品質・安全性・信頼性を示すCR認証「中国機器人(ロボット)認証」(1)
- 中国ではヒューマノイドロボットの普及が進んでいますが、その中、「CR認証(中国機器人認証)」という認証があると聞きました。これはどんな制度なのか、概要を教えてください。
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中国でヒューマノイドロボットや産業用ロボットの導入が進む中で、品質・安全性・信頼性を示す制度として注目されているのが「CR認証」です。CRとはChina Robot Certification の略称で、中国語では「中国機器人認証」と呼ばれます。正式には、ロボット製品に対する中国の任意認証制度であり、認証マークは「国家中国機器人産業認証」、略称CRとして運用されています。CR マークは、ロボット製品について安全性、信頼性、機能安全、情報安全、知能化などを一定の基準に基づいて評価し、対外的に示すための仕組みと理解するとよいでしょう。
CR 認証はCCC認証とは性質が異なっています。CCC認証は、中国の強制性製品認証制度であり、対象目録に入る製品は、認証を取得し、CCCマークを表示しなければ、中国での出荷・輸入・販売ができません。これに対し、CR認証は任意認証です。したがって、CR 認証を取得していないことだけを理由に、直ちに通関や一般市場での販売が禁止される制度ではありません。この点を誤解すると、必要以上に大きな規制対応負担を見込んでしまうことになります。ただし、任意であるから重要性が低い、というわけではありません。中国では、政策採信、政府調達、大型入札、補助金、業界規範公告などと認証結果が結び付くことがあり、任意認証であっても実務上の重みが高まることがあります。CR認証は、まさにその典型例です。
CR認証は、2016年に中国政府の主導により整備された制度です。国家認証認可監督管理委員会、旧国家質検総局、国家発展改革委員会、工業情報化部、国家標準化管理委員会などの関与のもと、国質検認聯〔2016〕622 号「ロボット検測認証体系建設の推進に関する意見」によって、統一的なCRマークの運用が示されました。
制度の実施・運用には、中国機器人検測認証聯盟(TCAR)や国家機器人検測与評定中心、認証機関・試験機関が関与しています。制度創設の目的は、単に個別製品を検査することではなく、中国のロボット産業全体について、標準、試験、認証、品質評価を連動させ、産業の高度化と国際競争力の向上を図ることにあります。
対象となる製品範囲はかなり広く、いわゆる人型ロボットだけを想定した制度ではありません。工業ロボット、サービスロボット、AGV、無人機、協働ロボット、物流ロボット、建築ロボット、巡検ロボットなどの完成品に加え、ロボットシステムのインテグレーション、さらに減速機、コントローラ、サーボモータ、一体型関節などの主要部品も対象に含まれます。

産業用ロボットの代表例であるSCARAロボットは「工業ロボット」の実施規則、ロボットコントローラは「ロボット制御装置」の実施規則で扱われます。最近はヒューマノイドロボット関連として、一体型関節やデータセットに関する認証ルールも整備されており、制度の対象はロボット産業チェーン全体へ広がっています。このため、CR認証はヒューマノイドロボット単体の話ではなく、ロボット本体、制御系、駆動系、システム統合までを含む、中国のロボット産業政策上の品質インフラと見るべきです。特に中国では、ロボットを製造業の高度化、介護・医療・物流・公共サービスの省人化、そして次世代産業育成の中核に位置づけており、製品の性能を客観的に評価する制度の役割が大きくなっています。CR認証は、その政策方向に沿って整備された制度といえます。
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