今週のトピックス(2024年5月)

2024年5月29

■広島市、中国・重慶市と交流再開 温暖化対策で連携検討

広島市は中国・重慶市との交流を本格的に再開する。新型コロナウイルス禍でここ数年は渡航が難しくなっていたが、学生らの交流を再開する。共通の社会課題である温暖化対策についても連携を検討し、重慶市からのインバウンド(訪日外国人)の誘客もめざす。

■マカオでテック博が開幕 ファーウェイなど 1000 社出展

マカオで 22 日、テック博覧会「BEYOND Expo(ビヨンド・エキスポ)」が開幕した。中国の華為技術(ファーウェイ)や⽶テスラなど内外 1000 社超の企業が出展し、中国の著名な経営者が参加。人工知能(AI)技術や最新のサービス・製品を披露した。

■ファーウェイ、中国で⾃動⾞関連企業と充電インフラの建設を加速

華為技術(ファーウェイ)は先月、スマート電動&スマート充電ネットワーク戦略および新製品の発表会を開催した。目玉となったのは、同社のスマート充電ネットワークとスーパー急速充電ソリューションの製品群、そしてスーパー急速充電連盟発足の発表だ。同発表会には、11 社以上の⾃動⾞関連企業、500 社以上の充電事業者、業界関連協会、政府などが、オフラインおよびオンラインで参加した。

■広東省、外資系企業の投資に奨励⾦⽀給

広東省商務局は 5 月 10 日、「広東省のさらなる外資の投資誘致と積極的利用の特別実施方案」(粤商務規字〔2024〕2 号)を発表した。外資系企業の投資誘致と外資の積極的利用などを促進するため、最⼤ 1 億 5,000 万元(約 33 億円、1 元=約 22 円)の奨励⾦を⽀給するとした。⽀給対象は省内に法人登記した外資系企業で、⾦融業と不動産業を除く。実施期間は 2023 年から 2027 年まで。
広州市、深圳セン市、珠海市、仏山市、東莞市、中山市の 6 都市に設⽴された外資系企業で、年間新規増加実際外資投資⾦額が合計 5,000 万ドルに達した場合、ハイテク製造業の企業に最⼤で新規外資投資額の 3%、その他の製造業・ハイテクサービス業の企業に同 2%、その他の業界の企業に同 1%の奨励⾦を⽀給する。
汕頭市、韶関市、河源市、梅州市、恵州市、汕尾市、江門市、陽江市、湛江市、茂名市、肇慶市、清遠市、潮州市、掲陽市、雲浮市の 15 都市に設⽴された外資系企業で、新規外資投資額が合計 1,000 万ドルに達した場合、上記 6 都市(広州市、深セン市、珠海市、仏山市、東莞市、中山市)に設⽴された外資系企業と同じ⽐率で奨励⾦を⽀給する。

2024年5月22

■深圳市、超急速充電ステーション数がガソリンスタンドを上回る

広東省深圳市の国家発展改革委員会は、同市に設置された新エネルギー⾞(NEV)向けの超急速充電ステーションの数が同月 12 日時点で累計 343 カ所に達し、ガソリンスタンドの数を上回ったと発表した。⾃家用⾞の満充電にかかる時間は、一般的な充電スタンドで通常 7〜8 時間なのに対し、急速充電スタンドは 1〜2 時間で済む。超急速充電スタンドはこれらよりもさらに短縮され、10 分以内に 80%以上の充電が可能となる。
深圳市政府は 2023 年 6 月に NEV 向けの超急速充電インフラ建設計画「超充之城」を打ち出し、現在、超急速充電サービス網は市内全域に広がっており、超急速充電ステーションの多くは従来の公共充電ステーションや、大型商業複合施設、バス停、工業団地などに設置されている。

■4 月の工業生産 6.7%増 3D プリンター設備好調

国家統計局が発表した 4 月の工業⽣産は前年同月を 6.7%上回った。伸び率は 3 月の 4.5%から拡大した。3D プリンター設備や新エネルギー⾞が好調だった。主要産品の⽣産量をみると 3D プリンター設備は 55%増えた。新エネ⾞は39.2%増だった。集積回路も 31.9%と伸びた。

■クルーズ客の査証免除 15 日間以内の団体対象

中国政府は外国⼈の団体旅⾏客がクルーズ船で中国に入国する場合にビザ(査証)を免除すると発表した。同日から適用した。上海や広州、天津など 13 の港での入国時に認める。中国での滞在期間は 15 日以内とする。

■百度、コスト半減の新型⾞導⼊ 自動運転タクシー向け

ネット大⼿の百度(バイドゥ)は、⾃動運転タクシー事業の収益向上を狙って、⾞両調達コストを従来の半分以下に抑えた新しい共同開発⾞を導入すると発表した。まず湖北省武漢市から導入し、2025 年に同市での事業損益の⿊字転換を⾒込む。

■吉利系 EV、ZEEKR が米上場 時価総額 1 兆円

電気⾃動⾞(EV)ブランド「ZEEKR(ジーカー)」は、ニューヨーク株式市場に上場し、株式時価総額は 68 億ドル(約 1 兆 1000 億円)となった。上場に伴って調達した 4 億ドルは、研究開発(R&D)や充電網の拡充などに充てる。

2024年5月15

■中国、フランスなど 12 カ国のビザ免除延⻑ 25 年末まで

外務省は 7 日、フランスやドイツなど 12 カ国に適⽤している中国での短期滞在ビザ(査証)の免除措置を延⻑すると発表した。2024 年 11 ⽉末だった期限を 25 年 12 ⽉末まで延ばす。

■中国最大の貿易商談会、来場が過去最多

中国最大級の貿易商談会「中国輸出入商品交易会(広州交易会)」が 5 日閉幕した。4 ⽉ 15 日の開幕から 5 ⽉4 日までに来場した海外からのバイヤー(仕入れ業者)は 24 万 6 千⼈となり、2023 年秋開催時より 25%増えた。中国メーカーと海外バイヤーが結んだ輸出契約額は 11%増だった。

■4 月の中国輸入 8.4%増、⽣産回復で⾃動⾞部品増加

税関総署が 9 日発表した 4 ⽉の輸入額はドル建てで、前年同⽉を 8.4%上回った。3 カ⽉ぶりに増加に転じた。生産回復に伴い原材料や部品の需要が持ち直し、⾃動⾞部品や鉄鉱⽯の調達が増えた。

■ファーウェイ、「アンドロイド」卒業 ⾃前 OS で IoT 狙う

華為技術(ファーウェイ)は 2024 年内にスマートフォンなど向けの新しい基本ソフト(OS)を投入する。従来は米グーグルの「アンドロイド」をベースにしたが、すべて⾃社で開発したものに切り替える。今年 1 ⽉には⾃社開発の「HarmonyOS NEXT」を発表していた。「本物の OS であり、スキンチェンジした Android ではない」、「フルスタックの⾃社開発テクノロジーで、Linux のコアには依存していない」としている。米政府の規制をかわし、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」の需要を取り込む。

■中国 SMIC、1〜3 月の純利益 69%減 製造コスト上昇

中国の半導体受託生産最大⼿、中芯国際集成電路製造(SMIC)が 9 日発表した 2024 年 1〜3 ⽉期決算は、純利益が前年同期比 69%減の 7179 万ドル(約 110 億円)だった。新⼯場の建設などで生産能⼒が拡大したことで製造コストが上がり、研究開発支出の増加も収益を圧迫した。

2024年5月8

■4 月の製造業 PMI、2 カ月連続で境界線を超える

国家統計局と物流購買連合会が 4 月 30 日に発表した 2024 年 4 月の製造業購買担当者指数(PMI)は 50.4となった。前月よりも 0.4 ポイント低下したものの、2 カ月連続で 50 の境界線を超えた。前月には、6 カ月ぶりに 50 を上回っていた。

■広州の公共交通シーンでデジタル⼈⺠元の応⽤が全⾯的実現

広東省広州市党委員会⾦融委員会弁公室の 25 日の情報によると、同市ではすでに地下鉄、路線バス、路面電⾞、航空機、⽔上バス、乗⾞カードなどの交通シーンで、デジタル⼈⺠元の応用が全面的に実現しており、市⺠の日常生活へのデジタル⼈⺠元の融合に成功し、デジタル⼈⺠元の交通エコシステムを全⽅位的に構築した。

■中国、統計改ざん指示でも地方幹部処罰 法改正へ

中国は地⽅政府による統計改ざんへの取り締まりを強化する。不正をはたらいた担当者だけでなく、改ざんを指示した統計部門の責任者らも処罰する。地⽅では統計不正が絶えず、中国全体の統計に対する不信感が⾼まっている。

■イーロンマスクと李強⾸相が会談、テスラEVの政府機関乗り⼊れ禁⽌を解除

中国政府が、⽶テスラ社製の電気⾃動⾞(EV)を対象にした政府機関や⼀部地域などへの乗り⼊れ禁⽌措置を解除する⾒通しとなった。テスラ⾞については2021年以降、安全保障面の懸念を理由に政府機関などへの乗り⼊れを禁じている。
中国⾃動⾞⼯業協会などが28日、⾃動⾞の⾛⾏データの安全性に関する通達を発表し、テスラの上海⼯場で生産される全モデルは要件を満たしていると認めた。政府は、⾞載カメラで録画された施設などの動画や⾛⾏履歴、所有者の情報などが国外に流出することを懸念していた。テスラが21年に上海市にデータセンターを設置し、⾛⾏データなどを中国国内で処理する対応を取ったことを評価したとみられる。28日には 李強⾸相が、北京を訪問したテスラのイーロン・マスク最⾼経営責任者(CEO)と会談し、「テスラの中国での発展は中⽶の経済協⼒の成功例といえる」と表明した。

■BYD の 1〜3 月、純利益 11%増 EV・PHV 販売好調

中国の⾃動⾞⼤⼿、⽐亜迪(BYD)が 29 日発表した 2024 年 1〜3 月期決算は、純利益が前年同期⽐ 11%増の 45 億元(約 970 億円)だった。1〜3 月期の増益は 4 期連続。広告費などが膨らんでコストは増加したものの、電気⾃動⾞(EV)やプラグインハイブリッド⾞(PHV)の販売が好調だったことで増益を確保した。

2024年5月1

■第 135 回広州交易会が開催、外国バイヤーでにぎわう

商務部と広東省政府などが共催の中国最大級の貿易⾒本市「中国進出⼝商品交易会(広州交易会)」が 4 月 15日に広東省広州市で開幕した。展示内容によって 3 期に分けて開催されており、1 期の展示内容は電⼦、家電、⼯業、照明などの製造関係、2 期は陶磁器、ギフト、家具などの家庭用品、3 期は玩具、アパレル、ペット用品などが中心となる。

■「北京モーターショー」開幕、トヨタなど 700 社以上が展示

世界最大級の⾃動⾞⾒本市、「第 18 回北京国際汽⾞展覧会(北京モーターショー2024)」が 25 日に開幕し、内外の⾃動⾞メーカーが最新の製品や技術を披露した。出展企業 700 社を超える。“新時代 新汽⾞”をテーマに選定し、さらに多くの企業が新エネルギー⾃動⾞(NEV)製品を持ち込んだ。⾃動⾞世界最大⼿のトヨタは、純電気⾃動⾞(BEV)の「bZ3C」(⼀汽トヨタ)と「bZ3X」(広汽トヨタ)を世界初披露している。

■香港取引所、1〜3 ⽉の純利益 13%減 株取引や IPO 低調

香港取引所が 24 日に発表した 2024 年 1〜3 月期決算は、純利益が 29 億 7000 万香港ドル(約 590 億円)と前年同期に⽐べ 13%減った。株式市場や新規株式公開(IPO)の低迷が響いた。

■データセンターなどの外資出資⽐率の規制緩和を一部地域で試⾏

⼯業情報化部は 4 月 10 日、「付加価値電信業務の対外開放拡大の試⾏事業の実施に関する布告(⼯信部通信函〔2024〕107 号)」を発表した。同布告は、高⽔準な対外開放を実践し、経済貿易の国際標準との接続を率先して⾏い、外資系企業のビジネス環境を最適化するため、⼀部地域で付加価値電信業務の開放を拡大するとしている。「外商投資参入特別管理措置(ネガティブリスト)(2021 年版)」では、付加価値電信業務は外資の割合が 50%を超えてはならない(電⼦商取引、国内マルチ通信、データ保存転送、コールセンターを除く)とされていた。
今回の布告では、対象地域として、(1)北京市サービス業開放拡大総合モデル区、(2)上海⾃由貿易試験区の臨港新区と社会主義現代化建設リード区、(3)海南⾃由貿易港、(4)深センの中国の特⾊ある社会主義先⾏モデル区の 4 カ所を挙げている。
布告によると、上記の対象地域では、(1)インターネットデータセンター(IDC)、(2)コンテンツ配信ネットワーク(CDN)、(3)インターネットサービスプロバイダー(ISP)、(4)オンラインのデータ処理・取引処理、(5)情報サービスの情報配信プラットフォームや、配信サービス(インターネットニュース情報、インターネット経由による出版、インターネット経由での視聴、インターネットコンテンツ経営を除く)、(6)情報保護、処理サービスの各業務で外資による出資⽐率制限が撤廃される。

■中国の奇瑞汽⾞、バルセロナで EV を共同生産へ

中国⾃動⾞大⼿の奇瑞汽⾞は 4 月 19 日、スペインの新興電気⾃動⾞(EV)メーカー・EV モーターズと、欧州市場向けの EV 共同生産の合弁契約に調印した。バルセロナにある日産⼯場跡地を活用し、奇瑞のコンパクト SUV(スポーツ用多目的⾞)「オモダ 5」と EV モーターズの電動ピックアップトラック「エブロ」の生産を⾏う。

■ファーウェイ、SUV 一部値下げ 競争激化で機能も向上

華為技術(ファーウェイ)は 23 日、中堅⾃動⾞会社の賽⼒斯集団(セレス・グループ)と共同運営する新エネルギー⾞のブランドで、⼀部⾞種を実質値下げすると表明した。値下げ幅は 2 万〜3 万元(43 万〜64 万円)。米テスラなどの値下げに対応する。