中国における EC サイトの旗艦店(フラッグシップ・ショップ)

 中国の EC サイトで、旗艦店(フラッグシップ・ショップ)とよく聞きますが、何か特別な権利を持って運営しているのでしょうか?

ここでは、代表的なアリババが運営する「天猫(T-mall)」の旗艦店について説明します。そもそも旗艦店とは、海軍などの艦隊において、指揮官や幕僚が乗船する船に司令旗を掲げた船を旗艦と名付けたことに由来していますが、多店舗展開している流通小売業が流通小売市場で使いだしたのが始まりのようです。中核となるべき大型店舗のことを、旗艦店、フラッグシップ・ショップ、またはフラッグシップ・ストアと呼び出したわけです。それが、EC サイトにも広がって、最近は日本でも使われ、旗艦店は一般店と違い、コンセプトや自社ブランドの訴求に重点が置かれる重要な拠点という意味もあります。
天猫(T-mall)には三種類の店舗があり、旗艦店、専売店、専営店と呼ばれていますが、これらの違いは以下の通りです。

1.経営主体
●旗艦店:自社ブランドで出店しており、開設された店舗は同ブランドの「公式(官方)旗艦店」と呼ばれる。天猫(Tmall)店舗の企業法定代表者を申請しなければならない。
●専売店(専門店):正規のブランド授権書を持ち、同ブランドの店舗を開設し、「ブランド専売店」と呼ばれる。
●専営店:同じレベルのカテゴリーの下で複数(少なくとも 2 つ)のブランドを経営している中国で登記された法人。

2.経営範囲

●旗艦店:自社ブランドの商品のみを販売し、同じブランド、同レベルのすべての商品を販売できる。
●専売店:加盟店としてブランド(商標権)を所有する企業からライセンスを授権し、そのブランドの同レベルのすべての商品を販売できる。
●専営店:ある業種の自社ブランドと様々な他社ブランドをブランドを扱うことができる。

3.ブランド資格(資質)
●旗艦店:「商標+旗艦店」を名乗れる。国家商標総局が発行した商標登録証または商標受理通知書、すなわち商標登録されていなければならない。ただし、ブランドを授権すれば、代理店でも旗艦店を運営できる。
●専売店:「商標+企業名称+専売店」を名乗れる。ブランド所有者が発行した商標登録証の授権書とブランド所持者が発行した正規申請書が必要である。
●専営店:「公司名称+専営店」と名乗れる。自社ブランド及び他社ブランドの申請書、ブランド所持者の登録証明が必要である。

※参考サイト
天猫旗舰店、专卖店、专营店区别是什么,谁更好?(小白篇、大佬绕道)…他
https://zhuanlan.zhihu.com/p/456446756