今週のトピックス(2023年6月)

2023年6月28日

■中国人⺠銀行、10 カ月ぶりにローンプライムレートを引き下げ

中国人⺠銀行(中央銀行)は 6 月 20 日、最優遇貸出金利の指標であるローンプライムレート(以下、LPR)の期間 5 年以上を 4.30%から 4.20%に、期間 1 年を 3.65%から 3.55%に、それぞれ 0.10 ポイント引き下げると発表した。前回の LPR 引き下げは 2022 年 8 月 22 日で、10 カ月ぶりの引き下げとなる。

■カタール、中国石油大手に LNG 供給 権益も一部譲渡

カタール国営エネルギー会社のカタールエナジーは 20 日、中国石油天然気集団(CNPC)に液化天然ガス(LNG)を供給する⻑期契約を結んだと発表した。年間 400 万トンの LNG を 27 年間にわたり CNPC に供給する。開発中のガス田の権益の一部も同社に譲渡する。

■エネルギー大手の広州発展集団など6 社、広州市にエネルギー貯蔵企業設立で合意

中国広東省広州市に本社を置く国有企業の広州発展集団広州産業投資集団、広州工業投資集団、広州地下鉄設計研究院、広州鵬揮エネルギー科技、広州智光電気の 6 社は 6 月 16 日、広州市南沙区でエネルギー貯蔵に向けた合弁会社「暫定名︓広州儲能集団」を設立することで合意したと発表。

■⻄安地下鉄で全自動無人運転のテスト開始へ 中国⻄北地区初

⻄咸新区軌道交通投資建設有限公司が 20 日に明らかにしたところによると、同省の⻄安市と咸陽市を走る⻄安地下鉄 16 号線の第一期工事がこのほど、専門家チームによる安全検査に合格し、まもなくテスト営業運転を開始する見込みだ。中国⻄北地区で全自動無人運転を実現するのは同線が初となる。

■現代自動車、中国2 工場を売却へ 販売台数は6 年で 77%減

韓国の現代自動車は 20 日、中国の 2 工場を売却すると発表した。中国国有自動車大手、北京汽車集団との合弁会社「北京現代」の稼働工場を 2 カ所に縮小する。中国市場の販売不振で構造改革を求められていた。現代自の中国販売は 2022 年に 26 万台だった。16 年は 113 万台を販売しており、6 年間で 77%減少した。

■ドイツの ZF、瀋陽市で新エネ車向け電気駆動製品の生産工場を新設

ドイツの自動車部品大手 ZF フリードリヒスハーフェンは 6 月 13 日、中国遼寧省瀋陽市に新エネルギー車向け電気駆動製品のアセンブリー工場を新設すると発表した。この新工場は 2025 年 3 月に稼働予定で、ZF が 2021 年以降に中国で開設する電気駆動製品の工場としては 3 拠点目だ。総投資額は 10 億元(約 200 億円)を超え、敷地面積は約 8 万 3,000 平方メートル、約 900 人の雇用が見込まれている。

2023年6月21日

■中国にビザなし再開要望 日系企業「開放拡大を」

中国に進出している日系企業などでつくる中国日本商会は 14 日、中国政府へのビジネス環境の改善を求める 2023年版の意⾒書を発表した。新型コロナウイルスの影響で⼈の往来が依然として制限されており感染拡大以前のビザ(査証)なしの渡航再開を要望した。

■中国 5 月⼯業⽣産 3.5%増 耐久財など低調、伸び鈍化

中国国家統計局が 6 月 15 日発表した 2023 年 5 月の主な経済統計によると、工業生産は前年同月⽐ 3.5%増えた。増加率は 4 月の 5.6%から鈍化した。需要不⾜で受注が伸び悩むなか、上海のロックダウン(都市封鎖)で混乱した昨年からの反動が弱まったためだ。

■中国 EV の NIO、新⾞ 60 万円値下げ、販売テコ入れ

中国新興電気⾃動⾞(EV)企業の上海蔚来汽⾞(NIO)は 12 日、新⾞の価格を 3 万元(約 60 万円)値下げすると発表した。中国は世界最大の EV 市場だが、年明け以降に新⾞の値下げや値引きが広がるなど競争が激しくなっており、値下げで販売をテコ入れする狙いがあるとみられる。

■三安光電と ST マイクロエレクトロニクス、重慶に SiC ⼯場設⽴で合意

中国福建省アモイ市に本社を置く半導体企業の三安光電と、スイスの半導体大手 ST マイクロエレクトロニクス(ST)は、重慶市でシリコンカーバイド(SiC)半導体(注)の量産に向けた合弁工場を設⽴することで合意したと発表した。同時に、三安光電は同合弁工場の生産ニーズを満たすため、同市で 8 インチ SiC 基板の製造工場を新設することも併せて発表した。

■ドイツのシーメンスヘルスケア、上海市でアジア太平洋地区初の診断薬⽣産拠点を稼働

ドイツの医療機器メーカー、シーメンスヘルスケアは 6 月 5 日、上海市浦東新区にある診断用医薬品の生産・開発拠点を本格稼働させた。延べ床面積は 3 万 5,000 平⽅メートルで、総投資額は約 30 億元(約 600 億円、1 元=約20 円)に上る。同社にとっては、アジア太平洋地域で初の診断薬生産拠点という。

2023年6月14日

■中国の AI 基盤モデル数は米国に次ぐ世界 2 位、北京市が 38 個で最多

中国科学技術部の次世代人工知能(AI)発展研究センターは、北京市で開催された中関村フォーラム・AI 基盤モデル発展フォーラムで、「中国の AI 基盤モデルの現状に関するレポート」を発表した。レポートでは、中国が開発した基盤モデル数が米国に次いで世界 2 位となったことを明らかにした。

■広東省、5 月の過去最高気温を記録、華南 5 省の電力負荷や使用量は大幅増の見通し

中国の広東省気象局は、5 月 29 日から同省の広い範囲で高温が続いていることを受け、翌 30 日午後 5 時に高温注意報を発表した。同局によると、30 日には同省にある半数以上の気象観測所が 5 月の過去最高気温を記録し、10 の区・県が赤色(最高気温が 40 度以上)の高温注意報、77 の区・県がオレンジ色(最高気温が 37 度以上)の高温注意報を発表した。

■中国、2022 年の鉄道貨物輸送量は前年比 4.4%増に

中国国家鉄路局が発表した「2022 年鉄道統計公報」(以下、公報)によると、2022 年における全国鉄道貨物輸送量は前年比 4.4%増の 49 億 8,424 万トンとなった。鉄道貨物輸送量は 2017 年から 6 年連続で増加した。一方、公報によると、2022 年の全国鉄道旅客輸送量は前年比 35.9%減(9 億 3,875 万人減)の 16 億 7,296万人となった。

■中国、5 月輸出 3 カ月ぶり減 外需失速で景気回復の逆風に

中国税関総署が 7 日発表した 5 月の貿易統計によると、ドル建ての輸出は前年同月を 7.5%下回った。3 カ月ぶりの減少で、世界経済の減速懸念をうけ、米欧や東南アジア諸国連合(ASEAN)など主要国・地域向けが軒並み減った。外需の失速が⾧引けば、国内の雇用改善など景気回復の逆風になりかねない。

■フランスの自動車部品大手ヴァレオ、深セン市にスマート製造センターを開設

フランスに本拠を置く自動車部品メーカーのヴァレオは、深セン市にスマート製造センターを開設したと発表した。同製造センターは、主に遠隔通信モジュール、5G(第 5 世代移動通信システム)モジュールなどのコア製品を生産する。同社は、新たなスマート製造センターの開設により、事業規模のさらなる拡大とともに、スマートドライブ分野での競争力の強化を目指す。

■現代自動車、広州市に海外初の水素燃料電池工場を完工

韓国の現代自動車グループは、海外初の水素燃料電池システムの研究開発・生産・販売拠点「HTWO 広州」を完工したと発表、6 月中に量産と販売を開始する予定。同拠点は年間 6,500 基の水素燃料電池システムの生産能力を有する。今後、中国市場の需要や政策に応じて生産や供給能力を順次拡大するとしている。

2023年6月7

■深圳空港の国際旅客定期便の運航が続々と再開

深圳宝安国際空港で最近、国際線の運航再開が相次いでいる。今年、ロンドンやパリと結ぶ国際旅客定期便の運航が再開したのに続き、今月 28 日にはローマと結ぶ国際旅客定期便の運航も再開した。6 月末までには、国際(地域)旅客定期便が 25 路線まで回復し、同空港では 1 週間に約 450 便が離着陸するようになる計画だ。

■中国製造業景況感、5 月も 50 割れ受注回復遅れ

中国国家統計局が 31 日発表した 2023 年 5 月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は前月より 0.4 ポイント低い 48.8 だった。2 カ月連続で好調・不調の境目である 50 を下回った。国内外の需要を映す新規受注が増えず、⽣産も伸び悩んだ。景気の回復⼒の弱さが目⽴ってきている。

■1〜4 月の⾃動⾞輸出台数、前年同期⽐ 89.2%増

中国自動⾞⼯業協会(CAAM)は 5 月 11 日、中国の自動⾞輸出に関するデータを公表した。4 月の自動⾞輸出台数は前年同月⽐ 2.7 倍の 37 万 6,000 台となり、2023 年 1〜4 月累計では前年同期⽐ 89.2%増の 137 万台だった。このうち、新エネルギー⾞は 4 月単月で前年同月⽐ 9.4 倍の 10 万台、1〜4 月累計では前年期⽐ 2.7 倍の 34 万 8,000 台となった。

■ドイツの EUV 関連企業トルンプが深セン市に新拠点を設⽴

レーザー加⼯機などを扱うトルンプは 5 月 24 日、中国・広東省深セン市の新たな拠点の業務を開始した。同拠点は、主に欧州企業を対象とする産業園区である「中徳(欧)産業モデル園」に位置する。新たな深セン拠点は世界で 9 番目、中国で 2 番目のレーザー技術の応⽤研究開発拠点とし、深圳ン市のイノベーションの⼒を活⽤しさらなる発展を目指すとしている。

■瀋陽華晨 BMW、EV 次世代モデルを 2026 年から⽣産

ドイツ自動⾞大手 BMW と中国の華晨汽⾞集団との合弁企業、華晨宝⾺汽⾞は 5 月 18 日の設⽴ 20 周年の記念式典で、電気自動⾞(EV)の次世代モデルの⽣産を 2026 年から開始する⽅針を発表した。これに伴い、次世代モデル向けに第 6 世代⾼電圧バッテリーセルの現地⽣産も⾏うことも明らかにした。