日系企業進出状況(2026年2月)

2026年2月26日

■セブンやローソン、中国の出店計画未達に 景気悪化や現地勢の攻勢で

コンビニエンスストア大⼿の中国の新規出店が鈍化している。セブン―イレブン・ジャパンは2026年2月期の出店数が計画未達となる公算のほか、ローソンは25年度に1万店とする店舗目標を約3割下回る。経済成⻑を受けて積極出店してきたが、景気低迷に加え低価格や宅配を強みとする現地勢との競争も激しく中国戦略の修正を急ぐ。日系コンビニの苦戦の最大の要因は、中国現地コンビニチェーンの急速な成⻑だ。2023年の中国コンビニ店舗数ランキングでは、トップ20 の大半を現地企業が占めている。

■大塚製薬の天津第2⼯場が完成、「ポカリ」⽣産能⼒2.5倍に

大塚製薬は5日、中国の子会社・天津大塚飲料が天津市にポカリスエットの新⼯場「天津第⼆⼯場」を開設し、同日完成式を実施したと発表した。稼働開始は4月を予定しており、生産能⼒は既存⼯場⽐で2.5倍に拡大する。新⼯場は敷地面積3万2997平方メートル、延床面積2万5285平方メートルの2階建てで、500ミリリットルのペットボトル製品を製造する。従業員数は38⼈で、HDPE製造ラインなど最新設備を導⼊。併設施設では水分・電解質補給の重要性を伝える啓発活動も⾏い、既存⼯場と同様に「教育基地」としての機能を持たせる。

2026年2月19日

■トヨタが中国でロボタクシー量産 ポニーと、26年内に1000台配備へ

トヨタ自動⾞は10日までに、中国で⼈⼯知能(AI)やセンサーを搭載して無⼈⾛⾏を実現する「ロボタクシー」の量産を始めたと発表した。中国のベンチャー企業、小⾺智⾏(ポニー・エーアイ)と共同開発した。広東省の⼯場で生産し、年内に大都市で千台規模を配備する。ポニーは既に北京や上海で自動運転タクシーの運⾏をスタートさせている。これまでは既存のトヨタ⾞にポニーの自動運転技術を搭載していたが、今後は共同開発した専⽤⾞への切り替えを進める。トヨタとしても、ポニーとの合弁会社を通じてロボタクシー事業に参⼊することになる。

■日産の中国EV、マイナス20度の極寒地で性能磨く 26年から輸出へ

日産自動⾞が中国で電気自動⾞(EV)の競争⼒を高めている。現地の需要にあわせた⾞種を作り込み、電池の性能が下がりやすい寒冷地でも安定して⾛⾏できるように試験を重ねる。現地主導で企画・開発した⾞種の販売は好調で、顧客の裾野が拡大。2026年内に中国外への輸出も始める計画だ。日産は2月上旬、中国東北部の⿊⻯江省⿊河市にある寒冷地試験場を日本メディアに初めて公開した。

2026年2月12日

■常⽯造船、中国拠点でメタノール⼆元燃料コンテナ船竣⼯

常石造船(広島県福山市)は12日、中国拠点の常石集団(⾈山)造船で、メタノール⼆元燃料5900TEU型コンテナ船が完成したと発表した。船舶はAPモラー・マースク(デンマーク)向けに傭船される。日本国内に限らず、海外拠点でも新燃料船を継続的に建造できる体制が整ったことを示す。同社はこれまで、2025年5月に日本の常石⼯場でメタノール⼆元燃料ウルトラマックス、26年1月にフィリピン拠点のTSUNEISHI HEAVY INDUSTRIES(CEBU)で世界初となるメタノール⼆元燃料KAMSARMAX型ばら積み船を竣⼯してきた。今回の中国拠点でのコンテナ船完成は、設計・建造ノウハウが国境を越えて展開できる段階に入ったことを示す。

■敏実がアイシン・豊⽥通商と合弁、アルミ製⾞体骨格部品を生産

アイシン、豊田通商、Minth Group Limitedの3社は2月5日、北⽶市場における⾞載用アルミボディ骨格部品の供給体制強化を目的として、カナダ・オンタリオ州に合弁会社「ATM Automotive Parts Inc.」を設⽴すると発表した。アルミボディ骨格部品は、バッテリーEVやプラグインハイブリッド⾞に搭載される電池を安全かつ効率的に保持・固定するための構造部品であり、アルミ押出成形技術によって製造される。電動化と軽量化の進展に伴い、アルミボディ骨格部品の需要が着実に増加していく環境下において、市場および顧客の期待に的確かつ柔軟に応え、持続的に部品供給を⾏っていく必要がある。

■サイゼリヤが武漢進出、初日400組待ち

イタリア料理チェーンのサイゼリヤは1月15日、中国・湖北省武漢市の商業施設「イオンモール武漢経開」に内陸部初と
なる「サイゼリヤイオンモール経開店」を開店した。初日は400組待ちの盛況だった。若年層が多く⻄洋料理の受容性が高い点、GRP成⻑の堅調さ、出店可能な商業施設の多さが決め手で出店したという。上海・広州で人気の上位メニューを調整し、リゾット拡充や「麻辣ひき肉ドリア」など現地嗜好に対応。武漢は18〜34歳が23.3%(2021年)で、大学等83校を抱える学生都市。今後10年で湖北・湖南に100店超を目指し、まず3年で、武漢で採用・育成を進め、店⻑候補が育ち次第、武漢以外へも展開。広州の管理会社と連携し業務標準化も進める方針。

2026年2月5日

■ヨドコウ、鋼板製造の中国⼦会社を売却 鋼材不況で⾚字

ヨドコウは、中国⼦会社の株式の⼀部を売却すると発表した。ヨドコウグループは中国安徽省の鋼板メーカーである淀川盛餘(合肥)高科技鋼板(YSS社)の株式をこれまで100%保有していたが、このうち95%を現地の鋼材卸売業者へ譲渡する。YSS社の2024年12月期は、売上高が約100億円、最終損益は約5億円の赤字だった。中国では鋼材需要が伸び悩む⼀⽅で供給過剰が続いており、今回の売却はこうした環境を踏まえた判断とみられる。譲渡契約は4 月24⽇に締結し、譲渡の実⾏は6月下旬を予定する。株式売却損の計上を⾒込むものの⾦額は未定としている。

■イトーヨーカ堂、北京の店舗運営撤退と競争条件の変化

イトーヨーカ堂は北京店運営から撤退した。完全⼦会社の株式90%を中国現地企業に売却し、北京ではブランドライセンス事業のみを残す。イトーヨーカ堂の北京撤退は、「中国の消費停滞」や「ネットスーパーの台頭」といった外部要因だけでなく、本質はより複合的。今回の動きは、店舗運営から撤退し、現地企業への株式譲渡を通じて「ブランドライセンス供与」へ切り替えるモデル転換である。これは運営リスクを抑えつつブランド価値を⽣かす現実的な判断と⾔える。背景には確かに逆風があったが、決定打は「競争⼒」の低下にある。「安⼼・品質」だけでは差別化が難しくなり、デジタル化や現地ニーズへの適応(ローカライズ)で後れを取ったことが響いたと指摘されている。