中国現地子会社の運営を放置した場合について

中国の現地子会社が諸事情から運営が難しくなりましたが、そのまま放置しておくとどうなるのでしょうか?

 ――放置というと聞こえはよいですが、昔、韓国企業は多かった「夜逃げ」も含まれています。ただ、事業承継の世代交代のタイミングでもあり、経営者が亡くなったケースとか、事情は様々ではあると思います。
 中国の現地子会社を 1 年以上放置するとルール上は登記が抹消されるのですが、税務登記が正常に抹消されていない状態だと登記機関のシステム上「吊销」と呼ばれる一種の行政処罰を受けた状態でブラックリストが載せられて管理されます。また、「吊销」の状態だと法定代表者はブラックリストに加えられることになるので、日本人だと中国に出入りする場合や、日本本社が中国で何かビジネスを行う際に影響が出ることが心配されます。

 いったん放置された状態の現地法人を改めて正式に抹消する場合は、まず税務登記の抹消が必要となります。
 税務局のシステムでは連続 3 か月未申告の状態を続けると、自動的に「非正常」に分類され、税務登記証書の使用や領収書(発票)の発行ができなくなります。さらにそのまま放置していると、「非正常抹消」に分類され、これを解除するにはその放置していた期間の未申告の罰金を納付した上で「非正常」に戻し、実質休眠状態であった期間の申告をやり直し、未納付となっている税金、延滞税を納付することになります。
 そして、税務登記抹消を完了させた後、法人の登記抹消が可能となります。
法令違反の状態が続くと罰金が課されることになり、現地子会社のみならず、日本の親会社の信用にも関わってきます。

※ 次回は、その対策としての会社の休眠について解説してみます。

以 上