拡大する中国の中古⾞市場について(1)
- 中国の中古⾞の輸出事業に関して教えてください。中国は巨⼤な⾃動⾞産業ですが、中古⾞市場も今後拡⼤していくと思います。そこで、中古⾞を中国に輸出販売するにあたって、現地の中古⾞市場の状況(⽇本からの輸出先として有望な市場なのかどうか)はどうでしょうか。また、どんな中古⾞が⼈気で、どんな輸入業者がいるのか、中古⾞の輸入規制はどうなのかもご教示ください。
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中国では、商務部が公布した「⾃動⾞貿易政策」に基づき、原則として、商業目的の中古⾞輸入は出来ません。
例外として、⻑期滞在駐在員の“個⼈⽤”として1台に限り持ち込むことが認められているようですが、持ち込む⾞輌は左
ハンドルの新⾞に限られ、右ハンドル⾞の公道の⾛⾏は禁じられ
ています。
中古⾞の輸入が禁⽌されている理由について、商務部が公
布した「⾃動⾞貿易政策」を⾒たところ、以下の様に記載されて
います。第7章︓汽⾞対外貿易
第 37 条
国はいかなる貿易⽅式において、中古⾃動⾞及びその部品組み⽴て、部品及び右ハンドル⾃動⾞の輸入を禁⽌する。
参照︓商务部令 2005 年 16 号 《汽车贸易政策》 (mofcom.gov.cn)■中古⾞の輸⼊が禁⽌されている理由
①⾞輌の安全が保証しにくい。
②多数の検査員と労⼒が必要。
③中国国内の⾃動⾞産業を保護するため。■新⾞の並⾏輸⼊は可能
中国では原則として海外から中古⾞の輸入が禁⽌されていますが、新⾞であれば“並⾏輸入”が可能です。
(注)︓並⾏輸入⾞は全て新⾞に限る。中古⾞の輸入は禁⽌されている。参考情報として、新⾞の並⾏輸入の市場状況を調査しました。現在、中国への並⾏輸入⾞(新⾞)の主な輸入港は、天津港、⻘島港、⼤連港、福州港(福建省)と⻩埔港(広州市)の5つの港です。2016 年のデータによると、これら5つの港の並⾏輸入での輸入量は、全体の 87%を占めています。そのうち、天津港は特に取扱量が多く、その全体の 56%を占めています。
2017 年上半期、中国の並⾏輸入⾞数は8万 1,649 台に達し、前年同期⽐ 49.7%増加しました。そのうち、天津港の並⾏輸入⾞数は5万 5,491 台で、前年同期⽐ 89.6%の増加、全体の 68%を占めています。この様に、天津港は中国全国の中で最⼤の並⾏輸入⾞を取り扱う港です。
並⾏輸入⾞は⽐較的安い価格で⼿に入れる事が出来ると⾔われていますが、中国では国内正規店でアフターサービスを受ける事が出来ません。また、並⾏輸入⾞の⾞輌規格は、中国の法律の要求に合わないため、場合によっては⾞輌を改造する必要があります。例えば、メーターボードをマイルからキロに変更することや、後⽅のランプを中国標準へ変更する事などです。これらの改造は基本的に輸入港で⾏われています。
※次号も並⾏輸入⾞(新⾞)や B2B プラットフォームの「愛採購」の販売状況について解説します。
次回は、「公印確認」と「領事認証」を取得するための具体的な⼿順を説明します。