RCEP 協定に伴う関税の削減を確認する方法(その 2)

当社は日本から小型ポンプを中国に輸出していますが、上海の取引先中国企業から、RCEP で製品の関税が下がるので、RCEP「特定原産地証明書」をもらうよう依頼がありました。本当に RCEP 協定で関税が下がるのか、どのように確認すればよいのか教えてください。

 前回は RCEP の特恵原産地証明書取得(https://www.jcci.or.jp/gensanchi/rcep.html)について説明し、その中の「ステップ 1 輸出産品の HS コードを確認する」を解説しました。今回は「ステップ 2 EPA 税率の有無や税率を確認する」を解説します。
 『世界各国の関税率」(「World Tariff」)で、HS コードごとに EPA 税率の有無や税率を確認する方法をみていきます。まず「World Tariff」(https://www.jetro.go.jp/theme/export/tariff/)にアクセスしてください。WorldTariff のウェブサイトは、ユーザー登録が必要となっており、メールアドレスとパスワードを設定します。リンクのある「検索画面」をクリックし、WorldTariff オンラインデータベース(FedEx)へ移動し、「検索オプション」で、「HS コード検索」、テキスト検索(キーワードを使って製品を検索)のいずれかを選択します。
 今回は、小型ポンプ(84135020)を検索してみます。 右記の「HS コード検索」で、WEB の翻訳機能を使って、日本語に変換します(英語が苦手な場合)。仕向け国/輸出先で「ChinaPRC(中国)」を選択し、HS コードの(84135020)を⼊⼒して送信(Submit)をクリックします。検索結果が出てくるので、この中で当てはまる「その他(非農業用)」をクリックします。

 すると、以下のような原産国の関税が出てきます。ご覧のように関税率は 10%から 7.3%に削減され、右側の料⾦の説明には、RCEP(日本向け RCEP)となっています。

 さらに、7.3%の横にある小さな数字の(78)というリンクをクリックすると、以下の画面が出てきます。エンドノートとは、原文は「EndNote」で、注釈の意味です。
 RCEP 協定が発効した 2022 年に基準税率の 10%から9.1%、翌年 8.2%、2024 年の今年が 7.3%と段階的に関税が削減されていく様子がわかると思います。そして 10 年後の 2032 年には、小型ポンプ(84135020)の関税が撤廃となります。


 このように様々な製品や食品で関税の削減・撤廃が設定されているので、皆さんの取り扱っている商材も調べてみるとよいでしょう。例えば、関税が高額な清酒(日本酒)は基準税率 40%ですが、今年は 34.3%と削減されており、 21 年目には撤廃されます。それを⾒越して清酒を取り扱う業者も増えているのです。
 

以上