたもの。今回の党大会では、習近平・総書記(国家主席)が党のトップとして異例の 3 期目入りするかが最大の焦点で、新指導部がどのようなメンバーになるのか注目される。香港経済日報によると、シティグループはこれより先、党大会後を通過すれば政策⾯での不確実性が低下すると指摘。マッコーリー証券は、党大会の終了後、マクロ政策や新型コロナウイルス防疫対策の⾯で、政策調整の⾃由度が増すと分析している。

■中国・深圳、コロナ拡大で市中心部を 2 日間封鎖

中国深圳市政府当局は 9 月 2 日夜、新型コロナウイルス対策として市内中心部を 3 日午前 0 時から 48 時間、事実上封鎖すると発表した。台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業が運営するスマートフォンの工場などがある地域が含まれる。封鎖が⻑引けば関連産業のサプライチェーン(供給網)にも影響が広がる恐れがある。

■中国海運コスコ、売上⾼・純利益が過去最⾼ 1〜6 ⽉

中国の国有海運最大手、中国遠洋海運集団(コスコ・グループ)の業績が拡大している。グループの中核上場会社、中遠海運控股が 31 日に、2022 年 1〜6 月期決算はこの期として売上⾼、純利益ともに過去最⾼だったことを発表した。新型コロナウイルス禍を受けたコンテナ不⾜などによる運賃の⾼⽌まりが追い風になった。

■中国の「リトル京都」、反日の逆風下で拡張 別荘に活路

中国で京都の街並みを再現した遼寧省大連市の複合商業施設「⾦⽯万巷」が拡張を続けている。別荘はすでに 500棟以上が完成し、今後は 1200 棟まで増やす⾒通し、8 月には⾼級ホテルも開業した。「まるで本物の京都のようだ」と評価された。