資本⾦の出資⾦払込み期限に関する新規定

いま、上海で販売子会社を設⽴中ですが、資本⾦の出資⾦払込みの期限について、中国で新しい規定が出たと聞きました。詳細を教えてください。

 「ChinaWork Weekly Topics」2023 年 12 月 20 日号で、「資本⾦の払い込み期限に関する規制…等」に関する Q&A で、資本⾦は経営期間内に支払えば問題がないと解説しました。ところが、その直後の 2023 年 12 月 29 日に≪中国改正会社法≫が第 14 期全人代常務委員会第 7 回会議において可決され、5 年以内が出資⾦払込みの期限となり、2024 年 7 月 1 日から施⾏されることになりました。会社は、出資⾦を未払わない株主の権利を喪失させることができ、董事会(董事)は、株主に対する出資⾦払込みの催告義務と催告義務を怠った場合の賠償責任を負うものと規定されました。
 中華人⺠共和国公司法(http://www.npc.gov.cn/c2/c30834/202312/t20231229_433999.html

 12 月 20 日号で説明した通り、2017 年 3 月1日の会社法・三資企業法(独資企業法・中外合資企業法・中外合作企業法)の改正で、資本⾦の払い込み期限、最低資本⾦、現⾦出資⽐率に関する規制が撤廃されました。改正前は、会社法には2年以内の払い込み、独資企業法では 3 年以内の払い込みが義務付けられていました。これら制限は撤廃され、資本⾦に対する要求は許諾制となり、定款には資本⾦の払い込みスケジュールを記載すればよくなりました。新子会社の営業期間が 30 年である場合、資本⾦はその営業期間に支払うことを約束し、その上で定款に記載した期間内に、資⾦需要に合わせて、出資者が任意の⾦額を払い込むことができました。

 新会社法における最も⼤きな変更点は、当初の資本⾦承認制度の改善であり、資本⾦は会社設⽴日から 5 年以内に全額払い込まなければならないと規定されています。また、新会社法施⾏前に登記・設⽴された会社については出資期間が新会社法に規定された期間を超える場合、規定された期間内に段階的に調整するとなっています。

 上海の市場監督管理局(元⼯商局)に確認したところ、新会社法は 2024 年 7 月 1 日に正式に実施される前に新会社が設⽴された時、依然として現在の規定に従って実⾏される。つまり、資本⾦の納付期限は会社の経営期限内とするとしています。
 新会社法が施⾏された後、通常は新法施⾏前に成⽴した企業に対して、徐々に移⾏期で調整するとしていますが、資本⾦の納付期間に調整が必要なのか、またはどのように調整されるのか、具体的には政府当局である市場監督管理局のスタッフにも分からない状況です。今後の国が交付する補充規定を⾒て判断していくことになります。

 

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