今週のトピックス(2024年10月)
2024年10月31日
■広東省、商業宇宙飛行分野の発展を促進する行動プランを発表
広東省政府は10月14日、「商業宇宙飛行分野の質の高い発展を促進するための行動プラン(2024~2028年)」(粤府弁〔2024〕10号、以下、行動プラン)を発表した。行動プランによると、商業宇宙飛行は、航空宇宙産業の発展を推進する重要な力であり、「新たな質の生産力」(注1)の重要な構成要素だ。商業宇宙飛行開発の戦略的機会を捉え、広東省における関連産業の質の高い発展を推進するため、同行動プランを制定した。
■中国中部各省でも自動車や家電の買い替え進む
商務部の全国家電買い替えデータプラットフォームによると、10月15日までに2,066万7,000人の消費者が買い替え補助金を申請し、1,013万4,000人が補助対象となる8種類の家電商品(注)1,462万4,000台を購入した。中央政府からの補助金131億7,000万元(約2,766億円、1元=約21円)が利用され、これに伴う販売額は690億9,000万元だった。
■成都市でベーカリー向け関連食材商談会を実施
ジェトロは10月16日、四川省成都市で現地のベーカリーなどを対象とした関連食材の商談会を実施した。IPS Consulting Group(艾普思査詢)の2021年の調査によると、同市のベーカリー店舗数は、上海市や深圳市といった沿岸部の都市をおさえ最多だった。商談会には、日本産の小麦粉を中国に輸入するインポーターのほか、ベーカリー向け関連食材を扱う日系企業など合計約40人が参加。現地ベーカリーなどとの間で商談を行った。
■インテル、成都拠点を拡張 中国重視アピール
米インテルは28日、中国四川省成都市にある半導体後工程拠点の拡張などを発表した。中国当局系団体が16日に同社製品が国家の安全保障を脅かすとしてセキュリティーリスクを巡る審査を建議した。インテルは中国でのサプライチェーン(供給網)の強化をアピールし、中国ビジネスの安定をめざす。
■テスラの7〜9月17%増益 3四半期ぶり、中国販売が回復
電気自動車(EV)大手、米テスラが23日発表した7〜9月期決算は売上高が前年同期と比べ8%増の251億8200万ドル(約3兆8500億円)、最終利益は17%増の21億6700万ドルだった。最終増益は3四半期ぶり。米国や欧州で販売が減少したが、政府が補助金による販売促進策をとる中国で販売が回復した。
■「滴滴自動駕駛」が自動運転「ロボタクシー」の商用化を加速
「滴滴自動駕駛(DiDi Autonomous Driving)」は、中国配車サービス最大手の滴滴出行(DiDi Chuxing)の自動運転子会社。現地で資金調達に成功し、初の量産型ロボタクシー(自動運転タクシー)の商用化を進める。すでに上海市や北京市、米カリフォルニア州などで自動運転の公道走行試験ライセンスを取得している。 23年4月にはロボタクシーのコンセプトカー「DiDi NEURON」を発表し、翌5月には広州汽車傘下の電気自動車(EV)メーカー、広汽埃安新能源汽車(GAC Aion New Energy Automobile)と合弁会社「広州安滴科技(Guangzhou Andi Technology)」を設立し、自動運転EVの量産を共同で推進している。
■触覚センサーの市場規模の急拡大と「千覚機器人」の事業拡大
千覚機器人科技(上海)有限公司が開発するマルチモーダル触覚センサーの「千覚機器人(Xense Robotics)」。は、資金調達に成功し、製品開発と事業拡大を進める。千覚機器人は2024年5月に上海で設立、自社開発した触覚センサーは3次元力覚や運動覚、滑り覚などを含む高感度かつマルチモーダルな触覚センシング情報の提供が可能。次世代の人型ロボットが周囲の環境を自律的に感知し、より精密な作業ができるようサポートする。産業ロボットやサービスロボット、医療ロボットなどの分野が急成長するのに伴い、今後は触覚センサーの市場規模も急拡大すると見込まれる。
2024年10月23日
■2023 年度上海市外資系企業トップ 100 リストにランクインした日系企業
上海市の経済および社会発展に貢献する外資系企業を評価するため、上海市商務委員会の指導のもと、上海市外商投資協会は毎年「上海市外商投資企業トップ 100 リスト」を発表した。2023 年度は、営業収入、輸出入総額、納税貢献、雇用創出の 4 つの主要な指標で計 258 社が選ばれ、日系企業は各分野で存在感を示した。
- 営業収入トップ 100 にランクインした日系企業
アイシン(中国)投資有限公司、上海三菱エレベーター有限公司、パナソニック電機(中国)有限公司ファーストリテイリング(中国)商貿有限公司、ユナイテッド・オート・エレクトロニクス有限公司、トヨタ通商(上海)有限公司、村田製作所貿易(上海)有限公司、パナソニックグローバル調達(中国)有限公司 - 輸出入総額トップ 100 にランクインした日系企業
キーエンス(中国)有限公司、オリンパス貿易(上海)有限公司、日本電産サンキョー光電(上海)有限公司、日産国際貿易(上海)有限公司、キオクシア電子(中国)有限公司、三菱電機オートメーション(中国)有限公司、東芝ロジスティクス(上海)有限公司、近鉄国際物流(中国)有限公司、ニシン半導体技術(上海)有限公司、ユナイテッド・オート・エレクトロニクス有限公司、トヨタ通商(上海)有限公司、上海日東光学有限公司、パナソニックグローバル調達(中国)有限公司 - 納税貢献トップ 100 にランクインした日系企業
キーエンス(中国)有限公司、三菱 UFJ 銀行(中国)有限公司、ダイキンエアコン(上海)有限公司、三井住友銀行(中国)有限公司、資生堂(中国)投資有限公司、ユナイテッド・オート・エレクトロニクス有限公司、ファーストリテイリング(中国)商貿有限公司 - 雇用創出トップ 100 にランクインした日系企業
東芝エレベーター(中国)有限公司、上海三菱エレベーター有限公司、無印良品(上海)商業有限公司、-ダイキンエアコン(上海)有限公司、資生堂(中国)投資有限公司、ユナイテッド・オート・エレクトロニクス有限公司、ファーストリテイリング(中国)商貿有限公司
■中国上場 23 社、自社株 2100 億円超買い入れ 支援策活用
中国石油化工(シノペック)など中国の上場企業 23 社は 20 日、自社株買いを実施すると発表した。大株主による買い増しも含め金額は計 100 億元(約 2100 億円)を超える。いずれも中国人民銀行(中央銀行)の株式市場支援策を活用する。
■中国 GDP4.6%増に減速 7~9 月実質、消費伸び悩み
中国国家統計局が 18 日発表した 2024 年 7~9 月の国内総生産(GDP)は、物価の変動を調整した実質で前年同期比 4.6%増えた。4~6 月の 4.7%増より伸びは縮小した。輸出が堅調だったものの、消費や生産が伸び悩んだ。
■重慶市の車生産が中国最多に、1~8 月累計で 11%増の 154 万台
重慶市の自動車生産台数が 8 年ぶりに中国首位を奪還した。新エネルギー自動車(NEV)製品を中心に、増産に弾みがついている。今年上半期の自動車生産は 121 万 4000 台に拡大した。うち NEV は 2.5 倍の 39 万 1000 台に伸びている。
■Apple、中国・深圳に研究拠点 「1000 人規模」計画
米アップルは中国南部の広東省深圳市に研究拠点を開業した。iPhone や iPad などの性能テストや研究能力を増強する。地元政府の発表によると、人員は将来的には 1000 人超の規模になる計画だ。周辺のサプライヤーとの連携を深め、競争の激化に備える。
■⾧谷川香料が中国展開を加速、浙江省平湖に第 3 製造拠点
⾧谷川香料は 18 日、中国子会社の「⾧谷川香料(平湖)有限公司」を浙江省平湖市に立ち上げると発表した。各種調合香料、香料原料、食品添加物および食品素材の製造販売を手掛ける。現地需要拡大に対応し、より一層のサービス体制の強化を図るとともに、事業の継続性を確保するため、敷地面積約 37,000 ㎡の 中国における第三の生産拠点を平湖市独山港経済開発区に新設するとした。
2024年10月16日
■中国、特別国債発⾏で⼤⼿⾏に資本注⼊ 経済下支え
中国の藍仏安財政相は 12 日の記者会⾒で、景気刺激策を発表した。特別国債を発⾏して大手国有銀⾏に資本注入し、銀⾏の健全性を⾼める。経済を⽀える⾦融システムへの財政⽀援で景気を下⽀えする。
■中国輸出、7〜9 月 6%増に拡⼤ 3 四半期連続プラス
中国税関総署が 14 日発表した 2024 年 7〜9 月の貿易統計によると、ドル建ての輸出は 9128 億ドル(約 136 兆円)で前年同期から 6%増えた。四半期ベースで 3 期連続のプラスとなった。⾃動⾞の出荷が好調で全体を押し上げた。7〜9 月の輸入は前年同期⽐ 2.5%増の 6554 億ドルだった。輸出から輸入を引いた貿易⿊字は 2574 億ドル。
■⾹港不動産、在庫⼀掃急ぐ 新鴻基はタワマン赤字販売
⾹港の不動産大手が住宅在庫の解消を急いでいる。新鴻基地産発展(サンフンカイ・プロパティーズ)などは新築の⾼級タワーマンションを赤字覚悟で売り出した。直近 3 年間ほど落ち込みが続いた住宅市況が底入れに近づくと⾒越し、資⾦を確保して再成⻑に備える狙いだ。
■中国・NIO、中東・北アフリカに参⼊へ UAE に研究拠点
中国新興電気⾃動⾞(EV)の上海蔚来汽⾞(NIO)は、中東と北アフリカ市場に参入すると発表した。アラブ⾸⻑国連邦(UAE)に研究拠点も設ける。進出済みの欧州では中国製 EV への追加関税案が可決されるなど逆風が吹いており、新たな市場を開拓する。
■ファーウェイ、新 OS の試験配布を開始 「微信」も対応
中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)は 8 日、スマートフォンなどに搭載する新たな基本ソフト(OS)の試験配布を始めた。従来はベースに米グーグルの「アンドロイド」を残していたが、新 OS は初めてすべて⾃社で開発したものになる。米政府がファーウェイに対する技術の輸出規制を続ける中、締め付け強化に備える狙いもある。
2024年10月9日
■グリーン水素製造装置、7 割が中国に集中 IEA 予想
国際エネルギー機関(IEA)は 2 日、2024 年の世界の⽔素エネルギー市場に関する報告書を公表した。再生可能エネルギーを使いグリーン⽔素を製造できる電解槽では、中国の設置容量が全体の 7 割弱を占める⾒通しだ。
■データ安全管理条例を来年施⾏ 生成 AI も対象に
中国政府は 30 日、2025 年 1 月 1 日にネットワークデータ安全管理条例を施⾏すると発表した。⽶中対⽴の先鋭化などを受けて、21 年に発表された草案に⽐べて「国家安全」を強調した。海外のデータ処理活動についても、中国の国家安全を脅かす場合は法的責任を追及する。
■ジェトロ、大連日本商品展覧会で日本の「健康・福祉」を PR
大連市で 9 月 26〜28 日、「大連日本商品展覧会」が開催された。大連市政府が主催、中国国際貿易促進委員会大連市分会と大連国際商会が実施したもので、日本の商品に特化した展示会となっている。13 回目となる今回の出展社数は約 300 社、3 日間の来場者数は延べ約 6 万人に達した。出展分野はヘルスケア、食品、日用品、環境・省エネなどで、日本製のほか、中国進出日系企業が製造した中国製商品も多数出展された。
■中国家電大手 TCL、韓国 LG ディスプレイの中国 2 工場を買収
中国家電大手の TCL 科技集団は 9 月 26 日、韓国 LG ディスプレイ傘下の楽⾦顕示(中国)の株式 80%と、楽⾦顕示(広州)の株式 100%、この 2 社が持つ技術やサポートサービス事業を買収すると発表した。買収の基準価格は 108 億元(約 2,214 億円、1 元=約 20.5 円)で、パネル生産子会社の TCL 華星光電技術(CSOT)を通じて実施する予定だ。
2024年10月2日
■キャラ商品「谷子(グーズ)」 推し活ブームで新造語
中国で「推し活」の盛り上がりを背景に、ゲームやアニメキャラクター商品の人気が⾼まっている。「グッズ」に発音が似た「谷子(グーズ)」という造語が若者の間で広がる。商業施設には専門店が増えている。
■住宅ローン⾦利の変更柔軟に 期間 1 年の制限撤廃
中国人⺠銀⾏は9月 29 日、個人の住宅ローンについて変動⾦利の変更を柔軟にすると発表した。最低 1 年は⾦利を変更できないとした従来の制限を撤廃し、11 月から銀⾏との協議で期間を決めることを認める。
■国有など 26 社の重複 12 事業再編 電池や希土類強化
中国政府は 26 日、国有⼤⼿など 26 社の重複した 12 事業を再編すると発表した。⾞載電池やレアアース(希⼟類)など「戦略性新興産業」と位置付ける重点分野が主な対象だ。米中対⽴の先鋭化や中国経済の停滞のなか、国有⼤⼿は経営資源を集中し、サプライチェーン(供給網)を強化し競争⼒を引き上げる。
■中国・吉利、ベトナムに⾞⼯場 地場企業と 240 億円投資
ベトナムの自動⾞販売⼤⼿タスコは 24 日、中国⺠営自動⾞⼤⼿浙江吉利控股集団傘下の吉利汽⾞と合弁会社を設⽴し、吉利汽⾞ブランドの自動⾞の組み⽴てを始めると発表した。自動⾞生産に事業領域を広げたいタスコと、東南アジア市場を攻略したい吉利汽⾞の思惑が一致した。
■独 VW、中国で人員削減へ エンジン⾞の低迷受け
自動⾞⼤⼿ドイツのフォルクスワーゲン(VW)が独国内に加え、新⾞販売の 3 割を占める中国でも人員削減に踏み切る方針であることが 23 日までに分かった。工場を閉鎖する可能性もある。エンジン⾞の販売が落ち込み、電気自動⾞(EV)など「新エネルギー⾞」で中国勢にも後れを取っており、世界各国で抜本的なリストラに着⼿する。