世界最大の離岸式⼈⼯島空港となる大連の新空港(2)

 大連市では、新しい空港を建設することが話題となっていると聞きました。どのような空港なのか教えてください。

先々週に続き、大連新空港を取り上げます。世界最大の離岸式⼈⼯島空港となる「大連⾦州湾国際空港」のことです。中国本土で初の海上空港。⽇本の関⻄国際空港などの大規模国際空港の建設技術を参考にして、海洋埋め⽴てによる⼈⼯島に空港を建設する大プロジェクトです。
前回の(1)では、大連市と中央政府のトラブルについて解説しました。大連新空港の計画は 2000 年からすでに存在していましたが、中央政府の建設許可がないまま埋め⽴て⼯事が始められていたことが発覚し、一時中止となりました。そして今年、2022 年に正式に中央政府の認可を取得し、2026 年の運営開始目標に向かって、建設が再開されることになったわけです。

大連には 1927 年に建設された大連周⽔⼦空港があり、1973 年に開航し、⺠間空港として運営されてきました。しかし周⽔⼦空港はすでに「市街地内空港」となっているため、発展と運⾏は都市開発との⽭盾が目⽴っていました。また、旅客量の急増により、大連周⽔⼦国際空港は過負荷状態で運用されており、3 期改修を経て、2016 年頃には輸送能⼒もう飽和状態になりだした。これでは大連地区の⺠間航空産業の⻑期的な発展需要を満たすことができず、都市の発展を制約しているため、新空港建設が必要でした。

計画では、新空港は⾦州湾東部海域に位置し、南北 6.2Km、東⻄ 3.5km の⻑さで、⻩⾦⽐に近い⻑⽅形の⼈⼯島を形成し、離岸から最も近い距離は 3 Km です。
空港レベルは 4E/4F 規格に準拠して建設を⾏い、完成後は世界最大の旅客機エアバス A380 がスムーズに離着陸できる世界最大の海上空港となる予定で、空港には 4 つの滑⾛路の建設が予定されています。
まず本期⼯程の目標年は 2030 年とされており、ターミナルビルは 55 万平⽅メートル、総航空機数は 198 機で、遠距離平⾏滑⾛路が 2 本設置され、⻑さはそれぞれ 3600 メートルと 3400 メートル、年間旅客のスループット(処理能⼒)は 4300 万⼈、貨物郵便 55 万トン、フライトの離着陸 33 万機の需要を満たしているといいます。
⻑期目標年は 2050 年で、ターミナルビルの⾯積は 90 万平⽅メートル、3000 メートルの滑⾛路を 2 本拡張し、総機数は 299 機で、年間旅客のスループットは 8000 万⼈、貨物郵便は 100 万トン、フライトの離着陸は 55 万機の需要を満たす計画です。

■大連新空港の設計コンセプトは、「安全な、グリーンな、スマートな、人文的な」
大連新空港の設計コンセプトは、「安全な空港、グリーンな空港、スマートな空港、⼈文的な空港」の基準システムを確⽴し、内部品質と外部センスを備えた現代的な⺠間空港を建設・運営するのが目標です。
安全な空港︓空港の機能設計は、安全な運用、セキュリティとスクリーニング、暴動対策などの基本的なニーズを考慮する必要があります。
グリーンな空港︓庭園空港の概念を導⼊し、エコロジー空港を建設し、環境保護新材料、太陽光発電、⾬⽔リサイクルなどの技術の応用を積極的に推進し、省エネルギー、排出削減、無害廃棄物を実現します。
スマートな空港︓ビッグデータ、クラウドコンピューティング、モノのインターネット、モバイルインターネットなどの先進的な情報技術を総合的に活用することで、空港運営、旅客サービス、空港管理は大幅に改善されます。旅客サービスの⾯では、e チケット、e インボイス、セルフチェックイン、ペーパーレス搭乗などのサービスをさらに普

及させ、旅客情報、特にフライトの変更や遅延など旅客の移動に直接影響を与え
るダイナミックな情報サービスを、健全なシステムとして確⽴していきます。
⼈文的な空港︓公共交通機関のインターチェンジ、航空機のタキシング効率、乗客の歩⾏距離とトランジットタイムの短縮、最初の手荷物の到着など、さまざまな指標で最先端のサービスを提供する。ターミナルビルは、複数の指廊を設け、機能的な統合と効率性を重視し、シームレスな交通接続を実現するために、統合交通接続に重点を置いて設計されます。


■大連から北⽶、ヨーロッパへの航路開通を計画
大連航空旅客・貨物の安定的な運営と成⻑をよりよく促進するため、大連市政府は「大連航空運送産業開発特別基⾦暫定管理措置」を公布しました。これは、資⾦⽀援を通じて、北東アジア地域ハブ空港の基盤を築くために、密接な⽇本と韓国の路線の拡大を積極的に⽀援するものです。
大連と東北・⼭東半島の路線ネットワークの利点をフルに活用し、中⻄部都市との戦略的協⼒を積極的に推進し、中⻄部-大連-北⽶、大連-中⻄部-ヨーロッパ間の大陸間路線を開設して東南アジアの観光客を誘致し、潜在的な東南アジアの観光需要を活性化し、大連経由で東南アジア路線を開通させます。丹東やパンジンにターミナルを建設し、周辺都市からの旅⾏者を誘致します。
国際線、国内幹線、地域⽀線の相互⽀持と協調発展の航空輸送ネットワークシステムを育成することを通じて、「一帯一路」などの国家戦略に貢献し、地域経済発展の需要に応えていきます。
※参考サイト
快看,大连新机场效果图︕
https://mp.weixin.qq.com/s/DeWdB62hkGbcbxLMkKZdBQ



以上