今週のトピックス(2024年11月)

2024年11月27

■対中輸入には既存の追加関税にさらに 10%上乗せ

⽶国の次期⼤統領に就任予定のドナルド・トランプ⽒は、中国からの全ての輸⼊に対して、既存の追加関税に加えてさらに 10%の上乗せ関税を課すとした。中国原産品に対しては、1 期目のトランプ政権時の 2018 年 7 月以降、1974 年通商法 301 条を基に、相当数の品目に対して 7.5%ないしは 25%の追加関税が課されている。バイデン政権でもそれは維持され、2024 年 9 月 27 日からは中国製の電気⾃動⾞(EV)など一部品目に対する追加関税の 100%への引き上げを含む追加的措置も打っている。

■中国、⽇本へのビザ免除を再開、滞在期間は 30 ⽇に

外交部は 11 月 22 日の記者会⾒で、日本の一般旅券保持者に対して、ビザ免除措置を適用すると発表した。期間は11 月 30 日から 2025 年 12 月 31 日まで。ビザ免除となる滞在期間は 30 日以内とした。すでに実施されているビザ免除措置の滞在期間は 15 日以内だが、今回の発表に合わせ、既存の対象国についても、30 日以内に拡⼤する。その他、対象となる訪中理由について、これまでのビジネス、観光、親族・友人訪問などに、交流を加えた。

■第 7 回上海輸入博開催、⽇系企業及び団体 54 社が出展

第 7 回「中国国際輸⼊博覧会(CIIE、上海輸⼊博)」が 11 月 5〜10 日に上海市の国家会展中心で開催された。ジェトロは JAPAN MALL 事業の取り組みの一環として、ジャパンパビリオンを設け、「ペットと暮らす Nature Pet &Me」をテーマに、54 社・団体の商品とサービスを展⽰した。中国のペット市場は高い成⻑が期待されており、ペットフードやペット関連の日用品、IP コラボ商品、関連サービスを PR した。ペットの⻭磨きや⾷事管理など、日常の健康ケアが中国でも重要視されつつある。日本の関連商品は、健康管理に関する効果や機能⾯で品質が高く、消費者のニーズも高い傾向がある。

■「FHC 上海環球⾷品⾒本市 2024」のジャパンパビリオンに⽇本企業 74 社が出展

11 月 12 日から 14 日にかけて中国で開催された⾷品総合⾒本市「FHC 上海環球⾷品⾒本市 2024」にジャパンパビリオンを設置した。今回の展⽰⾯積は 20 万平⽅メートルにおよび、世界 50 カ国・地域以上から 3,000 社以上が出展し、会期中には 17 万人以上のバイヤーが来訪した。今回のジャパンパビリオンは、2023 年の 2 倍の規模で、調味料、アイスクリーム、菓⼦、日本産コメ、健康⾷品、麺、酒類などを取り扱う過去最多の 74 社の日系企業が出展し、計1,400 種類以上の日本産⾷品・酒類が展⽰された。

■ファストリが中国工場の重要性強調

ファストリ(ファーストリテイリング)の柳井正会⻑兼社⻑が「チャイナ+1」戦略に否定的な⾒解を⽰したことが伝えられた。ファストリにとって中国の工場が依然として非常に重要な役割を果たしている。中国の工場は高度な技術⼒と効率的な⽣産体制を持ち、グローバル市場で競争⼒を持つ製品を⽣産できる。高品質でコストパフォーマンスの良い商品を提供するためには、中国の⽣産拠点が欠かせない。加えて中国は主要な消費市場。中国市場は巨⼤で成⻑性があり、そこから撤退することはファストリのビジネスモデルにとってリスクを伴う。

■東風⽇産の新ブランド戦略「N シリーズ」と EV「N7」

日産⾃動⾞が広州で 2024 年 11 月 15 日に開幕した「第 22 回広州国際⾃動⾞展覧会(広州モーターショー)」で新ブランド戦略「NI」の詳細を明らかにした。同社の中国合弁会社である東風日産と進める。東風日産は 2026 年の終わりまでに、「N シリーズ」と呼ぶNEV 商品群を 5 ⾞種投⼊する。電気⾃動⾞(EV)とプラグインハイブリッド⾞(PHEV)をパワートレーンとして想定する。最初の⾞種として 2025 年前半にセダンタイプの EV「N7」を発売する。右記画像の N7、全⻑は 4930mm、ホイールベースは 2915mm。

■東芝エレベータ、中国子会社の株式を美的集団に一部売却

東芝エレベータは中国事業を展開する⼦会社 2 社の株式を中国家電⼤手の美的集団に売却する。売却額は非公表。中国では現地メーカーとの競争が激しくなるなか、東芝エレベータは好調な国内事業に経営資源を集中する。東芝エレベータは 1995 年に中国で現地法人を設⽴し、現在は東芝電梯と東芝電梯瀋陽の 2 社を持つ。美的集団傘下の建設設備などを手がける⼦会社が 2 社の株式について、それぞれ 58%を取得。株式譲渡後も、2 社は引き続き東芝ブランドで事業を展開する。

2024年11月20

■中国で PHV 急増、広州汽⾞や BYD が新型 シェアで EV 迫る

11 月 15 日に中国広東省広州市で開幕した「広州国際汽⾞展覧会(広州モーターショー)」で、中国勢が新型のプラグインハイブリッド⾞(PHV)を次々と発表した。1〜10 月の中国新⾞販売は PHV のシェアが 15%超となった。2 割を占める電気⾃動⾞(EV)との差は縮まっており、新たな競争市場が⽣まれている。

■中国、10 月の⼯業生産 5.3%増 ⾞増産も⼩幅鈍化

中国国家統計局が 15 日発表した 10 月の⼯業⽣産は前年同月を 5.3%上回った。伸び率は 9 月の 5.4%から小幅に鈍化した。電気⾃動⾞(EV)など新エネルギー⾞の⽣産が増えた。主要産品の⽣産量をみると新エネ⾞は48.6%増だった。集積回路は 11.8%増えた。不動産不況の影響でセメントは 7.9%減った。

■中国アウトレット 5 兆円市場に 京東参⼊、節約志向で

中国でアウトレットなど安売り業態が広がっている。業界団体の推計によると 2023 年の販売規模は前年⽐ 9.5%増の2300 億元(約 5 兆円)となった。在庫処分品など仕⼊れて安く売る店舗が増えており、ネット通販大⼿の京東集団(JD ドットコム)も 9 月末に参⼊した。消費者が節約志向を強めるなか、商機をつかもうと参⼊が広がる。

■ぬいぐるみ「ジェリーキャット」 中国で大人の心癒やす

英国発のぬいぐるみブランド「ジェリーキャット」が中国で人気だ。クマやウサギなどの定番に加え、卓球ラケットやケーキ、野菜を擬人化したコミカルな商品が並ぶ。値段は 300 元(約 6400 円)前後。心に癒やしを求める大人が買っている。

■⼩⽶の純利益 10%増 7〜9 月、EV 納⾞ 13 万台に上方修正

中国スマートフォン大⼿の小米(シャオミ)が 18 日発表した 2024 年 7〜9 月期の純利益は 53 億元(約 1100 億円)と前年同期⽐ 10%増だった。増益は 2 四半期連続。主⼒のスマホ事業に加え、新規参⼊した電気⾃動⾞(EV)の好調な販売が寄与した。

2024年11月13

■中国、10 月輸出 12.7%増 7 カ月連続プラス

税関総署が 7 ⽇発表した 10 月の貿易統計(ドル建て)によると、輸出は前年同月⽐ 12.7%増の 3090 億ドル(約 47 兆円)だった。パソコン関連や⾃動⾞などの出荷が好調で 7 カ月連続のプラスとなった。輸出の伸びは 9 月(2.4%増)から拡⼤し、2022 年 7 月以来の⼤きさとなった。輸⼊は 2.3%減の 2133 億ドルだった。4 カ月ぶりのマイナスだった。

■中国半導体設備市場、25 年から縮⼩へ 買いだめの反動減

中国の半導体製造設備の市場規模は 2024 年にピークを迎えて 25 年から縮⼩する⾒通しとなった。⽶中対⽴の先鋭化を受け、中国企業が買いだめを狙って海外設備を前倒しで調達した反動が出るため。

■7〜9 月外資の対中投資、2 期連続の流出超 経済減速で

国家外貨管理局が 8 ⽇発表した 7〜9 月の国際収支によると、外資企業の直接投資は 2 期連続でマイナスとなった。⼯場新設など新規投資分が撤退や事業縮⼩に伴う資本の回収分を下回ったことを⽰す。経済減速が投資意欲の減退につながった。

■テンセント、手のひら決済で VISA 提携 まずシンガポール

騰訊控股(テンセント)は 8 ⽇、VISA(ビザ)と提携してシンガポールで⼿のひら認証の決済サービスを始めると発表した。テンセントは今回の取り組みを⾜がかりに、世界で同サービスを広げる狙い。シンガポールの⼤⼿銀⾏である DBS、ユナイテッド・オーバーシーズ銀⾏(UOB)、オーバーシー・チャイニーズ銀⾏(OCBC)が発⾏している VISA カードの利用者を対象にする。

■中国ポニー、自動運転タクシー拡大

⾃動運転タクシー新興、⼩⾺智⾏(ポニー・エーアイ)は、国有⾃動⾞⼤⼿の北京汽⾞集団系と組み、2025 年に北京市で⾃動運転タクシーのサービスを拡⼤すると発表した。⾃動運転技術開発で新興の深圳元戎啓⾏科技(ディープルート)も同分野への参⼊を発表し、中国で⾃動運転タクシーが拡⼤している。

2024年11月6

■10 月の中国製造業景況感、6 カ月ぶり 50 超え 生産増で

国家統計局が 31 日発表した 10 月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は 50.1 だった。前月より 0.3 ポイント高く、6 カ月ぶりに好調・不調の境目である 50 を上回った。⽣産が増えたほか受注も回復して全体を押し上げた。

■中国、⾞⼤⼿に欧州投資の停⽌指⽰ EV 関税支持の国対象

中国政府は中国の⾃動⾞大⼿に対し、欧州連合(EU)による中国製の電気⾃動⾞(EV)への追加関税を支持した欧州諸国への大型投資を一時停止するよう指示した。

■国有など 26 社の重複 12 事業再編 電池や希土類強化

中国政府は 26 日、国有⼤⼿など 26 社の重複した 12 事業を再編すると発表した。⾞載電池やレアアース(希⼟類)など「戦略性新興産業」と位置付ける重点分野が主な対象だ。米中対⽴の先鋭化や中国経済の停滞のなか、国有⼤⼿は経営資源を集中し、サプライチェーン(供給網)を強化し競争⼒を引き上げる。

■広州交易会、契約額 1 割増 中国最⼤級の貿易商談会

中国最大級の貿易商談会「中国輸出⼊商品交易会(広州交易会)」が 4 日閉幕した。中国メーカーとバイヤー(仕⼊れ業者)が結んだ輸出契約額は 2023 年秋から 1 割増の 249 億 5 千万ドル(約 3 兆 8000 億円)だった。中東など、中国の広域経済圏構想「一帯一路」沿線国からの契約が半数を占めた。

■多機能ロボット「UP」が 1 台でマルチ作業

ロボットメーカー「北京雲跡科技股份有限公司(以下「雲跡科学技術」と略称︓YunjiTechnology)(https://beta.yunjichina.com.cn/)が資⾦調達に成功した。多機能ロボット「UP」の本体(⾛⾏ユニット)と各種機能のモジュールにより、様々な⾛⾏や作業への対応が可能となり、モジュールの載せ替えで、一台で異なる複雑な作業ができる。起伏のある場所や狭い通路の⾛⾏、エレベーターへの対応…等々。同社は 2014 年に設⽴、ヨーロッパ、アメリカ、韓国、日本、タイなど世界 40+の国と地域の 30,000 以上のホテル、病院、⼯場、アパート、ビルなどに導⼊されてきた。

■アリババ、日本で越境 EC アプリ「TAO」 Temu に対抗

中国ネット通販最大⼿のアリババ集団は、日本市場向けに越境電子商取引(EC)アプリ「TAO(タオ)」の提供を始めた。アパレルや雑貨、デジタル関連商品など 300 万点以上を取り扱う。日本で利⽤者を拡大する中国発の TEMU(テム)や SHEIN(シーイン)を追う。