今週のトピックス(2026年9月)

2026年9月24日

■中国1~8月の財政収入5.7%増、税収が回復

中国財政部が発表した2026年1~8月の全国一般公共予算収入は、前年同期比5.7%増の15兆6,633億元となった。このうち税収は6.6%増の12兆9,104億元、非税収入は1.5%増だった。主要税目では、国内増値税が5.9%増、企業所得税が7.3%増、個人所得税が14.5%増と比較的高い伸びを示した。一方、国内消費税は3.6%減少した。中央政府の一般公共予算収入は9.1%増、地方政府は3.1%増となり、中央と地方で伸びに差がみられる。税収全体が回復していることは景気や企業収益の改善を一定程度反映する一方、消費関連税収の弱さから、内需回復にはなお課題が残っている。

■中国、スマートホーム消費促進策を発表 買い替え支援も対象

9 月19日、中国商務部など8部門は「スマートホーム消費促進行動方案」を発表した。住宅関連消費を拡大するとともに、AIやIoTを活用した家電・住宅設備の普及を後押しする。具体的には、スマートホーム体験施設やモデルルームの整備、製品間の相互接続に関する国家標準の策定、高齢者向け見守り・健康管理機器の普及などを進める。また、2026 年の消費財買い替え政策を活用し、地方政府がスマートホーム製品を補助対象に加えることも可能とした。住宅市場が低迷する中、中国政府は家電、住宅設備、通信、リフォームなど幅広い産業を連動させ、内需拡大につなげる方針だ。

■人民元、対ドルで3年半ぶり高値 中国人民銀行が上昇容認

中国の人民元は21日、対米ドルで一時1ドル=6.6950元まで上昇し、約3年半ぶりの高値を記録した。中国人民銀行が同日の基準値を6.7487元と、2023年2月以来の元高水準に設定したことが背景にある。中国人民銀行はこれまで、急速な元高を抑える姿勢を示してきたが、9月に入って市場実勢との差を縮小しており、緩やかな人民元上昇を容認しているとの見方が広がった。一方、米中の金利差や中国国内の景気の弱さは依然として残っており、市場では今回の上昇が長期的な人民元高局面の始まりかどうかについては慎重な見方も出ている。

■CXMTがNAND参入準備か、中国メモリー2強の競争激化

ロイター通信によると、中国の半導体メモリー大手、長キン存儲技術(CXMT)がNAND型フラッシュメモリー市場への参入を準備していることが分かった。北京の新工場に研究開発用の生産ラインを設ける計画で、顧客とも供給に向けた協議を始めた。人工知能(AI)向け需要の拡大で世界的なメモリー不足が続くなか、DRAM中心だった事業領域を広げる。CXMTの親会社、長キン科技集団は2026年7月の新規株式公開(IPO)で約666億700万人民元(約1 兆5670億円)を調達し、北京で第2のメモリー工場建設を計画する。YMTCの親会社も上海でのIPO手続きを進めており、330億人民元の調達を計画している。米国による半導体輸出規制を背景に、中国ではメモリーの国産化を急ぐ動きが加速しており、両社の事業領域拡大で国内競争も一段と激しくなりそうだ。

■BYDが西安で8000人超を採用、増産・輸出拡大で人員確保

中国の自動車大手、比亜迪(BYD)が陝西省西安市の生産拠点で8000人超を新規採用する。高新、草堂、集賢、西咸の複数工場で同時に募集し、溶接や塗装、組み立てなど現場作業員を中心に人員を増やす計画だ。2026年上半期の減産調整を終えて増産に転じたことに加え、輸出向け受注の拡大で生産現場の人手が不足している。報道によると、採用職種は溶接、塗装、組み立てのほか、プレス作業、品質検査、フォークリフト運転、設備保守など。増産を支えるのが輸出の拡大だ。BYDの新エネルギー自動車(NEV)輸出台数は26年8月に前年同月比134.5%増の18 万9466台と過去最高を更新。月間販売の43%を占めた。西安は輸出車の主要生産拠点の一つで、海外需要の拡大が大規模採用に直結している。

2026年9月19日

■中国輸出入が大幅増、AI・ハイテク製品がけん引

税関総署が発表した8月の貿易統計によると、輸出は人民元ベースで前年同月比18.6%増、輸入は21.7%増となり、輸出入ともに4カ月連続で2桁の伸びを記録した。ドルベースの輸出も25.0%増と大幅に拡大した。輸出を支えたのは、半導体やAI関連製品、新エネルギー車などのハイテク・高付加価値製品で、中国の製造業の競争力が引き続き貿易を押し上げている。1〜8月の貿易総額も前年同期比17.6%増加した。国内では消費や不動産投資など内需の弱さが続く一方、輸出を中心とする外需が景気を下支えしており、中国経済における貿易の重要性が一段と高まっている。

■中国、8月工業生産が回復、消費と投資は弱さが続く

国家統計局が発表した8月の経済指標によると、一定規模以上工業企業の付加価値は前年同月比5.2%増となり、7月の4.5%増から伸びが加速した。特に高技術製造業は16.7%増と高い伸びを示し、中国政府が重点分野として育成する先端産業が生産全体をけん引した。一方、小売売上高は前年同月比0.4%増にとどまり、個人消費の回復は依然として弱い。また、1〜8月の固定資産投資も前年同期比7.2%減少した。製造業やハイテク分野には一定の回復が見られるものの、消費や投資の低迷が続いており、中国経済は分野によって景況感に大きな差がある状況となっている。

■中国の銀行融資が低調、企業・家計の資金需要に弱さ

中国の8月の新規人民元建て銀行融資は600億元となり、市場予想の約4,000億元を大きく下回った。7月には新規融資がマイナスとなっていたため、8月はプラスに転じたものの、資金需要の回復は依然として限定的である。特に住宅市場の低迷を背景に、住宅ローンを含む家計向け融資は6カ月連続で減少した。また、1〜8月の新規融資額も前年同期の水準を下回っている。中国政府は金融緩和や景気刺激策を進めているが、企業は設備投資、家計は住宅購入や消費のための借り入れに慎重な姿勢を続けている。金融機関に資金供給余力があっても借り手の需要が弱く、内需回復の難しさを示す指標として注目されている。

■「南北トヨタ合弁」再編観測、コストを削減

自動車大手の広州汽車集団(GAC)は、中国第一汽車集団(一汽)の子会社が保有する完成車合弁会社の一部株式を取得する方向で協議している。取得対象の社名は公表していないが、複数の中国メディアはトヨタ自動車との合弁会社、一汽豊田が対象と報じており、中国に2社あるトヨタ合弁事業の再編観測につながっている。今回の取引で一汽豊田と広汽豊田が合併すると決まったわけではないが、販売低迷が続く中国市場で、両社の調達や商品開発、販売網の連携を将来進める布石になるとの見方が出ている。広州汽車が一汽豊田に出資すれば、中国にあるトヨタの主要合弁2社の双方に資本関係を持つことになる。重複する車種開発や部品調達、販売・アフターサービスを共同化できれば、長年指摘されてきた「南北トヨタ」の内部競合を抑え、開発コストを削減できる余地がある。

■ファーウェイ、事業分野拡大しない、通信と計算に集中

通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)は新たな事業分野への拡大を控え、強みを持つ通信接続とコンピューティングに経営資源を集中する。郭平・監事会主席が新入社員との座談会で明らかにした。人工知能(AI)向け計算インフラや第6世代(6G)移動通信などを重点分野と位置づけ、既存事業の競争力を深掘りする。郭氏は「将来の中核戦略は集中だ」と述べ、「事業分野拡大の計画はない」と明言した。世界の顧客向けにデジタルインフラを提供し、AI発展のための多様な選択肢を提供することを目指すという。

2026年9月10日

■中国製造業で海外売上5割超相次ぐ、OEMからブランド・技術競争へ

中国製造業で海外事業の比重が高まっている。自動車や家電、建設機械などで海外売上高が全体の半分を超える企業が相次ぎ、自社ブランドによる世界展開を加速している。2026年上半期、電気自動車(EV)大手の比亜迪(BYD)は海外自動車販売台数が79万台を超え、総販売台数の約44%を占めた。海外売上高は総売上高の52.57%に達し、国内を初めて上回っている。自動車・関連製品の海外売上高は前年同期比で約56%拡大した。スマートフォン、車載用動力電池、太陽光発電、新エネルギー車、建設機械、スマート家電、ドローンなどでは、製品輸出だけでなく、海外工場や研究開発拠点、サプライチェーン、サービス網の構築が進んだ。技術標準や管理方式、産業チェーン全体を海外に展開する動きもある。欧州や北米などへの参入では、より厳しい技術、安全、環境、消費者関連の基準への対応が求められる。中国企業の競争軸は、価格中心からブランド、技術、付加価値を競う方向に移りつつある。

■中国、1-8月に国際航空貨物路線115路線を新規開設

中国物流購買連合会航空物流分会によると、今年に入ってから、中国の国際航空貨物輸送ネットワークの整備が引き続き進んでいる。1-8月には全国で115本の国際航空貨物路線が新たに開設され、週当たりの往復便数は292便増加した。このうち8月には11路線が新たに開設され、週当たりの往復便数は34便増加した。方面別に見ると、1-8月に新たに開設された路線のうち、アジア路線が57路線、欧州路線が41路線、北米路線が13路線、アフリカ路線が3路線、南米路線が1路線だった。貨物の種類別に見ると、越境EC貨物、ハイエンド製造業関連貨物、高付加価値貨物、電子製品、自動車部品などが中心となっている。

■2026年世界新エネルギー企業トップ500、売上高総額が初の10兆元突破

中国エネルギー経済研究院の魏秋利・常務副院長は9月4日午後、2026年太原エネルギー低炭素発展フォーラムの電力・炭素・コンピューティング協同発展フォーラムで、「2026年世界新エネルギー企業トップ500競争力分析報告」を発表し、その内容について解説した。報告書によると、地政学的要因などの影響を受ける中、世界の新エネルギー企業上位500社は再び2桁成長を実現し、売上高総額が初めて10兆元(1元は約23.2円)を突破して10兆5900 億元に達した。また、中国企業は260社がランク入りし、その売上高の合計が500社全体に占める割合は51.84%となり、引き続き世界の新エネルギー産業の半数以上を占めた。

■一汽と零ホウが提携強化、吉林はEV転換で自動車産業再建へ

中国自動車大手の中国第一汽車集団(一汽)と新興電気自動車(EV)メーカーの浙江零ホウ科技(ジャージアン・リープモーター・テクノロジー)は、戦略提携を強化する。両社はこのほど、従来の資本提携に加え、完成車や自動運転、電池、車体部品など幅広い分野で協力することに合意した。自動車産業の低迷に直面する吉林省にとって、零ホウの技術や成長力を取り込み、EV転換を加速する狙いがある。汽と零ホウは25年3月にNEV分野で提携し、その後、一汽の「紅旗ブランド」向けの技術開発やEVプラットフォーム供給で協力。同年12月には一汽が約37億4400万人民元(約885億円)を投じ、零ホウに約5%出資する契約を結んだ。今回の協定では協力範囲をNEV完成車、スマート運転、パワートレイン、電池、スマートシャシー、軽量化部品、エンボディドAIロボット、金融など10分野に広げた。

■ファーウェイ、新型半導体を6年ぶり発表 折りたたみスマホに搭載

中国の華為技術(ファーウェイ)は7日、スマートフォン向け最新半導体を発表した。スマホの発表会で新型半導体を詳細に説明するのは6年ぶり。米国に高性能半導体の調達を禁じられているが、自社設計の半導体で商品性能を高める。新製品3つ折りスマートフォン「HUAWEI Mate XT 2 ULTIMATE DESIGN」には、同社が開発した最新の高性能チップ「麒麟(Kirin)9050 Pro」が搭載される。同時に独自の基本ソフト(OS)「HarmonyOS 7」も発表し、同日からパブリックベータ版の提供を始めた。Mate XT 2の価格は1万9999元(約46万円)からで、9月12日に発売される。麒麟9050 Proは、単一チップの内部で論理ユニットを立体的に階層配置する「ロジック・フォールディング技術」を採用した初の高性能チップとされる。従来の平面的な配置から、いわば「平屋」から「メゾネット」へと進化させることで、チップ内部の集積度を高めているという。

2026年9月4日

■外国人の外資配当所得に20%課税、免税措置を撤廃

財政部と国家税務総局は1日、外国籍の個人が外資企業から受け取る配当を個人所得税の課税対象とすると発表した。即日適用し、税率は配当所得に適用する20%とする。中国は外資誘致を目的に1994年から同配当所得を免税としてきたが、約32年ぶりに制度を見直す。税制の公平性を高めるとともに、制度を利用した税負担回避や税収流失を防ぐ狙いがある。新制度では、外資企業が外国籍の個人に配当を支払う際に税金を源泉徴収する。翌月15日までに申告・納付が必要。企業が源泉徴収しなかった場合は配当を受け取った外国人本人が翌年6月末までに納税する。

■中国が2030年までに社会消費財小売総額60兆元を目指す計画発表

商務部を含む7当局は8月31日、「商品消費の拡大・高度化の推進に関する実施意見」を発表し、2030年までに、社会消費財小売総額を約60兆元(約1428兆円)にすることを目標に掲げた。グリーン消費、スマート消費、健康消費などの市場規模を10兆元以上にまで拡大させ、関連分野における消費の継続的な発展・拡大を促進する。さらに、自動車や家電、通信機器、繊維製品・衣料品といった1兆元級の市場の小売総額を引き続き増加させ、世界最大の市場というポジションを維持するとしている。実施意見で言及されている商品消費促進の重点任務には、自動車やスマートホームといった耐久消費財の消費促進、日用品の消費拡大、高齢者や乳児・児童を対象とした特色ある商品の消費サポートなどが含まれており、消費高度化のニーズに対応し、高度化された商品の消費を拡大させるとしている。中でも、人工知能(AI)関連商品の研究開発体制を整備し、世界最先端で、消費のポテンシャルが大きなスマート消費財を打ち出すことを目標に掲げている。

■中国8月の製造業PMIは49.8% 景況感が改善

中国国家統計局サービス業調査センター、中国物流・調達連合会が8月31日に発表した8月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.8%と、前月比で0.6ポイント上昇し、製造業の景況感に改善が見られた。中国国内の需要が目に見えて回復している。8月の新規受注指数は50.6%で、前月比で2.1ポイント上昇し、「景気拡大」を示す50 を再び上回った。海外市場の需要もやや改善し、輸出の新規受注指数は50.1%と、前月比で0.5ポイント上昇した。企業の生産は、安定の中で増加した。8月、製造業の生産指数は50.4%と、前月比で0.5ポイント上昇した。前月は「景気拡大」を示す50%を下回ったものの、今月は50%を上回った。

■BYDは中間21%減益、海外売上高が初の国内超え

自動車大手の比亜迪(BYD)は8月28日引け後、2026年6月中間期の業績を発表し、純利益が前年同期比20.5%減の123億2540万人民元(約2930億円)に縮小したと報告した。売上高は7.1%減の3448億1542 万人民元。新車販売の減少と為替差損の計上が響いた。同社がこれより先に発表した営業データによると、上半期の新エネルギー自動車(NEV)販売台数は前年同期比15.7%減の180万8511台に縮小している。ただ、世界のNEV市場でトップシェアを維持。また、輸出台数は67.8%増の79万2000台と大幅に拡大し、中国のNEV輸出で首位を維持している。海外での販売増を受け、全体の粗利益率は18.85%(↑0.84ポイント)に改善した。地域別の売上構成比は、中国(香港・マカオ・台湾含む)が47.4%、海外が52.6%。海外の比率が初めて中国を上回っている。中国が30.7%減収となる半面、海外は33.9%増収だった。

■中国・陶世智能、ヒト型ロボット向けに直交軸減速機 30億円調達

精密減速機メーカー「陶世智能(Talls Gear)」はこのほど、海川聚義などから1億4000万元(約30億円)を調達した。資金は主に製品開発や生産能力の拡張、ロボット市場の開拓に充てられる。陶世智能は2016年に深圳市で設立され、小型の直交軸減速機とロボット用関節モジュールの開発に注力している。業界で主流のハーモニックドライブやロータリーベクトル(RV)、遊星歯車方式ではなく、比較的ニッチな直交軸タイプを採用。減速機構と動力の方向を90度変える機構を一体化し、省スペース化と高精度化を図っている。約2万平方メートルの生産拠点では、主要モジュールを年間50万~70万個生産でき、年間生産額は約5億元(約120億円)に相当。新工場が稼働を始めれば、年間生産能力は100万~150万個に拡大する見通しだという。