今週のトピックス(2022年3月)

2022年3月29

■上海市、コロナ拡大で東部封鎖 交通機関停止・外出禁止

中国の上海市は 28 ⽇、⾦融機関などが集積する東部を対象に事実上のロックダウン(都市封鎖)を始めた。対象地域でバスやタクシーなど公共交通機関の運⾏を停⽌し、市⺠の外出を原則禁じた。新型コロナウイルスの感染収束を目指す措置だが、企業活動への影響は避けられない⾒通しだ。中国メディアは 28 ⽇、米テスラの操業一時停⽌を報じた。

■中国機墜落、乗客乗員 132 人全員の死亡確認

中国南部の広⻄チワン族⾃治区で 21 ⽇に中国東方航空機が墜落した事故の対策本部は 26 ⽇夜、乗客乗員 132⼈全員の死亡を確認したと発表した。中国本土で起きた航空事故としては 3 番目に多い死亡者数となった。

■中国の感染 5600 人に 20 年 4 ⽉以降最多、工場停止も

中国で新型コロナウイルスの感染が急増している。国家衛生健康委員会は 26 ⽇、香港・マカオを除く中国本土の市中感染者数(無症状含む)が 25 ⽇に合計 5600 ⼈だったと発表した。⽐較できる 2020 年 4 月以降で、1 ⽇の感染者数として過去最多である。トヨタ⾃動⾞などで操業停⽌が続き、経済に打撃が広がっている。

■USTR 発表「中国からの輸入 352 商品の関税を改めて免除

米通商代表部(USTR)は現地時間の 23 ⽇にコメントを発表し、中国からの輸入製品 352 品目に対する関税を免除することを明らかにした。この規定は 2021 年 10 月 12 ⽇から 2022 年 12 月 31 ⽇までの間に中国から輸入された製品に対して適用される。USTR は昨年 10 月、「中国からの輸入製品 549 品目に対する関税免除を検討しており、広く一般の意⾒を募集する」と発表した。それから半年近くがたち、USTR は 23 ⽇に声明を発表して、関税の免除が検討されていた 549 品目のうち 352 品目について確認を⾏ったことを明らかにした。

2022年3月23

■中国・深圳、21 日から企業活動通常に

中国有数の経済都市、広東省深圳市は 20 日、市内企業の操業体制を 21 日から通常に戻すと発表した。新型コロナの感染者が急増した同市は 14 日から企業に在宅勤務や感染対策の徹底を求めていた。

■中国財政赤字、コロナ前水準に抑制へ 22 年 GDP 比率 2.8%

中国政府は、2022 年の財政赤字を新型コロナウイルス前の⽔準に抑える。国内総生産(GDP)に対する比率を 19 年に並ぶ 2.8%程度に下げる。財政の健全化をアピールするが、赤字削減は中国人⺠銀行(中央銀行)の利益上納金など一時的な要因もある。高齢化で膨らむ社会保障費など歳出の抑制などが課題。

■テスラ上海工場 2 日間停⽌、コロナ影響か

米テスラが中国の上海市で運営する電気自動車(EV)の工場の操業を 16 日から停止したことが分かった。ロイター通信などが同日報じた。停止期間は 17 日までの 2 日間という。中国で新型コロナウイルスの感染が拡大し、上海でも感染者が増えていることに対応する措置とみられる。

2022年3月16日

■2 月の中国卸売物価、前月比 0.5%上昇 資源高が影響

中国の卸売物価指数(PPI)の上昇率が再び拡大の兆しを見せている。国家統計局が 9 日発表した 2 ⽉の前⽉比伸び率は 0.5%で、4 カ⽉ぶりにプラスとなった。緊迫するウクライナ情勢などを背景に原油価格が上がり、石油の採掘や精製が物価を押し上げた。資源⾼は 3 ⽉以降も続く可能性が⾼く、中国企業の利益を圧迫しかねない。

■中国 ZTE、前期純利益 6 割増 「5G」関連やスマホ好調

中国通信機器大手の中興通訊(ZTE)が 8 日夜発表した 2021 年 12 ⽉期決算は、純利益が前の期比59.9%増の 68 億元(約 1200 億円)だった。主⼒の通信会社向けが堅調で、スマートフォンなど消費者向けも大きく伸びた。主要事業の粗利益率も改善し、純利益と売上⾼がともに過去最⾼となった。

■中国のスマート巡回検査ロボットに大きな将来性、市場需要は 1000 億元に

広⻄柳州市柳鋼集団の冷間圧延⼯場の電⼒供給制御室内で、ロボットアームをくねらせ、温度測定やデータ収集の機能を併せ持つ先端部のカメラを使って、制御室内の設備のデータを逐一確認していたスマート巡回検査ロボットが初めて投入された。統計によると、2018 年から 2020 年までの中国における巡回検査ロボット市場の総需要は約 477 億元(1 元は約 18.4 円)、年平均需要は約 159 億元で、スマート巡回検査の市場需要は将来 1000 億元に達する見込みである。

■福建省に初の「中欧班列」輸入品保税店オープン

福建省初の「中欧班列」輸入品保税店が福州駅に正式にオープンした。フランスやドイツ、イタリアなどの国の、コスメ、ベビー用品、キャンディー、酒など 200 種以上を販売する。中国の国際定期貨物列車「中欧班列」の累計運行本数は今年の年初、5 万本を突破し、欧州の 23 ヶ国の 180 都市以上とつながり、ユーラシア商品交流の重要なルートになっている。

2022年3月9日

■武漢市でコロナ感染者確認、市内各地で封鎖措置

湖北省武漢市内では 2 月 21 日に、2021 年 8 月来約半年ぶりに確認された新型コロナウイルス感染者 4 例を皮切りとして、感染が相次いでいる。2 月 21 日から 28 日午前 0 時までに、湖北省の新規感染者数は合計 32 例(うち 6 例が無症状)となった。
武漢市内では 2 月 28 日時点で、武漢市内の 7 つの小区が封鎖されたほか、武漢市内の 70カ所以上で小区の一部(ビル数棟、ビルの 1 フロアなど)が封鎖されている。現在も感染者あるいは濃厚接触者の追跡が続いており、感染者もしくは濃厚接触者の移動記録がみつかった各所では、ビル 1 棟もしくはフロア規模での封鎖、あるいは小区規模の⾃主的出入り停止措置などが行われている。
それぞれの社区により対応は異なるが、封鎖域内の全員に対し PCR 検査(回数は社区や小区により異なる)が行われ、陰性が確認されるまで出入禁止とする措置などが継続中である(2 月 28 日正午時点)。

■上海浦東空港職員 無症状感染を確認

上海市浦東新区で 2 月 26 日(土)、新型コロナウイルス感染症無症状感染者が1⼈確認された。
新たに確認された患者は 53 才の女性で症状は無く、浦東国際空港の入境旅客乗り継ぎエリアに勤務していた。これまでに確認された上海市内の濃厚接触者 45 ⼈はいずれも集中隔離観察の対象となり、この患者の訪問先では消毒作業が行われている。今回感染が確認された女性が浦東空港内で勤務していたのは、閉鎖管理区内。作業員の居住地も集中しており、「両集中」と呼ばれる勤務形態だった。外部との接触はなく、2 日に1回 PCR 検査を行っていたという。

■今年 1-2 月の中国の輸出入総額は前年比 13.3%増

今年 1-2 月には、中国の輸出入総額が前年同期比 13.3%増の 6 兆 2 千億元(1 元は約 18.2 円)に達した。うち輸出は同 13.6%増の 3 兆 4700 億元、輸入は同 12.9%増の 2 兆 7300 億元、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は 7388 億元の⿊字で、⿊字額は同 16.3%増となった。
米ドルに換算すると、同期の輸出入総額は同 15.9%増の 9734 億 5 千万ドル(1 ドルは約 115.0 円)、輸出は同 16.3%増の 5447 億ドル、輸入は同 15.5%増の 4287 億 5 千万ドル、貿易収支は 1159 億 5 千万ドルの⿊字で同 19.5%増となった。

■商務部が中国-ASEAN 自由貿易区 3.0 交渉の早期スタートを検討へ

中国商務部の盛秋平部⻑補佐は 1 日に行われた記者会見で、「中国はこれから ASEAN と貿易投資協力を深化させ、できるだけ早く中国-ASEAN ⾃由貿易区の 3.0 バージョンの交渉をスタートしたいと考えている」と述べた。
今後は ASEAN からの農産物をはじめとする特色ある高品質の商品の輸入を拡⼤し、今後 5 年で ASEANから 1500 億ドル分の農産物を輸入する取り組みの実施を積極的に推進する。投資協力の面では、新型コロナウイルス感染症対策、デジタル経済、グリーン・低炭素など新分野での協力の拡⼤に重点を置き、成熟した協力モデルの再現普及を行い、経済貿易イノベーション発展モデルパークを共同で建設することを目指す。

■中国、2021 年産業用ロボット企業の登録数が 72.97%増

現在、中国の産業用ロボット関連企業は 11 万 4 千社を超えている。そのうち 2021 年に新規登録された企業は前年比 72.97%増の 4 万 6 千社に達した。企業の地域分布を見ると、江蘇省、広東省、山東省の 3地域が最も多く、それぞれ 2 万 4 千社以上、1 万 9 千社以上、1 万 2 千社以上となっている。

2022年3月2日

■昨年の中国製太陽光発電製品の輸出額、前年比 43.9%増

中国太陽光発電産業協会がこのほど明らかにしたところによると、2021 年に中国の太陽光発電産業は安定成⻑を達成し、ポリシリコンの生産量は 50 万 5 千トン、シリコンチップは 227 ギガワット(GW)、ソーラーパネルは 198GW、太陽光発電ユニットは 182GW に達し、この 4 段階製品の生産高は 7500 億元(1 元は 18.1 円)を突破した。21 年の中国太陽光発電の新たに増加した設備容量は 54.88GW で、そのうち分散型太陽光発電設備が 29.28GW 増加し、太陽光発電の歴史で初めて 50%の割合を突破した。

■第 5 回輸入博の誘致活動が順調に推移

第 5 回中国国際輸入博覧会(輸入博)の食品エリア乳製品専門エリア需給マッチング会が 2 月 22 日に上海で行われ、企業誘致活動が順調で各国企業から出展の申し込みが続々と寄せられている。マッチング会には、フォンテラ、ザ・ランド、雅仕利、大洋洲乳業、ポーランド投資・貿易庁など 25 の乳製品関連の出展企業、出展準備機関、および京東、光明、聯華、易初蓮花、東方航空の飲食部門など 100 に近い流通企業、メーカー、プラットフォーム、越境 EC などのバイヤーが参加して商談とマッチングを行った。

■RCEP で福建の対日輸出が進展

今年 1 月 1 日に発効した地域的な包括的経済連携(RCEP)協定により、発効した一ヶ月以内に、対日輸出貨物に対して発行した RCEP 関連の原産地証明書は計 296 件、対象の輸出貨物は 1 億 600 万元相当となり、同税関が発行した RCEP 関連の原産地証明書件数の 96%、対象輸出貨物の金額の 97%を占めた。主な輸出製品は冷凍シーフード及びその加工品を中心とした農産物、靴類製品、化学品となっている。