今週のトピックス(2025年1月)

2025年1月29

■中国のスーパー運営企業、6 割が 24 年の売り上げ減

中国のスーパー業界が苦戦している。業界団体が 1 ⽉下旬にまとめた調査によると、中国のスーパー運営企業の 6 割近くは 2024 年の売上総額が前年より減った。大手チェーンではネットスーパーからの消費者の奪還に⼒を⼊れ始めているが、いまのところ効果は限られている。

■中国企業ディープシーク、トップクラスのAIモデルに匹敵する性能、はるかに低コストで実現

1⽉ 27 日のニューヨーク株式市場では、ハイテク関連銘柄が多いナスダックの株価指数が先週末と比べて 3%を超える大幅な下落となった。中国のスタートアップ企業「ディープシーク」が低コストの生成 AI を開発したことを受けて、投資家の間でアメリカの大手 IT 企業の AI 分野での優位性が失われるという懸念が広がったため。
アメリカメディアによると、「ディープシーク」は、中国の東部 浙江省杭州で 2023 年に設⽴されたスタートアップ企業だ。1 ⽉に発表されたモデルは、アメリカの「オープン AI」が手がける「ChatGPT」に匹敵するとも伝えられ、アメリカでは 27 日、アップルのアプリストアのランキングで、ChatGPT を上回り、1 位となった。

■⽇本政府、中国⼈旅⾏者にビザ緩和、10 年有効の観光ビザ新設

中国で⾼級品消費の不振が鮮明になってきた。⽶コンサルティング大手ベイン・アンド・カンパニーが 1 ⽉下旬にまとめた調査によると、2024 年の中国⾼級品市場は前年比で 2 割縮⼩した。不動産価格の下落で消費意欲が衰え、コストパフォーマンスを重視して買い物する人が増えている。

■テスラ、中国で 120 万台リコール 全販売の半数か

⽶電気⾃動⾞(EV)大手のテスラは中国で販売する EV でソフトウエアに不具合があったとして約 120 万台のリコール(回収・無償修理)を⾏うと発表した。電動パワーステアリングや後方カメラに不具合が発生しているためで、⽶メディアによると 24 年末までに中国で販売された台数の半数に相当するという。

■広州汽⾞、シンガポールで⾼級 EV 発売 東南アジアで攻勢

中国国有⾃動⾞大手の広州汽⾞集団は 24 日、傘下企業を通じて⾼価格帯の電気⾃動⾞(EV)ブランド「HYPTEC(ハイプテック)」の販売をシンガポールで始めた。同ブランドは中国外ではインドネシアやタイでも 2024 年から販売している。東南アジアで大衆⾞に続き⾼級⾞でも攻勢をかける。

2025年1月22

■中国 GDP、24 年実質 5.0%増 内需不足で減速

中国国家統計局が 17 日発表した 2024 年の国内総生産(GDP)は、物価の変動を調整した実質で前年比5.0%増えた。政府目標の「5%前後」は達成したが、伸びは 23 年の 5.2%から減速した。不動産不況が響いた。

■24 年の中国スマホ出荷、ファーウェイ 5 割増 iPhone 苦戦

米調査会社 IDC は 20 日、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)の中国でのスマートフォン出荷台数が2024 年に前年比 50.1%増えたと発表した。独自開発の半導体や基本ソフト(OS)を機種ごとに進化させて使い勝手を高めたことが奏功した。米アップルは 5.4%減で苦戦した。

■中国の人口 3 年連続減、14 億 828 万人 出生数は増加

中国国家統計局が 17 日発表した 2024 年末の総人口は 14 億 828 万人で、23 年末から 139 万人減った。24年の出生数は 954 万人となり 8 年ぶりに増加する一方、死亡者が出生数を上回ったため総人口は 3 年連続で減少。

■TikTok、米国のサービスを再開 停止から一夜で急転

中国発の動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」は 19 日、米国内のサービスを再開した。中国資本下でのサービス提供を違法とする米国の新法が同日発効するのに先立ち、18 日夜に停止したばかりだった。そして、米東部時間 19 日午後 2 時(日本時間 20 日午前 4 時)ごろ、アプリを利用できるようにした。利用者は動画の視聴ができる。

■中国・華虹、インテル元幹部登用 ロジック半導体に注力

半導体受託生産会社(ファウンドリー)で中国 2 位の上海華虹集団が経営陣を刷新した。主力グループ会社のナンバー2 に米インテル元幹部を起用し、電子機器の「頭脳役」の役割を担うロジック半導体に注力する。対中強硬で知られるトランプ大統領が再登板した中、華虹集団は中国政府などと一体となって米国に対抗する。

2025年1月15

■中国の生成 AI サービスが 300 種類突破 24 年末時点

中国の国家インターネット情報弁公室は 8 日、国内で登録された生成 AI(人工知能)サービスが 300 種類を超えたと発表した。開⽰資料によると、文章や画像などを作り出す百度(バイドゥ)の「文⼼⼀⾔(アーニーボット)」やアリババ集団が開発した「通義千問(Qwen)」などが含まれ、増加が続く。

■中国物価、24 年 0.5%上昇 ⾷品・燃料除く 15 年ぶり低さ

中国国家統計局が 9 日発表した 2024 年の消費者物価指数(CPI)は前年⽐ 0.2%上昇した。物価の基調を⽰す「⾷品とエネルギーを除くコア指数」の上昇率は 0.5%と 09 年以来、15 年ぶりの低い伸びだった。
デフレ圧⼒が増しており、中国政府の上昇率目標である「3%前後」を⼤きく下回った。厳格な⾏動制限を伴う「ゼロコロナ」政策が⻑期化したため中小・零細企業が倒産して若年層を中⼼に雇⽤・所得環境が悪化したことに加え、不動産価格の下落が消費を冷やす「逆資産効果」も重なって耐久消費財に勢いがない。
品目別にみると、⾃動⾞などの交通機器は 5・1%下落、スマートフォンなどの通信機器は 1・7%下落した。中国人の⾷卓に欠かせない豚肉は 7・7%の上昇だった。変動が激しいエネルギーと⾷品を除いたコア指数は 0・5%上昇と、23 年の0・7%上昇から縮小した。24年 12 月の CPI は前年同月⽐で 0・1%上昇した。11 カ月連続でプラスを維持したものの、伸び率は 11 月から 0・1 ポイント鈍化。4 カ月連続で伸びが縮小した。中国共産党・政府は昨年 9 月以降、⼤規模な⾦融緩和といった景気対策を打ち出しているが、本格的な消費回復には⾄っていない。

■中国中⾞、炭素繊維製の地下鉄⾞両 商業運⾏を開始

鉄道⾞両メーカー世界⼤⼿の中国中⾞(CRRC)は、⾞体など構造部分に炭素繊維を全⾯採⽤した地下鉄⾞両の商業運⾏を世界で初めて開始したと発表した。⼀般的な⾦属製⾞両より 1 割以上軽く、二酸化炭素(CO2)の排出削減につながるという。

■テスラ、中国で「モデル Y」改良 外観刷新でテコ入れ

米電気⾃動⾞(EV)⼤⼿のテスラは 10 日、中国などで多目的スポーツ⾞(SUV)「モデル Y」の改良版の受注を始めた。外観や内装を変更した。中国では 3 月に納⾞を始める予定。中国・⽐亜迪(BYD)や新興ブランドが競合⾞種を投⼊しており、改良で製品の競争⼒を⾼める。

■ファーウェイ、独自半導体スマホ 60 カ国で再び攻勢に

中国通信機器⼤⼿の華為技術(ファーウェイ)が海外のスマートフォン市場で再び攻勢に出ると伝えられた。米政府による半導体規制で低迷が続いたが、⾼性能半導体を独⾃開発し、搭載スマホを販売する国・地域は約 60 になった。⼀時は世界⾸位だったスマホ事業の復権をにらむ。ファーウェイが独⾃の半導体を利⽤してスマートフォンの生産を再開することで、特にアジア市場や新興国市場における競争が激化する。これにより、既存の日本企業が進出している市場でのシェア競争が⼀層厳しくなる可能性がある。
ファーウェイが半導体を⾃社で製造し、米国からの技術依存を減らす動きは、中国のテクノロジー産業の独⽴性を強化することに繋がる。これにより、将来的には他の中国企業も同様の技術開発に投資する可能性があり、競争環境がさらに厳しくなると予想される。米国の制裁を回避し、独⾃技術を活⽤して復調していることは、米中対⽴の影響が⻑期化する可能性を⽰唆している。特に日本企業が米国や中国の双方の規制に対応しなければならない状況が続く可能性がある。

2025年1月8

■中国 7 兆円半導体ファンド始動 トランプ次期政権に備え

中国政府が⽴ち上げた 7 兆円規模の国策半導体ファンドが始動した。2024 年末に半導体分野に投資する 2 つの中国政府系ファンドに約 1640 億元(約 3 兆 6000 億円)を投じた。これは、2014 年と 2019 年に設⽴された第 1号・第 2 号ファンドに続く第 3 号ファンドであり、過去最大の規模。このファンドは、国内の半導体製造能⼒の向上や技術⾰新を促進し、米国の技術への依存を減らすことを目的としているが、国内で独自の半導体のサプライチェーン(供給網)の整備を加速し、トランプ次期米政権での対中輸出規制などに備えとみられている。

■中国の⾼速鉄道、営業時速 400 キロへ 「世界で最速」

中国国家統計局が30⽇発表した11月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.3だった。前月より0.2ポイント高く、2カ月連続で好調・不調の境目である50を上回った。

■中国政府、携帯やタブレットに補助⾦ 消費刺激で景気対策

マクロ経済政策を担当する国家発展改⾰委員会の幹部は 3 日の記者会⾒で、携帯電話、タブレット端末、腕時計型端末などの通信機器の買い替え時に補助⾦を出す消費刺激策を発表した。通信機器以外にも、農機具や新エネルギー⾞両(例えば電動バス)への補助⾦拡充が含まれている。
これらの取り組みは、昨年実施された自動⾞や家電の買い替え促進補助⾦に続くものであり、消費者の購買意欲を⾼め、経済成⻑を促進することを目的としている。具体的な補助⾦の⾦額や適⽤条件については、現時点で詳細が公表されていないため、今後の政府からの正式な発表を待つ必要がある。

■中国 Zeekr、海外で急速充電網 米半導体とも連携拡大

中国⾼級電気自動⾞(EV)の Zeekr(ジーカー︓极氪)は 6 日(米国時間)、東南アジアや南米で急速充電の設備を年内に 1000 基整備すると発表した。海外市場での EV 普及を促進するためのインフラ整備の⼀環として位置付けられている。米ラスベガスで開催中のテクノロジー⾒本市「CES」で明らかにしたもの。米ウェイモと共同開発した自動運転⾞向けの EVについて年内に納⾞を始める計画も明らかにした。また、Zeekr は、米国の半導体メーカーであるオンセミ(onsemi)と⻑期供給契約を締結し、シリコンカーバイド(SiC)パワーデバイスの供給を受けることになった。これにより、Zeekr の EVのパワートレイン効率が向上し、性能向上、充電時間の短縮、航続距離の延⻑が期待されている。これらの取り組みを通じて、Zeekr は海外市場での競争⼒を強化し、グローバルな EV 市場での存在感を⾼めることを目指す。

■世界モバイルゲーム売上⾼、トップ 100 に中国 35 社 売上⾼ 2900 億円

米調査会社によると、2024 年 11 月のモバイルゲームパブリッシャー売上⾼ランキング(App Store と Google Play)の上位 100 社の中、中国からは 35 社がランクインし、売上⾼の合計は 18 億 7000 万ドル(約 2900 億円)と全体の 34.8%を占めた。「王者栄耀(Honor of Kings)」や「PUBG MOBILE」の中国版「和平精英」、「アラド戦記モバイル」の中国版「地下城与勇⼠︓起源」などの⼈気を受け、テンセントが⾸位を維持した。網易(ネットイース)は「Identity V (アイデンティティⅤ)」の売上⾼が前月比 91%増と好調で、2 位にランクインした。