中国特殊設備製造許認可(CSEL)が必要なケース(2)

中国企業から当社のバルブ製品の引き合いが来ています。しかし、中国に輸出するには、中国特殊設備製造許可弁公室(SELO)の有効な中国特殊設備製造許認可(CSEL)が必要だと指摘されました。これはどういった制度でしょうか。

 前回は、中国が輸入を規制している製品に対する中国特殊設備製造許認可(CESL)について説明した。圧力配管、ボイラー、圧力容器(ボンベを含む)、クレーン、旅客用ロープウェイ、エレベーター、大型遊園地の設備とその付属品、安全保護装置の製造、設置、改造メーカー、またも圧力配管用パイプ、継手、バルブ、フランジ、補償装置、安全保護装置などが対象製品となる。

  1. TS 証明書(特殊設備生産許可証、特殊設備型式試験証書)
    製品が中国の安全規格(TSG)に適合していることを証明するための証明書。製品が TSG 規格に基づいて製造され、安全であることを示す。

 

 上記の左側が「特殊設備生産許可証」で、既述した北京の「SELO」が検査を行う。バルブなどの型式検査については各地域の機関が行い、右側は上海の SSEI(上海市特殊設備監督検験技術研究院)から取得した「特殊設備型式試験証書」の画像である。
 中国で使用する圧力容器は、「特殊設備製造許可証」(ML:MANUFACTURE LICENSE)を所有する会社で設計、製作されたものでなければならない。SELO ライセンスは、「China Stamp」または「中国製造ライセンス」(CML)としても知られている。

 

  1. TSG 規格(中国の安全規格)
    中国国家質量監督検査検疫総局(AQSIQ)が定める安全規格。製品が安全で信頼性があることを確認するための基準。
  2. TS マーク(中国の安全マーク)
    製品が TSG 規格に適合していることを示す表示マーク。消費者はその製品が安全であることを確認できる。ただし、現行規格 TSG-07-2019 によると、圧力製品の品質証明書に TS マークを表示する要件はない。旧規格 TSGD2001-2006 では、圧力製品の品質証明書に TS マークを表示することが要求されていたが、同規格は廃止され、現在ではこの要求は適用されない。現在は製品に QR コードを貼り付けてあり、それを端末で読み込むと右記の製品合格証(電子版)が出てくる。

 TSG 規格は基準であり、TS 証明書はその基準に適合することを証明する証明書、そして TS マークはその基準に適合していることを表示するマークである。これらは、消費者の安全を確保し、信頼性を高めるための仕組みとして機能している。

※中国特殊設備製造許認可(CSEL)の申請や取得に関してご不明な点があれば、お問合せください。

 
以上