今週のトピックス(2022年11月)

2022年11月22日

■中国、ライブコマース利用者 4.69 億人、越境 EC 市場も拡大

このほど発表された「2022 年中国電子商取引発展動向報告」によると、ライブコマースに代表される新しい EC 市場の拡大が続いている。ライブコマースの利用者数は今年 6 月時点で 4 億 6900 万人となり、20 年 3 月の 2 億 400 万人から大幅に増加。インターネットユーザー全体に占める比率も 44.6%にまで上昇している。ショート動画「抖音」で行われたライブコマースの回数は、2021 年 5 月~2022 年 4 月に月間 900 万回を超え、販売点数では 100 億点を超えた。取引総額は前年同期の 3.2 倍に膨らんでいる。また、「淘宝直播(タオバオライブ)」の視聴者数は累計 500 億人を突破した。越境 EC 市場も拡大しており、商務部のデータによると、今年上半期の越境 EC による輸出入額は前年同期比で 28.6%増加した。

■アップルの中国以外への生産移転、「実現に 10 年」

アップルスマートフォン「iPhone」の世界最大生産拠点、鴻海精密工業の中国・鄭州市(河南省)の工場で 11 月 22日夜、新型コロナウイルスの感染対策を巡る不満から、労働者による激しい抗議活動が起きた。同工場は「iPhone14」の 80%、「iPhone14 Pro」の大部分を生産している。生産への影響が⾧引く場合、iPhone 生産をほぼ中国に集中させていることの弊害がよりクローズアップされそうだ。イウジン・ミュンスター氏は 11 月上旬、「脱中国」の動きについてリポートを発表。アップルは転換期に入っており、中国依存を低減すべくサプライヤーの中国以外への分散を推進しているものの、実現には 10 年かかるとの見方を示した。

■ファーウェイが ITU の P2C デジタル連盟に加盟

華為(ファーウェイ)技術有限公司は 23 日に広東省深セン市で開催された持続可能な発展フォーラム 2022 で、国際電気通信連合(ITU)の Partner2Connect(P2C)デジタル連合に加盟することを明らかにしたと同時に、2025年に世界 80 数ヶ国の遠隔地に暮らす約 1 億 2 千万人の人々にデジタル社会へのアクセシビリティを提供することを公表した。

■中国の新エネバスがサッカーW 杯の主要な交通手段に

現地時間 11 月 20 日に開幕した FIFA ワールドカップ(W 杯)カタール 2022 では、クリーンな交通手段の利用を提唱しており、2020 年、カタール W 杯のサービス用車両の競争入札で中国の鄭州宇通集団有限公司がこれを落札して供給している。追加注文も加わって、中国から輸出された 1500 台バスの中にはバッテリー電気自動車(BEV)のバス888 台も含まれ、今回の輸出は国際的な大規模スポーツイベントに中国製の新エネルギーバスが大量に導入された初めてのケースであり、また BEV バスが主要な交通手段として W 杯にサービスを提供する初めてのケースだと伝えている。

■中国、「5G+インダストリアル・インターネット」の建設中のプロジェクトが 4 千件以上

中国の「5G+インダストリアル・インターネット」は 5G の大規模商用化と産業デジタル化の新たなシンボルとして、そのイノベーションと発展が急成⾧の段階に入った。現時点で、中国全土で建設中の「5G+インダストリアル・インターネット」プロジェクトは 4 千件を超えるという。工業分野における 5G の応用が生産の周辺の補助プロセスから生産の中心的制御プロセスへと加速的に進展し、工業用の 5G 半導体、モジュール、端末が次々に登場している。中国全土で建設中の「5G+インダストリアル・インターネット」プロジェクトは電子デバイス製造、鉄鋼、電力など 10 大重点業界にまたがっている。

■BMW、中国で EV 向け車載用電池を増産 2000 億円投資

独 BMW は中国で電気自動車(EV)向け車載用電池の生産能力を拡大すると発表した。総投資額は約 100 億元(約 2000 億円)。同社は中国の高級車市場で高いシェアを握る。EV 分野で米テスラや中国新興企業の攻勢を受けるなか、旺盛な需要を取り込む体制整備を急ぐ。

2022年11月16日

■中国、グローバル⼈材競争⼒ランキングで 8 位に

中国のシンクタンクである全球化智庫(CCG)は第 5 回中国国際輸⼊博覧会の会期中の 7 日に開催された「グローバル人材流動・発展フォーラム 2022」で、「グローバル人材流動情勢・発展報告」を発表した。それによると、グローバル人材競争⼒指数ランキングで中国は 8 位だった。同報告は中国を含む 38 ヶ国を対象に調査し、これらの国は 2020年に人⼝で世界の 63.1%を占め、国内総生産(GDP)で世界の 88.9%を占めていた。
1 位は⽶国で他国を⼤きく引き離し、2 位は韓国で⽶国に迫り、3 位はデンマーク、4 位はシンガポール、日本は 5 位、
中国は 8 位であった。

■中国、今年のダブル 11 期間にペット用品など「新 4 大⼈気商品」が急速な伸び

今年になって消費増加率の高いトレンド玩具、ペット用品、スポーツ・アウトドア用品、ジュエリーの 4 産業が「新 4 ⼤人気
商品」と呼ばれ、4 産業の平均成⻑率は産業全体の成⻑率を⼤幅に上回った。またこの 4 産業は⼤⼿ EC プラットフォームでは売上高増加率の上位に並ぶ産業だ。
今年のダブル 11 には、ペットの衣食住・移動をめぐり、プラットフォームではペットの日用品、犬・猫用サプリメント、ペット生活サービスなどの商品が⼤幅な伸びを示している。⻑年経営してきたペットショップの中には、今年はペット用品の「ワンストップショッピング」を中心に扱うところが多く、ダブル 11 のプレセール期間の売上高だけでも前年同期⽐で 50%増加した。また、キャンプ、スケートボード、釣りなどの新興スポーツ類の爆発的人気をもたらし、関連製品の売上はセールがスタートしてすぐに前年同期の 2 倍となった。

■中国の対外直接投資、10 年連続で世界トップ 3 をキープ

2021 年の中国の対外直接投資額は前年⽐ 16.3%増の 1788 億 2 千万ドル(1 ドルは約 146.6 円)に達し 10年連続で世界トップ 3 に⼊り、中国の対外投資⼤国の地位が安定していることを示した。21 年末までには、中国の対外直接投資のストックは 2 兆 7900 億ドルに上り、5 年連続で世界 3 位以内に⼊った。21 年の中国の対外直接投資と対中投資の規模は、ほぼ同等となった。

■中国、自動運転テスト拡大、上海市嘉定区が高速道も開放

上海市交通委員会などの当局は「智能網聯汽⾞示範運営実施細則」を正式に公布した。「第 2 回スマート交通上海フォーラム」を通じ、スマートコネクテッド貨物⾞のモデル通⾏許可証も正式に発給した。この種の許可証は世界初のレベルだという。対象の道路は、嘉定区の G1503 環状高速道路の 21.5 キロメートル区間、G2 京滬高速道路の 19.5 キロメートル区間。嘉定区内の公道 303 本(総延⻑ 459.6 キロメートル)の通⾏も解禁した。⾃動運転試験⾞に開放する嘉定区の道路は今回、総延⻑が 500.6 キロメートルに上る。

■世界ドローン市場は 25 年に 10 兆円規模へ、中国シェア 7 割

中国汽⾞工業協会(CAAM)が新エネルギー⾃動⾞(NEV)国内販売⾒通しを上方修正し、2022 年通年の国内 NEV 販売について、650 万台を超えるとの⾒通しを示している。CAAM による NEV 販売予測の上方修正は、今年7 月に続いて 2 度目となる。昨年末時点で CAAM は、22 年の国内新⾞販売を 2750 万台(21 年⽐↑5.4%)、うち NEV を 500 万台(↑47%)に伸びると予測。今年 7 月には 22 年予想を修正し、国内新⾞販売を 2700 万台(21 年⽐↑3%)に引き下げる一方、うち NEV を 550 万台(21 年⽐↑56%)に引き上げていた。1〜9 月の累計では、販売が 456 万 7000 台、生産が 471 万 7000 台で、それぞれ前年同期の 2.1 倍、2.2 倍を記録した。

■海南自由貿易港初の 5G+スマートパワープラントが商業運転開始

⼤唐グループが建設する「⼤唐海⼝ 2×460 メガワット 9F 級天然ガス発電プロジェクト」の 1 号ユニットが 9 日、168 時間に及ぶ全負荷試運転に合格し、海南省初の「5G+」スマートパワープラントの商業運転が正式に開始した。このプロジェクトは海南⾃由貿易港の中心都市における初の⼤型クリーン電源サポートプロジェクトであり、海⼝市の経済建設に重要なエネルギーの保障を提供することになる。第一期が完成すれば、年間発電量約 24 億キロワット時を実現し、年間生産高は約 14 億元(約 282 億円)に達する。

2022年11月9日

■第 5 回輸入博に計 145 の国・地域と国際機関が出展

第 5 回中国国際輸⼊博覧会(CIIE2022)が 11 月 5 日から 10 日まで上海市で開催され、計 145 の国・地域と国際機関が出展する。今回の出展者には先進国があれば発展途上国もあり、中には一部の後発開発途上国も含まれ、前よりは構造がさらに最適化され、より代表性が高くなっている。127 の国・地域の企業が企業商業展に出展し、66ヶ国と 3 つの国際機関が国家総合展に出展し、出展数はいずれも前回を上回る。地域的な包括的経済連携(RCEP)協定の加盟国はすべて企業の出展があり、「一帯一路」(the Belt and Road)沿線国と上海協⼒機構(SCO)の加盟国からの出展数も前回より増えた。

■中国企業の投資建設によるカンボジア最⼤の⽕⼒発電所が操業・発電スタート

カンボジア華電⻄港発電有限公司の最初のユニットが 11 月 1 日午後、国営カンボジア電⼒公社(EDC)が求める全負荷性能テストに無事合格し、同⽕⼒発電プロジェクトは操業・発電を正式に開始することとなった。華電⻄港プロジェクトは、中国華電が投資・建設した、カンボジア最大の⽕⼒発電プロジェクトとなる。

■テンセントと中国聯通が設⽴の新会社が承認

騰訊(テンセント)と中国聯通(チャイナ・ユニコム)が設⽴する混合所有制の新会社が承認された。聯通創新創業投資有限公司(聯通創新)と深セン市騰訊産業創投有限公司(騰訊創投)による合弁企業の新規設⽴は無条件で承認され、審査が終了したのは 10 月 18 日だった。関連の取引が完了すれば、聯通創新、騰訊創投、関係社員の持ち株プラットフォームが新会社の株式をそれぞれ 48%、42%、10%ずつ保有し、合弁企業のかじ取りを進めていく。

■中国が VR 振興、26 年産業は 7.09 兆円規模へ

中国が VR(仮想現実)産業の振興に乗り出し、業和信息化部(工業情報化部)は 1 日、教育部、文化旅游部、国家広播電視総局、国家体育総局と連名で「VR と産業の応用融合発展アクションプラン(2022〜26 年)」を公布した。2026 年の産業規模に関し、年産額が 3500 億⼈⺠元(約 7 兆 900 億円)を超えるとみている。VR 端末の販売数量は 2500 万以上に達すると予測した。

■中国、22 年 NEV 販売予測を上⽅修正、550 万→650 万台超へ

中国汽⾞工業協会(CAAM)が新エネルギー⾃動⾞(NEV)国内販売⾒通しを上方修正し、2022 年通年の国内 NEV 販売について、650 万台を超えるとの⾒通しを示している。CAAM による NEV 販売予測の上方修正は、今年7 月に続いて 2 度目となる。昨年末時点で CAAM は、22 年の国内新⾞販売を 2750 万台(21 年⽐↑5.4%)、うち NEV を 500 万台(↑47%)に伸びると予測。今年 7 月には 22 年予想を修正し、国内新⾞販売を 2700 万台(21 年⽐↑3%)に引き下げる一方、うち NEV を 550 万台(21 年⽐↑56%)に引き上げていた。1〜9 月の累計では、販売が 456 万 7000 台、生産が 471 万 7000 台で、それぞれ前年同期の 2.1 倍、2.2 倍を記録した。

■中国全⼟に国家輸入貿易促進イノベーションモデル区 29 ヶ所を増設

商務部や国家発展改⾰委員会など 8 当局は、中国全⼟に国家輸⼊貿易促進イノベーションモデル区 29 ヶ所を設⽴することを決定した。中には、北京⾸都国際空港臨空経済区、上海淮海新天地輸⼊貿易機能区、天津経済技術開発区、重慶両江新区、広東深セン前海蛇⼝⾃由貿易エリアなどが含まれる。現時点では、輸⼊モデル区は 43 ヶ所に達した。

2022年11月1日

■中国政府が製造業重点の外資支援⽅針を発表、経営層などの往来を円滑に

中国の国家発展改革委員会など 6 部門は、「『製造業を重点とする外資の投資増加、既存投資の安定、投資の質の向上促進に関する若⼲の政策措置』に関する通知」を発表した。外資系企業の投資拡大や安定を通じ、製造業の質の高い発展やグローバルサプライチェーンへの関与強化を目指す。通知では、外資参入に関する 2021年版ネガティブリストを着実に実施し、リストにない分野では中国企業と外資系企業を平等に扱うとした。リスト以外の投資を制限するような措置も引き続き整理する。また、国の⽀援策や資格の許認可、知的財産権保護、標準策定、入札、政府調達などで中国企業と外資系企業の平等な待遇を確実にする。その他、重要外資プロジェクトについては、土地使用や環境保護規制、物流、従業員の出入境などで問題解決のための⽀援を強化する。ビジネス関連の⼈員往来に関しては、新型コロナウイルス感染予防を確実に⾏った上で、多国籍企業などの経営層や技術者、その家族の出入境の利便性向上を進める。また、各地方は往来のための「ファストトラック」を活用し、利用の基準や手続きを明確にすべきとした。

■上海市、吸⼊型の新型コロナワクチン接種開始

上海市政府は 10 月 25 ⽇、吸入型の新型コロナウイルスワクチン(5 型アデノウイルスベクター)の追加接種を 10 月26 ⽇から開始と発表した。吸入型ワクチンは康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス)が開発したもので、9 月 4 ⽇に世界初の吸入型ワクチンとして国家薬品監督管理局が緊急使用を承認した。接種対象者は、中国医薬集団(シノファーム)北京生物製品研究所と、中国医薬集団武漢生物製品研究所、シノバック・バイオテック傘下の北京科興中維生物技術が製造した不活化ワクチンや、康希諾生物(カンシノ・バイオロジクス)が製造したアデノウイルスベクターワクチンを接種した 18 歳以上で、接種間隔が 6 カ月ならば、無料で吸入型ワクチンを追加接種することが可能。上海市の発表によると、臨床研究の結果から、吸入型ワクチンの有効性に関しては、吸入型ワクチンと不活化ワクチンの交互接種は免疫応答を著しく増強することができ、接種 6 カ月後も高⽔準の中和抗体を維持しているという。10 月 25 ⽇時点で上海市の2 回接種完了者は 2,300 万⼈以上(注 1)、3 回接種完了者は 1,200 万⼈以上となっており、同市政府は 3 回目接種をしていない市⺠に接種完了を呼びかけている。また、同市政府は同⽇、新型コロナウイルスの防疫コントロールの成果を強固にするため、市内の無料 PCR 検査を 10 月 31 ⽇から 11 月 30 ⽇まで延⻑することも発表した。
(注 1)︓上海市の常住⼈⼝は約 2,489 万 4,300 ⼈(2021 年末時点)。

■中国税関総署、米企業 1 社からの輸⼊を一時停止

税関総署は、中国の税関部門によって米国のミートパッカー企業「CS ビーフパッカーズ、 LLC(登録コード 630)」が中国に輸出した冷凍⽜ハツモト(ホルモン)から肥育促進剤のラクトパミンが検出されたことが確認されたため、「中華⼈⺠共和国⾷品安全法」および「中華⼈⺠共和国輸出入⾷品安全管理規則」などの規定に基づき、同社が 2022 年 10月 27 ⽇以降に発送した対中輸出⾁類製品の輸入申告の受理を⼀時的に停⽌することを明らかにした。

■中国 1-9 ⽉の物品貿易輸出⼊額が前年同期⽐で 9.9%増

今年第 1-3 四半期(1-9 月)には、中国の物品貿易輸出入総額が前年同期⽐ 9.9%増の 31 兆 1100 億元(1元は約 20.4 円)に達した。1-9 月の物品貿易の輸出額は同 13.8%増の 17 兆 6700 億元、輸入額は同 5.2%増の 13 兆 4400 億元、輸出から輸入を差し引いた貿易収⽀は 4 兆 2300 億元の⿊字で、⿊字額は同 53.7%拡大した。

■IMD 世界デジタル競争⼒ 2022 で中国 17 位 5 年で 14 位上昇

「IMD 世界デジタル競争⼒ランキング 2022」で、中国は世界 17 位になり、中国のデジタル競争⼒を⽰す結果になり、⽇本の 29 位を大きく上回る。中国は 17 年の 31 位から 22 年は 17 位になり、5 年間で 14 位上昇した。それに対し、⽇本の順位は低下し続けており、21 年の 28 位から 22 年は 29 位になった。17 年から 21 年までで、中国のデジタル経済の規模は 27 兆 2 千億元(1 元は約 20.7 円)から 45 兆 5 千億元に拡大しており、総額は世界 2 位を維持し、複合年間成⻑率(CAGR)は 13.6%に達している。