日本の回転ずしが続々と中国に進出

中国で回転ずしが流⾏っていると聞きました。中国人は、生ものは食べない習慣だと聞いていましたが、どういうことでしょうか︖現状を教えてください。

 ―― 結局、世代間の習慣の違いということだと思います。30 年ほど前の中国は、生ものだけでなく、コーヒーも飲まない、チーズは食べない、頑固に中国料理に固執している人々でした。とくに当時は、熱処理していない生の⿂を食するなど、想像もできなかったでしょう。しかし、いまの若者たちは違います。俗にいう 80 後、90 後や Z 世代、すなわち、1980年代以降に生まれた若者は、生ものにむしろ価値感を感じている世代です。こうした世代間格差を理解していないと中国マーケットを大きく⾒誤ることになります。

 近年、⽇本の回転ずしが続々と中国市場に進出しています。㈱food & life companies が運営するスシロー(中国語︓寿司郎)は広州市や深セン市などに店舗をオープン、2022 年 11 ⽉には四川省成都市に⻄南地区初店舗をオープンしました。そして、今年春には中国 4 番目の出店地して重慶市への進出を予定しています。スシローでは、中国で人気のあるマグロやサーモン、カンパチ、ウニなどの⿂介類に加え、珍しい食材を含む 140 種類以上の寿司と料理を揃えています。寿司は 1 皿 10 元〜28 元(約 200円〜560 円=1 元 20 円)で提供しており、⽇本のスシローより高い価格です。
 スシロー成都店はオープンイベントの際に「スシロー成都」の WeChat 公式アカウントをフォローしているフォロワーにオープン記念として、スシローバッグやスシロークリアファイル等をプレゼントしました。どれも可愛くて若い⼥性が好みそうな商品です。

寿司郎成都店·IFS 国際⾦融センター店


■くら寿司も中国に進出
 同じく、日本で回転ずしを運営する「くら寿司株式会社」も中国に「くら寿司」をオープンします。今年の夏までに上海市に 1 号店をオープンし、今後は沿岸部の都市を中心に出店を加速、10 年間で 100店舗の出店を目指しています。「くら寿司」はすでに米国と台湾に進出していますが、中国大陸への出店は今回が初となります。

■上海市の日系回転ずし
 上海市にはすでに幾つかの日系回転ずしが進出しています。株式会社はま寿司が運営する「はま寿司」(中国語:滨寿司)は、現在、上海市に 12 店舗あり、蘇州市や天津市、広州市、成都市、重慶市などにも進出しています。また、株式会社アールディーシーが運営する「がってん寿司」(中国語:合点寿司)も上海市に 7 店舗、蘇州に 2 店舗あります。

■日本の回転ずしが人気の理由
 なぜここまで日本の回転ずしが人気なのか…。まず、魚介類が新鮮なこと。店内で提供されている魚はどれも新鮮であるため安心して食べる事が出来ます。日本から空輸している魚は、値段は少々高くなりますが味は格別です。さらに店員の接客サービスが良い事も人気の理由の一つに挙げられています。中国国内の経済発展に伴い現地消費者の収入が上昇することで、多くの市民が、より良いサービスを求めるようになっています。丁寧な接客を提供する日本式サービスは現地でも人気があります。

■がってん寿司での食事体験
 弊社の現地スタッフが上海市の「がってん寿司」(金虹橋国際中心店)に足を運びました。週末の夕方でしたが、店内は沢山のお客で賑わっており、順番待ちが必要。店内を見渡すと、お客は中国人ばかりで日本人は見かけないとのこと。客層は子供連れの家族や友人と一緒が多く、一人で来店している客も多くいます。日本と比べて値段が少し高く設定されていても大盛況です。今後、日本の回転ずしが中国でどこまで展開していくことができるのか、引き続き注目していきたいと思います。

がってん寿司の様⼦︓⾦虹橋国際中⼼店

参照:风靡日本的人气回转寿司品牌寿司郎正式入驻成都,要你“转得安逸鲜得巴适”
https://www.jiemian.com/article/8468922.html

以上