拡大する中国の中古車市場について(2)――中国における新車の“並行輸入”

先週は、中国の中古車市場についてお聞きしましたが、中国では原則として海外から中古車の輸入が禁止され、新車であれば“並行輸入”が可能だと回答をいただきました。それでは、新車の並行輸入市場はどうなっているのかを教えてください。

ご指摘の通り、中国では原則として海外から中古車の輸入が禁止されています。また、新車であれば“並行輸入”が可能です。現在、中国への並行輸入車(新車)の主な輸入港は、天津港、青島港、大連港、福州港(福建省)と黄埔港(広州市)の5つの港です。2016 年のデータによると、これら5つの港の並行輸入での輸入量は、全体の 87%を占めています。そのうち、天津港は特に取扱量が多く、その全体の 56%を占めています。

2017 年上半期、中国の平行輸入車数は8万 1,649 台に達し、前年同期比 49.7%増加しました。そのうち、天津港の並行輸入車数は5万 5,491 台で、前年同期比 89.6%の増加、全体の 68%を占めています。この様に、天津港は中国全国の中で最大の並行輸入車を取り扱う港です。

並行輸入車は比較的安い価格で手に入れる事が出来ると言われていますが、中国の場合、国内正規店でアフターサービスを受ける事が出来ません。また、並行輸入車の車輌規格は、中国の法律の要求に合わないため、場合によっては車輌を改造する必要があります。例えば、メーターボードをマイルからキロに変更や、後方のランプを中国標準へ変更する事などです。これらの改造は基本的に輸入港で行われています。

■並行輸入車(新車)の販売状況
中国の大手検索サイト「百度」で並行輸入車(新車)の販売状況を調べたところ、以下のウェブサイトが見つかりました。
※ちなみに「並行輸入」の言葉を中国語で表すと「平行进口车」(平行進口車)となります。

サイト名:愛採購
ウェブサイト:平行进口汽车 – 平行进口汽车批发价格、市场报价、厂家供应 – 百度爱采购 (baidu.com)

サイト内で「並行輸入」と検索すると、沢山の並行輸入車輌が見つかりました。参考に、一つだけ並行輸入車輌の情報をまとめてみます。

各車輌の販売ページには、その販売会社の情報や担当者の連絡先が掲載されています。実際に日本から車輌を輸入販売している販売店もいるため、もし並行輸入で新車販売をしたい場合は、これらの販売店へ連絡を取ってみるよ良いと思います。これらの企業は、すでに実績があるため、並行輸入のやり方についての知識が豊富です。

■愛採購について
上記で取り上げた並行輸入車輌の販売サイト「愛採購」について調べました。

(トップ画面)

「愛採購」は中国大手検索サイト「百度」の傘下に属す「B2B プラットフォーム」。2018 年 10 月に設立され、安全で
便利な B2B 間の取引サービスを提供しています。百度の傘下企業であるため、信頼感があります。
ウェブサイト:愛採購(https://b2b.baidu.com/)