【現地レポート】上海にオープンした「蔦屋書店と niko and …」について

上海市内に日本企業が手掛ける「蔦屋書店」と「Niko and…」がオープンしたとのニュースを見ました。現地の実際の様子などを詳しく教えて下さい。

2020 年 12 月、上海では立て続けに日本企業が手掛ける店舗がオープンしました。一つは、株式会社蔦屋書店が運営する「蔦屋書店」。もう一つは株式会社アダストリアが手掛けるファッションブランドの「Niko and…」です。コロナ禍でのオープンであるため、果たして店内にはお客がいるのか一番気になるところですが、それを確かめるために先日この2店舗を見学してきました。

<蔦屋書店について>

2020 年 10 月、杭州市に蔦屋書店中国 1 号店がオープンし、それから 2 カ月後の 12 月に中国 2 号店が上海市内にオープンしました。杭州店、上海店ともに現地中国企業とフランチャイズ契約を結んでの出店となっています。現在、上海店では来店者に居心地の良い店内を体験してもらうため人数制限をかけています。そのため、入店するためにはスマートフォンを通じて事前予約をしなければいけません。

上海店は2階建てとなっており、1階にはカフェが併設されています。店内は中国語の書籍のほか、日本の女性誌や日本語の書籍も販売されていました。2階は、日本の雑貨や書籍、写真集が多数販売されており、特に湯のみや小物入れなどは、日本の著名な職人が制作したものが数多く販売されていました。これら職人が制作した商品は、どれも目を疑う様な金額で販売されています。なかには、24 万元(約 40 万円)もする日本の有名デザイナーのグッズも販売されていました。

店内をじっくりと見て回って感じたのが、店内のデザインや雰囲気、そして販売されている商品が独特な高級感を作り上げており、書店というよりは、どこか美術館の中にいるような感覚でした。

<niko and …2 号店について>

株式会社アダストリアの基幹ブランドである「niko and …(ニコアンド)」の中国・上海 2 号店となる「niko and … 南京⻄路 in point 店」が 2020 年 12 月にオープンしました。オープン初日には約 11,000人が来店し、その人気ぶりが現地ニュースでも大きく取り上げられました。

上海 2 号店の売場面積は約 1,500 ㎡です。店内は 2 階建てで、1 階はカフェやメンズ商品、キャンプ用具などが販売されており、2 階はウィメンズ商品やテーブル、雑貨などが販売されています。

私は週末に訪れたのですが、店内は若い女性やカップルで賑わっており、レジの会計待ちに行列が出来ていました。1 階のカフェでは、パンやコーヒー、お酒などが販売されており、若い人を始めご年配の方達もコーヒーを飲みながら談笑している様子が見受けられました。

niko and …1 号店は 2019 年 12 月に上海でも屈指の好立地である淮海路エリアにオープンしました。それから約 1 年後、上海を代表する商圏の一つ南京⻄路に 2 号店をオープンしていることから、同社の上海でのビジネスが上手くいっている様子が伝わってきます。

蔦屋書店、niko and …ともに単なる偶然なのか、同時期にオープンしています。そして、店内はコロナ禍であるにもかかわらず、多くのお客で賑わっていました。感染対策に関しては、「蔦屋書店」と「Nikoand…」ともに店内ではマスクを着用しなければいけませんが、それ以外は特に目立った感染対策は見受けられませんでした。それだけ上海市の感染状況が落ち着いているという事が分かります。

以上