今週のトピックス(2024年7月)

2024年7月31

■人民銀行、ローンプライムレート引き下げ

中国人民銀行(中央銀行)は 7 月 22 日、最優遇貸出金利の指標であるローンプライムレート(以下、LPR)の期間5 年以上を 3.95%から 3.85%に、期間 1 年を 3.45%から 3.35%にそれぞれ 0.10 ポイント引き下げる。

■中国、車・家電の買い替え補助に 6 兆円 国内消費を刺激

中国政府は 25 日、およそ 3000 億元(約 6 兆 4000 億円)を投じて乗用車や家電の買い替えを促す補助金を拡充すると発表した。乗用車は 4 月に発表した補助金を 2 倍程度に増やす。停滞した国内消費を刺激する。

■中国アリババ通販、衣類の海外送料無料化 競争激化受け

中国アリババ集団の主力通販サイト「淘宝網(タオバオ)」が、海外から衣料品を購入する際の送料を無料にする。アジアの一部地域で 8 月 3 日から実施し、競合の Temu(テム)や SHEIN(シーイン)に対抗する狙いだ。

■湖北省武漢市で「炭素市場大会」、気候変動に関する会合が相次いで開催

湖北省政府、上海市政府、生態環境部共催の「2024 年 中国炭素市場大会」が 7 月 21 日に湖北省武漢市で開催された。「全国炭素市場発展報告(2024 年)」によると、2021 年 7 月に全国 ETS 市場が発足して以降、これまでに 2,257 社の重点排出事業者が取引に参加。同事業者による二酸化炭素(CO2)排出量は年間約 51 億トンと、全国の 40%以上を占め、全国 ETS 市場は世界最大の温室効果ガス排出量をカバーする市場となっている。

■広汽埃安、タイでの新規工場で EV 生産開始

中国の広州汽車集団(広汽集団)は 7 月 17 日、同社傘下の電気自動車(EV)メーカーの広汽埃安新能源汽車(広汽埃安)がタイ中部のラヨーン県にある同社のスマート工場(タイ工場)で、「AION」ブランド EV の生産を開始したと発表した。同社が発表したばかりのスポーツ用多目的車(SUV)の第 2 世代「AION V」が含まれ、広州工場とタイ工場で同時に量産開始した。

■中国電池メーカー、ベトナムとマレーシアに相次いで投資

中国大手電池メーカーの欣旺達電子(サンオーダ)は 7 月 15 日、子会社の香港欣威電子を通じて、ベトナムに民生機器向けリチウムイオン電池製造工場を新設すると発表した。稼働時期や所在地などは明らかにされていないが、土地購入や工場建設、設備導入などには最大 20 億元(約 440 億円、1 元=約 22 円)を投じるという。

2024年7月24

■中国 GDP4.7%増に減速 4~6 月実質、消費さえず

中国国家統計局が 15 日発表した 2024 年 4~6 月の国内総生産(GDP)は、物価の変動を調整した実質で前年同期比 4.7%増えた。1~3 月の 5.3%増より伸びは縮小した。生産や輸出がけん引したものの、消費がさえなかった。

■中国、経済回復へ高齢者活用 人口の 3 割迫る

中国政府と企業が、停滞する経済を活性化させる策として高齢者による消費向上を目指している。若者の消費意欲が乏しく 2035 年には 60 歳以上の人口が全体の約 30%を占めると予測されるなか、高齢世代を対象としたサービスの拡充を狙う。

■小米、EV 生産の資格取得 北京工場を自社名義に切り替え

中国スマートフォン大手の小米(シャオミ)が、電気自動車(EV)の生産に必要な資格を政府当局から得たことが 12日分かった。同社は 3 月に初めて自社製の EV を発売したが、国有自動車大手の北京汽車集団系の会社から生産の資格を「借用」していたとされる。自社資格に切り替え、EV 事業の体制を整える。

■広州市、省エネ車のナンバープレート発給を抽選不要に

広州市では 7 月 1 日から、省エネルギー車(一定の条件を満たす非プラグインハイブリッド車、注)のナンバープレート取得方法を抽選から申請に変更した。この新規定を実施するため、広州市乗用車指標調整コントロールサービスセンターは翌 2 日に申請ガイドラインを発表した。新規定は、広州市政府が 5 月 29 日に発表した「広州市乗用車指標調整管理弁法」(穗府弁規〔2024〕9 号)に基づくもので、有効期限は 2029 年 6 月 30 日までとした。

■山東省、太陽光発電産業で次世代技術製品の開発・量産化を加速

山東省政府は 7 月 3 日、「山東省の太陽光発電産業の質の高い発展行動プラン」を発表した。同プランでは、2025 年までに同省の太陽光発電の産業規模を 300 億元(約 6,600 億円、1 元=約 22円)超に引き上げ、ペロブスカイト太陽電池(注)などの新しい電池技術の研究開発と産業化を加速し、変換効率が 25%以上の太陽電池の量産と応用を実現するなどの目標が掲げられた。

■中国 EV メーカーの BYD、カンボジアで組立工場建設を計画

カンボジアのフン・マネット首相は 6 月 27 日、中国の電気自動車(EV)大手の比亜迪(BYD)がカンボジアに自動車組立工場を建設する計画だと発表した。2023 年 10 月には、スン・チャントール副首相兼カンボジア開発評議会第 1副議⾧が BYD を訪問し、カンボジアでの充電ステーション設置拡大と EV 組立工場建設の検討を進めるよう促した。

■中国の恒力集団、高付加価値船を建造へ 2000 億円投資

化学製品大手の恒力集団(江蘇省蘇州市)は高付加価値船の建造に参入すると発表した。東北部の遼寧省大連で 2023 年に稼働させた造船拠点に新たに 92 億元(約 2020 億円)を投じ、超大型のタンカーや液化ガス運搬船、コンテナ船などを建造する。

2024年7月17

■20 周年を迎えた「CCG Expo」

上海市で 2024 年 7 月 4 日、ポップカルチャーの総合イベントである「中国国際動漫遊戯博覧会(CCG Expo)」が開幕した。20 周年となる今回は、初回開催地である上海展覧中⼼において 7 月 7 日まで展示イベントを開催し、4 日間で延べ 10 万⼈以上が来場した。

■中国、1〜6 月物価上昇 0.1% ガソリン上昇・耐久財下落

国家統計局が 10 日発表した 2024 年 1〜6 月の消費者物価指数(CPI)は前年同期⽐ 0.1%上昇した。国際価格の⾼騰でガソリンなどエネルギー関連が上昇した。耐久財は下落しており、消費者の節約志向は根強い。

■6 月の中国輸出 8.6%増、3 カ月連続プラス ⾞がけん引

税関総署が 12 日発表した 6 月の貿易統計(ドル建て)によると、輸出は前年同月⽐ 8.6%増の 3078 億ドル(約49 兆円)だった。3 カ月連続のプラスとなった。自動⾞やパソコン関連の出荷が伸びた。

■広州汽⾞、ブラジルでの新規⽣産・研究開発などに 10 億ドル投資へ

国有自動⾞⼤⼿の広州汽⾞集団(GAC)は 6 月 24 日、今後の 5 年間で 10 億ドルを投じ、ブラジルに進出する計画を発表した。同社の馮興亜総経理は「⼯場や研究開発センターに加え、補修部品⽤の倉庫を建設する予定だ。GACはブラジルの消費者に対して信⽤できる、技術の⾼い製品を提出する自信がある」と説明した。

■中国の恒⼒集団、⾼付加価値船を建造へ 2000 億円投資

化学製品⼤⼿の恒⼒集団(江蘇省蘇州市)は⾼付加価値船の建造に参⼊すると発表した。東北部の遼寧省⼤連で 2023 年に稼働させた造船拠点に新たに 92 億元(約 2020 億円)を投じ、超⼤型のタンカーや液化ガス運搬船、コンテナ船などを建造する。

2024年7月10

■四川航空、5 ⽇から成都〜東京間の直⾏便を毎⽇運航に

四川航空は 7 月 5 日から、四川省成都市(天府空港)〜東京(成⽥空港)路線を従来の週 3 便から週 7 便(毎日)に増便する。全体として、夏休みシーズンの旅⾏需要の取り込みなどに向けて成都市を発着する国際便の就航は増加傾向にあり、同市への来訪客数の増加が期待される。

■中国⼈⺠銀、国債借り⼊れへ 売り介⼊準備か

中国⼈⺠銀⾏(中央銀⾏)は 1 日、公開市場操作(オペ)で近く国債を借り入れると発表した。⼈⺠銀は借り入れた国債を市場で売却し、国債買いが過熱する債券市場の安定を図る狙いとみられる。

■中国 EV アフリカ開拓、BYD も販売強化 欧州逆風で脚光

中国の電気⾃動⾞(EV)メーカーがアフリカや中東で販路を広げる。新興の「哪咤汽⾞(NETA)」はケニアに進出し、⼩鵬汽⾞(シャオペン)もエジプトで新⾞を発売した。中国勢が注⼒してきた欧州では 4 日に中国製 EV に追加関税が課される予定で逆風が強まる。アフリカ・中東を将来の成⻑市場と捉え⾜場づくりを急ぐ。

■中国セレス、新エネルギー⾞「問界」の商標取得 約 560 億円

中堅⾃動⾞メーカー、賽⼒斯集団(セレス・グループ)は 2 日、電気⾃動⾞(EV)などのブランドを共同運営する通信機器大⼿の華為技術(ファーウェイ)から、⾞名になっている「問界」の商標などを 25 億元(約 560 億円)で買収すると発表した。

■DJI、電動アシスト⾃転⾞のシステム開発 外部に提供

ドローン世界大⼿の中国 DJI は 3 日、電動アシスト⾃転⾞の動⼒システムを開発したと発表した。モーターやバッテリーなどにドローンの技術を活用し、⾃転⾞メーカーに提供を広げる。第 1 弾として中国メーカーが 7 月以降、中国と欧州などでDJI のシステムを搭載した⾃転⾞を発売する。

2024年7月3

■北京⼝岸経由の出⼊国旅客数、年初累計で 800 万人突破

夏季シーズンの到来と出⼊国政策の継続的な緩和に伴い、⾸都・北京市の口岸(検問所)を介した出⼊国旅客数が⾜元で急増している。年初から 6 月 26 日までの出⼊国旅客数は延べ 800 万人に達した。前年同期の 2.9 倍に膨らんでいる。

■3 中全会の日程確定、7 月 15〜18 日開催へ

中国共産党は 27 日の中央政治局会議で、第 20 期中央委員会第 3 回全体会議(3 中全会)を 7 月 15〜18日に北京で開くことを決めた。党⼤会の 1 年後に開かれる 3 中全会は、中期的な重要政策の方針を話し合う場となり、市場の注目度が⾼い。

■チリが RCEP 加⼊申請、中南米諸国で初

インドネシアを訪問していたチリのクラウディア・サンウエサ国際経済関係次官官房(SUBREI)は 6 月 14 日、サトビンダー・シン ASEAN 事務局次⻑と会談し、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定へのチリ加⼊を正式に申請する書簡を提出した。

■AIの国家標準、26 年に 50 項目以上策定すると発表

中国工業情報部など中央4部門は2日、人工知能(AI)の国家・業界標準の策定に向けたガイドラインを発表した。2026 年までに 50 項目以上の関連標準を制定し、AI産業の質の⾼い発展をリードする標準体系の構築を急ぐ。26 年までに、1,000 社以上が国家標準を利⽤することを求める。20 項目以上の国際標準の策定に参加し、AI産業のグローバル化を推進する。
標準体系は、半導体や演算設備、センサー、ソフトウエアなどの基幹部分や⼤規模言語モデル(LLM)などのコア技術、スマートロボットやデジタルヒューマンなどの製品・サービスといった7分野に分かれる。ガイドラインではAIを「新たな科学技術革命と産業変革をリードする基礎的で戦略的な技術」と位置付け、「製造強国」、「ネットワーク強国」の建設を加速する上で重要な役割を持つとした。

■ノボノルディスク、中国が肥満症薬承認 巨大市場に参⼊

デンマーク製薬⼤手ノボノルディスクは 25 日、肥満症治療薬「ウゴービ」が中国で承認を取得したと発表した。肥満の人が増え続ける中国はかねて有望市場とされてきた。同国は肥満症薬と糖尿病治療薬の市場規模が、2030 年に 48 億ドル(約 8000 億円)になるとの試算もあり、ノボノルディスクの業績拡⼤への期待が⾼まっている。

■スポーツ⽤品のアンタ、人気ゲーム「原神」とコラボ靴

中国スポーツ⽤品⼤手の安踏体育⽤品(アンタ)は 5 月下旬、日本でも人気の中国発モバイルゲーム「原神」とのコラボ靴を発売した。若者を中⼼に売れており、既に品薄の状態だ。