日系企業進出状況(2022年11月)

2022年11月29日

■東洋エンジ、BASF から中国大型石油化学プロジェクト受注

東洋エンジニアリング株式会社は 8 日、独化学メーカー大手の BASF から中国の大型石油化学プロジェクトを受注したと発表した。同社は BASF が広東省湛江市で計画する大型石油化学コンプレックス(BASF Zhanjiang Verbund Project)におけるアクリル酸プラントの EPsCm、エチレンプラント、製品貯蔵施設、ポリエチレンプラントの PMS およびプラントコンプレックス全体のプロジェクト管理/統括業務を受注した。新会社は中国の江蘇省蘇州市相城区に本社を置き、中国における継続的な変革の一環として、モビリティサービスを中心に事業を展開する。東洋エンジニアリングは 2013年に BASF 社との包括エンジニアリングパートナー契約締結以来、テックプロジェクトサービスといったグローバル拠点の強みを生かし、BASF 社のアジア太平洋地域投資へ貢献している。

■ダイキンが国内生産回帰を検討、中国から一部移管

ダイキン工業はエアコンなど一部製品について、中国から日本への生産拠点の回帰を検討している。中国の新型コロナウイルス防疫対策の影響や、円安によるインパクトを考慮したもの。昨年度、2019 年度は国内でおよそ 30 万台を販売したが、新型コロナウイルスの影響で国内需要が高まっていて、今年度はおよそ 55 万台の販売を見込んでおり、生産の一部を中国から日本に移すことを決めた。国内での生産を始める具体的な時期や場所は未定としているが、滋賀県草津市にある「滋賀製作所」を候補に検討を進めている。ダイキンが空気清浄機の生産で国内に回帰するのは、2008 年以来となる。

2022年11月22日

■村田製作所が中国⼯場着⼯、MLCC 需要拡大に対応

村田製作所は、中国生産子会社の無錫村田電子有限公(中国・江蘇省無錫市)が、新生産棟の建設を同年 11⽉ 1 ⽇に開始したと発表した。積層セラミックコンデンサー(MLCC)の中⻑期的な需要を⾒据え、MLCC 向けシートの生産体制を強化し、安定的に供給することが狙いだ。投資総額は約 445 億円で、完成は 2024 年 4 ⽉を予定している。半導体/電子部品を含めエレクトロニクス業界では、米中の対⽴が激化しているが、村田製作所は、MLCC を含めた全製品の国内生産比率は 60%超である。

2022年11月16日

■パナ HD 系松下四維、貴陽産投に電池分析クラウドサービス提供

パナソニック ホールディングス株式会社と北京四維図新科技股份有限公司の共同出資による合弁会社であるパナソニック四維モビリティテクノロジーサービス北京有限公司(以下、松下四維)は、貴陽産業発展控股集団有限公司(以下、貴陽産投)が各社とともに設⽴準備中の電池資産管理会社に対して、電池分析クラウドサービス BetteRRRy を提供することで合意し、2022 年 11 月 6 日、第五回中国国際輸⼊博覧会で、協⼒協定を締結した。本協⼒協定では、松下四維が提供する電池分析クラウドサービス BetteRRRy を活用することで、電池資産管理会社の新エネルギー⾞に関連する資産の効率的な管理と活用をサポートする。

■中国、日産も「ロボタク」進出、蘇州高鉄新城でサービスへ

日産(中国)投資有限公司は、⼦会社の日産出⾏服務有限公司(Nissan Mobility Service)を設⽴すると発表した。新会社は、中国の江蘇省蘇州市相城区に本社を置き、中国における継続的な変⾰の一環として、モビリティサービスを中心に事業を展開する。蘇州高鉄新城と連携しながらモビリティサービスへの投資と、ロボットタクシーサービス事業を展開、中国のインテリジェント交通システムの発展に貢献していくという。

2022年11月9日

■ニトリが北京に初出店、11 月に 2 店同時オープン

家具・日用品販売大⼿のニトリホールディングスは、中国の⾸都・北京市に初出店すると発表した。11 月 4 日に 2 店舗同時オープンした。中国進出した中国本⼟で58、59店舗目となり、来年末までに100店舗体制を目指す。日本企業による中国事業はコロナ禍や円安といった逆風が吹くが、ニトリは商品の多くが中国製という点が現地出店の追い風となっている。日本や海外のニトリ店舗に並ぶ商品の多くは主に中国で生産されている。中国での販売分は、仕⼊れを⼈⺠元で決済し、元建てで販売するため、急速な円安の影響はほぼ受けていないという。輸出に⽐べて輸送費も安く、中国の店舗が増え、売り上げも増えるほど、(ニトリグループ全体として)円安のリスクが軽減できる。

■花王、23 年「春節」限定デザイン洗顔料を発売

花王は、2023 年 1 月 1 日、カネボウ化粧品のプレステージブランド「KANEBO」より、中国の春節(旧正月)に向けた限定デザインパッケージの「カネボウ コンフォート ストレッチィ ウォッシュ リミテッド エディション 2023」(130g・5000円)を発売する。ブランドコンセプトに「I HOPE.」を掲げる「KANEBO」は、同限定品を通じ、新たな年を迎える時期に、「希望」を届けることを目指し、中国を中心とした地域に向けコミュニケーションを強化する。

2022年11月1日

■⽇⽴造船、北京で廃棄物資源循環システム実証事業に参画

⽇⽴造船株式会社は、中国側パートナーおよび協⼒機関との間で共同実証に関する契約が成⽴し、北京市で廃棄物の適正処理・資源化システムの実証事業を実施すると発表した。同事業は、中国における「環境(省エネルギー含む)」「医療」「防災・減災」の課題解決に貢献すること、およびこれらの課題解決に貢献できる技術を有する⽇系企業と中国側パートナー(研究機関や大学など)が協⼒し、中国での実証試験などを通じて産業化を目指し、中国の課題解決に貢献するとともに、⽇系企業の中国ビジネス展開の促進を目的とする。

■富士フイルムビジネスイノベ、中国資産売却を中止

富士フイルムホールディングス傘下の富士フイルムビジネスイノベーションは 24 ⽇、中国連結子会社の富士膠片商業創新(中国)有限公司が保有する、主に中低速の複合機・プリンターを生産する富士膠片商務設備(上海)有限公司の売却を中⽌すると発表した。この度の譲渡の準備過程において、同⼯場従業員の早期退職希望者が想定以上の⼈数に達し、同⼯場の今後の稼働⾒通しが不透明になったことから譲渡中⽌を決定したもの。なお、同⼯場での生産活動は、2023 年5月 31 ⽇(予定)で終了し、2024 年半ば(予定)に同⼯場を閉鎖する。