ゼロコロナから方針転換、1 月 8 日から強制隔離を撤廃

中国政府は 12 月 26 日、突然、新型コロナウイルス対策のため、海外から中国本土に入る際に義務付けているホテルでの強制隔離を 1 月 8 日から撤廃すると発表しました。どのような措置なのか、わかりやすく説明してください。

 昨晩(2022 年 12 月 26 日)、国家衛生健康委員会と国務院は新型コロナに関して、以下の通達を発表した。

≪新型冠状病毒肺炎疫情防控通知公告≫
(新型コロナウイルス肺炎の予防と対策についての公告)
国家衛生健康委員会︓2022 年第 7 号
http://www.nhc.gov.cn/xcs/zhengcwj/202212/6630916374874368b9fea6c2253289e1.shtml

≪関与印発対新型冠状病毒感染实施“乙类乙管”総体方案的通知≫
(新型コロナウイルス感染症「乙類乙管」実施に向けた対策の通達)
国務院応対新型冠状病毒感染
疫情聯防聯控機制綜合組︓聯防聯控機制綜発〔2022〕144 号
http://www.nhc.gov.cn/xcs/zhengcwj/202212/e97e4c449d7a475794624b8ea12123c6.shtml

―――主な内容は以下の通り。
1.新型コロナウイルス肺炎「新型冠状病毒肺炎」を新型コロナウイルス感染症「新型冠状病毒感染」に改称する。

2.2023 年 1 月 8 日以降、「中華⼈⺠共和国感染症予防管理法」の【甲類】感染症としての新型コロナウイルス感染症の予防管理措置を解除し、新型コロナウイルス感染症を「中華⼈⺠共和国国境衛生検疫法」の検疫感染症の管理対象に含まない。

3.現在は 5 日間の強制隔離と 3 日間の⾃宅隔離が義務付けられているが、中国入国後の PCR 検査と隔離措置
は撤廃する。

●新型コロナウイルス感染症は「乙類甲管」から「乙類乙管」へ引き下げる。
この引き下げ措置により、これまでのコロナ対策を以下のように変更する。
1)新型コロナウイルス感染者の検疫措置や濃厚接触者を特定しない
2)高リスク・低リスク区域を指定しない
3)入国する⼈や物品に対して検疫感染症の管理措置を実施しない
●中国入国後の PCR 検査と隔離措置は撤廃。⾶⾏機への搭乗 48 時間前までに PCR 検査を受け、陰性の場合は渡航前の健康コードの申請は不要(申請して健康コードを取得してから搭乗していたが、手続きは煩雑だった)。陰性証明書の提⽰のみを求める措置に切り替える。

4.国際旅客便の便数・座席制限も撤廃
 国際旅客便の「五个一」政策を撤廃する。「五个一」は、「1 つの航空会社は 1 つの国向けに 1 航空便を 1 週間1 便のみ」とする政策。これにより国際旅客便の便数制限と座席数制限が撤廃される。今後は各航空会社の増便とそれに伴う航空チケット価格の値下げが期待できる。
 この他、⼯場生産の再開に必要な技術者やビジネスマン、留学生などにビザの便宜を図る。中国⼈の海外旅⾏については外国の感染状況を踏まえて、将来的に解禁する。
 また、感染症を危険度順に分けてきた「甲類」「乙類」「丙類」について、これまでコロナをコレラやペストと同様の「甲類並みの管理」を求めてきたが、1 段階引き下げて、エイズや重症急性呼吸器症候群(SARS)と同じ「乙類乙管理」として扱う。