今週のトピックス(2024年9月)

2024年9月25

■中国、水産物禁輸緩和に前進 原発処理水監視に参加へ

日本政府と国際原⼦⼒機関(IAEA)は東京電⼒福島第 1 原⼦⼒発電所の処理⽔の海洋放出を巡り、中国も試料採取に参加しモニタリング(監視)体制を拡充する。これに合わせ日中両政府は中国の日本産⽔産物の輸⼊再開に向けた調整などを確認する⾒通しだ。

■中国の工業生産、8 月 4.5%増に鈍化 不動産販売は低調

国家統計局が 14 日発表した 8 月の工業生産は前年同月を 4.5%上回った。電気自動⾞(EV)など新エネルギー⾞の生産が好調だったが、伸び率は 7 月の 5.1%から鈍化した。新築不動産の販売は低調で、景気減速が一段と鮮明になった。

■成都市で⽇本⾷レストラン向けの⽇本産切り花商談会を初めて実施

ジェトロは、一般社団法人全国花き輸出拡⼤協議会の協⼒の下、9 月 13 日に中国・四川省成都市で⾼級日本⾷レストランなどを対象とした日本産切り花の商談会を初めて実施した。

■メルセデス、BYD との中国合弁解消 提携不調で株式売却

独⾼級⾞⼤⼿メルセデス・ベンツグループは中国の電気自動⾞(EV)⼤⼿、比亜迪(BYD)との中国合弁事業を解消したと 17 日明らかにした。合弁会社は⾼級 EV の開発・生産を⼿がけているが、提携は不調で、2021 年に出資比率は 50%から 10%に引き下げていた。今回、残りの 10%分の株式も売却した。

■ファーウェイの三つ折りスマホ、100 万円でネット取引も

中国通信機器⼤⼿の華為技術(ファーウェイ)が 20 日に中国で発売する三つ折りの折り畳み型スマートフォンが、発売前にもかかわらずネット上で売買されている。フリマアプリでは定価の 2 倍以上にあたる約 5 万元(約 100 万円)などの値が付けられている。生産が難しく供給量が限られるため、希少価値が⾼まっている。

2024年9月18

■外資参⼊ネガティブリストの 2024 年版を公布、製造業の参⼊規制を撤廃

国家発展改革委員会、商務部は 9 月 6 日、外資企業の投資を制限・禁止する分野を示した「外商投資参入特別管理措置(ネガティブリスト)(2024 年版)」(国家発展改革委員会、商務部令第 23 号)を公布した。2024 年11 月 1 日から施⾏される。
今回のリストでは、2021 年版から(1)出版物の印刷は中国側の持ち分⽀配とする規制、(2)漢方薬材における蒸す、煎(い)る、炙(あぶ)る、焼くなどの加工処理技術の応⽤および漢方薬剤の秘伝処方製品の⽣産への投資を禁止する規制の 2 点が削減され、全 29 項目となった。今回の緩和により、製造業についてネガティブリスト上の参入規制は撤廃されたことになる。
製造業の参入規制の撤廃ついては、2023 年 10 月の第 3 回「一帯一路」国際協⼒ハイレベルフォーラムで習近平国家主席が言及し、2024 年 3 月の第 14 期全国⼈⺠代表⼤会(全⼈代)第 2 回会議では、2024 年の重点業務にも盛り込まれていた。

■医療分野の規制緩和、⼀部地域で外資独資での病院設⽴が可能に

商務部と国家衛⽣健康委員会、国家薬品監督管理局は 9 月 7 日、「医療分野の対外開放拡⼤の試⾏に関する通知」(商資函[2024]568 号)を発表した。外資導入によって医療分野の質の高い発展を促進し、国⺠の医療・健康ニーズを満たすため、バイオ技術分野の開発や応⽤と、外国資本による独資での病院設⽴について、一部の地域で規制緩和を試⾏するとした。
通知によると、9 月 7 日から中国(北京)⾃由貿易試験区、中国(上海)⾃由貿易試験区、中国(広東)⾃由貿易試験区、海南⾃由貿易港で、外資企業による製品の販売登録・⽣産に向けた⼈体の幹細胞、遺伝⼦診断・治療技術の開発と応⽤を認めるとした。販売登録と⽣産が承認された製品は全国範囲で使⽤が可能となる。
また、北京市、天津市、上海市、江蘇省南京市と蘇州市、福建省福州市、広東省広州市と深セン市、海南島全域で、外資 100%出資の病院を設⽴することを認めるとした。ただし、中国医学の病院設⽴と公⽴病院の買収は認めず、設⽴に関する具体的な条件、要求、⼿続きなどについては別途通知するとした。

■8 月中国輸出 8.7%増、5 カ月連続プラス ⾞出荷が好調

税関総署が 10 日発表した 8 月の貿易統計(ドル建て)によると、輸出は前年同月比 8.7%増の 3086 億ドル(約44 兆円)だった。5 カ月連続のプラスとなった。⾃動⾞や携帯電話の出荷が好調だった。

■中国消費者物価指数、8 月 0.6%上昇 7 カ月連続プラス

国家統計局が 9 日発表した 8 月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で 0.6%上昇した。7 カ月連続でプラスとなった。中国⼈の⾷卓に欠かせない豚肉の値上がりなどが全体を押し上げた。

■中国、エネルギー安全保障で法整備 再エネ開発も加速

中国政府はエネルギー安全保障を強めるための法整備をする。⽶国との⻑期対⽴を⾒据え、中国共産党の指導下で⾃給率の向上や資源輸入の多角化をめざす。再⽣可能エネルギーの供給⼒を高める開発も後押しする。

■美的集団、香港上場へ 調達最大 5000 億円の⾒通し

中国の家電⼤⼿、美的集団は 9 日、17 日に香港取引所に株式上場すると発表した。同取引所への上場で国際的な知名度拡⼤を目指す。調達額は最⼤で約 270 億香港ドル(約 5000 億円)となる⾒通しで、2022 年以降で香港取引所に上場した企業の中で最⼤級となる。

■サムスン SDI、偏光フィルム撤退 中国に 1200 億円で売却

韓国電池⼤⼿のサムスン SDI は 10 日、液晶ディスプレーの材料である偏光フィルム事業から撤退すると発表した。同業の中国企業に 1 兆 1210 億ウォン(約 1200 億円)で事業を売却する。今後は電気⾃動⾞(EV)向け電池など付加価値の高い先端品の開発や製造に注⼒する。

2024年9月11

■中国、短期ビザ申請の指紋採取を 2025 年末まで免除

在日中国大使館は 8 月 30 日、180 日以内の訪中短期ビザ(シングルまたはダブルビザ)について、2024 年 9 月 2日から 2025 年 12 月 31 日まで指紋採取を免除するとの通知を発表した。9 月 2 日には中国ビザ申請センターが、在外ビザ申請機関における同申請について、同期間の指紋採取を免除すると発表している。

■上海市、世界最⼤の室内スキー場が 9 月 6 日にオープン

中国で 2024 年 9 月 6 日、上海市の自由貿易試験区の臨港新エリアに位置する世界最大の室内スキー場「耀雪氷雪世界」が開業する。同施設は、大型国有企業の上海陸家嘴集団と不動産大⼿の上海港城開発集団が共同開発したもの。

■深セン巴⼠集団が⾃動運転路線バスの運⾏開始

路線バスなどの運⾏を⼿掛ける深セン巴⼠集団は 8 月 26 日、中国の広東省深セン市前海エリアで電動自動運転路線バス「B998」系統の運⾏を開始した。深セン巴⼠集団は 2024 年内にさらに 3 本の路線を追加し、計 4 路線 20両の電動自動運転バスの運用を予定している。

■BYD、ファーウェイとスマート運転分野で提携

中国の電気自動⾞(EV)大⼿の比亜迪(BYD)は 8 月 27 日、高級⾞ブランド「ファン・チェン・バオ(方程豹)」用に中国通信機器大⼿の華為技術(ファーウェイ)とスマート運転協⼒協定を締結することを発表した。発表によると、双方は方程豹用にスマート運転の共同研究開発を⾏い、2024 年の第 3 四半期以降に発売される予定の「豹(Bao)8」モデルにファーウェイの最新の自動運転システム「乾昆智能 ADS3.0」を搭載する。

■テンセント、手のひら認証を海外展開 中国で決済に活用

ネットサービス大⼿、騰訊控股(テンセント)は⼿のひら認証で決済などができる技術の海外展開を始める。中国では 1年ほど前から、自社の電⼦決済サービス「微信⽀付(ウィーチャットペイ)」と結びつけ、コンビニエンスストアなどで⽀払いができるようにしており、海外でも普及を目指す。

2024年9月7

■ハイテク都市の連絡橋に 1 兆円 深圳の経済圏拡大

中国有数のハイテク都市である広東省深圳市の経済圏が広がっている。河川をはさむ近隣都市とつながる連絡橋が開通し、深圳に本部を置きながら拠点を分散する企業が相次ぐ。深圳には華為技術(ファーウェイ)などハイテク企業が集積し、人件費や賃料の⾼騰が深刻になっている。⼀極集中を緩和し、周辺と⼀体で成⻑を目指す。

■⻄安で⽇本のヘルシー⾷品の消費者向け PR イベント開催

陝⻄省⻄安市の中⼤国際デパート(南⼤街店)1 階ホールで 8 月 17〜18 日、⼀般消費者向けの食品 PR 共同イベント「知食分子・Xi’an 軽食⽂化節が開催された。日系食品メーカー14 社と日本食品・酒類インポーター4 社、日本の調味料を製造する中国のメーカー2 社が参加した。

■携程の 4~6 ⽉期、海外旅⾏「コロナ前⽔準に回復」

中国旅⾏予約サイト最⼤⼿の携程集団(トリップドットコムグループ)が 27 日に発表した 2024 年 4〜6 月期決算は、純利益が前年同期⽐ 6.1 倍の 38 億元(約 800 億円)だった。中国国外のホテルや航空券の予約は新型コロナウイルスの感染拡⼤前の 19 年同期の⽔準に回復した。

■三⼀重工、1~6 ⽉純利益 5%増 海外売上 6 割に

建設機械最⼤⼿の三⼀重⼯が 29 日発表した 2024 年 1〜6 月期決算は、純利益が前年同期⽐ 5%増の 35 億元(約 700 億円)だった。不動産市況が低迷する中国国内は減収となった⼀⽅で、海外販売が伸び増益を確保した。

■滴滴、自動運転関連資産を売却へ 本業への集中加速

配⾞アプリ最⼤⼿の滴滴出⾏(ディディ)が自動運転技術や様々な情報を⾞内で表⽰する「スマートコックピット」に関する資産を売却することが明らかになった。滴滴は 2023 年に電気自動⾞(EV)事業を売却しており、主⼒の配⾞アプリ事業に集中する。