今週のトピックス(2025年12月)

2025年12月25

■中国の対日レアアース輸出、11月は34%増 25年で最多

中国税関総署が20日公表した11月の貿易データによると、レアアース(希⼟類)磁⽯の日本への輸出量は前月⽐34.7%増の304トンだった。月別では2025年最多となる。⽶国向けは11.4%減の581トンだった。全体では12.4%増の6149トン。中国政府は10月末の⽶中⾸脳会談での合意に基づき、レアアース輸出の個別審査が不要となる包括許可を出し始めている。

■トランプ政権、中国半導体への新関税「0%」 事実上先送りで配慮か

アメリカのトランプ政権は、中国から輸⼊する半導体に対する新たな追加関税の導⼊を2027年6月まで、およそ1年半⾒送ると発表した。アメリカのUSTR=通商代表部は23日、前のバイデン政権から続けてきた調査の結果、「中国による半導体産業⽀配に向けた取り組みは不当だ」として中国から輸⼊する半導体に追加関税を課すべきだと結論付けた。一方で、中国への対抗策として新たな追加関税を即時発動したが税率は2027年6月まで「0%」とした。27年6月以降の税率は当⾯未定として発動を事実上先送りしており、対中関係に配慮したとみられる。

■ベトナム⾞市場、中国・奇瑞が現地⽣産で攻勢 国産ビンファスト追う

ベトナムの新⾞市場で中国大手が攻勢に出る。奇瑞汽⾞(チェリー)は2026年半ばにも中国勢で初の工場を稼働させ、⽐亜迪(BYD)や吉利汽⾞も販売拡大に注⼒する。ベトナムでは国産電気⾃動⾞(EV)のビンファストが急成⻑し約3割のシェアを持つが、今後は中国勢との競争が避けられない⾒通しだ。奇瑞汽⾞はベトナムの複合企業ゲレシンコと組み、北部フンイエン省(旧タイビン省)に年産20万台の工場を設⽴し、奇瑞汽⾞傘下の「Omoda」と「Jaecoo」ブランドの EVを⽣産する。

■TikTokの中国バイトダンス、AI関連に3.6兆円投資 26年7%増

中国ネット大手の字節跳動(バイトダンス)が2026年に約1600億元(230億ドル)の設備投資を⾏う予備計画を⽴てており、これは今年のAIインフラへの投資額約1500億元から増加していると報じた。同社は傘下企業を通じて動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」を運営する。投資を積み増し⽣成AI(⼈工知能)の競争⼒を⾼める。報告書によると、計画されている⽀出の約半分は、AIモデルとアプリケーションの開発を⽀援するための先進的な半導体の取得に充てられるという。

■BYDが1500万台目NEVラインオフ、世界初達成

中国の⾃動⾞大手、⽐亜迪(BYD)はこのほど、累計1500万台目の新エネルギー⾃動⾞(NEV)が工場をラインオフしたと発表した。NEVに限ると、累計1500万台は世界初の記録となる。BYDは2021年5月に累計100万台目のNEVをラインオフした。2008年にNEVの第1弾「F3DM」を発売してから約13年を要している。その後、2023年8月に500万台目、2024年11月に1000万台目をラインオフ。100万台から500万台までは約2年3カ月、500万台から1000万台までは15カ月、1000万台から1500万台までは13カ月と徐々にペースが加速している。NEV発売から累計1500万台まで17年で実現した形だ。なお、累計1500万台のうち、「海洋」シリーズが約600万台、「王朝」シリーズが約900万台を占める。NEVだけでなく、⾃動⾞全体で⾒ても累計1500万台達成のペースは中国トップクラスである。

2025年12月18

■中国、EU産豚肉に反ダンピング関税、17⽇から最大19.8%

中国商務省は16日、欧州連合(EU)産の豚⾁とその関連商品が不当に安く輸入されたとして反ダンピング(不当廉売)関税を課すと発表した。17日から最大19.8%の関税を納める必要がある。適用期間は5年間。関税の税率はEU企業によって異なり4.9〜19.8%とする。商務省は16日の報道官談話で「国内産業は経営難に直面しており、保護を求める声が⾼まっている」と説明した。

■中国政府、26年に分娩の⾃⼰負担ゼロ、少子化対策で目標

中国国営通信新華社は13日、2026年に保険適用範囲内の分娩に関して自⼰負担ゼロを目指す政府方針を報じた。出産関連の医療保険の保障水準を引き上げる。急速な少⼦⾼齢化に向けた対策の一環とみられる。新華社によると、政府が13日に開いた全国医療保障⼯作会議で明らかになった。分娩費用の全額保障は吉林、江蘇など7省で実現しており、全国に広げる。保険加入者がサービス水準の⾼い医療機関を選択した場合などには自⼰負担が生じる。中国では⻑く続いた「一⼈っ⼦政策」の影響や平均寿命が延びたことで少⼦⾼齢化が加速。婚姻⼿続きの簡素化や幼稚園費用の一部無償化といった少⼦化対策を打ち出しているが、政策効果は限定的とされる。

■中国、内需拡大へ「必要な財政赤字」維持、26年の経済運営⽅針

中国の習近平(シー・ジンピン)指導部は10〜11日、2026年の経済運営方針を決める「中央経済⼯作会議」を開いた。「必要な財政赤字、債務の規模や⽀出を維持する」と強調した。内需拡大を重視し「強大な国内市場を構築する」との方針を決めた。景気底上げに向け「より積極的」な財政政策と「適度に緩和的」な⾦融政策を維持することも決定した。また、中国国内では過剰供給能⼒を背景とする過当競争(内巻(ネイジュアン))が社会問題化しているが、デフレ圧⼒を招く消耗戦を「踏み込んで是正する」として、昨年に⽐べて表現を強めている。 より多くの地域と貿易に関する協定を締結することも目指す。

■中国・京東系の工業用品通販が上場、時価総額7600億円に

中国ネット通販大⼿、京東集団(JDドットコム)傘下で⼯業用品の通販を⼿がける京東⼯業が11日、香港取引所で新規株式公開(IPO)した。株式時価総額は379億香港ドル(約7600億円)となった。初値は公開価格(14.1香港ドル)と⽐べ8%安だった。11日の終値は公開価格と同じだった。IPOで約30億香港ドルを調達し、デジタル化の推進などに充てる。

■中国瑞幸がネスレ傘下ブルーボトル買収検討か、高級市場開拓

中国のコーヒーチェーン大⼿、瑞幸コーヒー(ラッキンコーヒー)がネスレ傘下「Blue Bottle Coffee(ブルーボトルコーヒー)」の買収を検討しているもようだ。ブランドイメージの向上と⾼級コーヒー市場への進出を目的としたものとみられている。消息筋によると、瑞幸コーヒーとその大株主であるセンチュリアム・キャピタルは、他の買収候補についても評価を進めている。これには京都発の独⽴系コーヒーブランド「% Arabica(アラビカ)」の中国店舗運営会社などが含まれるという。

2025年12月11

■中国「ペット経済」求人増加、AIエンジニア迫るペース

中国で「ペット経済」に関連する職種の求⼈が増加している。その増加ペースは「⼈工知能(AI)エンジニア」に迫る勢いだ。ペット用品をはじめ、ペット医療、ドッグトレーナー、ペット保険、トリミング、写真撮影、交流イベント開催など、ペット関連の職種が増加している。ある求⼈サイトによると、ペット業界に関連する職種の求⼈は今年1〜9月に前年同期⽐で30.4%増加。増加率上位10職種のうち、トップのAIエンジニアに次ぐ高い伸びを示した。その背景には、中国のペット経済の急成⻑がある。中国のペット飼育市場は年平均13.3%のペースで拡⼤し、世界で最も成⻑の速いペット市場。

■中国1〜11⽉貿易⿊字、初の1兆ドル超え 対米輸出減少もアジア向け増

税関総署が8日発表した11月の貿易統計(ドル建て)は、輸出から輸⼊を差し引いた貿易⿊字が前年同月⽐14.7%増の1116億ドル(約17兆円)だった。1〜11月では1兆758億ドルと史上初めて1兆ドルを突破し、今年通年での貿易⿊字も過去最高更新が確実になった。「トランプ関税」の影響で対⽶輸出が⼤幅に減る中、⽶国向け以外の輸出を急増させた。11月の輸出は前年同月⽐5.9%増の3303億ドル、輸⼊1.9%増の2186億ドル。1〜11月の累計では輸出が前年同期⽐5.4%増の3兆4147億ドル、輸⼊は0.6%減の2兆3388億ドルだった。

■世界ヒト型ロボ業界の11⽉資⾦調達142%増、中国は25件

深セン市高工産業研究有限公司(GGII)によると、世界の⼈型ロボット(ヒューマノイドロボット)業界における今年11 月の資⾦調達額は合計で75億⼈⺠元(約1640億円)を超えた。前年同月⽐で141.9%増加している。うち25 件が中国の案件で、ほか2件が⽶国だった。11月は⽶中両国で⼤型の資⾦調達が実施されている。うち規模が⼤きい案件は、ロボット本体を手がける⽶アプトロニック(Apptronik)と中国の星動紀元(ROBOTERA)だ。他13社のロボット本体メーカーには極佳視界(GigaAI)、深朴智能(SimpleAI)、原⼒霊機(Dexmal)等が含まれる。

■中国半導体ムーア上場、時価総額6兆円超 エヌビディア元幹部設⽴

中国半導体新興企業の摩爾線程智能科技(ムーア・スレッド)が5日、上海証券取引所のハイテク新興企業向け市場「科創板」で新規株式公開(IPO)した。中国政府は半導体の国産化率向上へ業界を後押ししており、成⻑期待から公開価格の114.28元(約2500円)を⼤幅に上回る650元(約1万4000円)で初値を付けた。初日終値は425%高の600.5元(約1万3000円)、時価総額は2822億5200万元(約6兆2000億円)。※「摩尔线程智能科技(北京)股份有限公司」(https://www.mthreads.com/

■バイトダンス、ZTEと「AIスマホ」 音声指示に対応 全3万台が完売

中国ネット⼤手の字節跳動(バイトダンス)が1日に発売したスマートフォンが注目されている。同社製の生成AI(⼈工知能)「⾖包(ドウバオ)」を搭載し、利用者の⾳声による操作指示に応える。商品名は「nubia M153」で価格は3499 元(約7万7000円)、中国通信機器⼤手の中興通訊(ZTE)と共同で販売を始めた。初期ロットは瞬く間に完売し、⼤きな消費者の関心を示した。ZTE の Nubia ブランドがハードウェアのエンジニアリングと技術研究開発を担当し、ByteDance の⾖包チームが AI スマートフォンアシスタントソフトウェアの製品定義とユーザーエクスペリエンスデザインを主導した。

2025年11月5

■中国、「オンデマンド・リテール」急成⻑、30年市場は2兆元へ

中国で近年、「即時零售(オンデマンド・リテール)」が急速に拡大している。第15次5カ年計画期間の2026〜30年には、年率平均12.6%で伸びると分析された。26年の市場規模は、1兆人⺠元(約22兆円)の大台を突破する⾒通し。30年の時点では、2兆人⺠元規模に達するとみられている。すでにオンデマンド・リテールは、中国小売業の新たな成⻑エンジンに躍進している。良好なエコシステムの構築と高品質な発展が市場拡大を促した。オンデマンド・リテールとは、利用者がインターネットで商品を注文すると、20〜30分程度で⼿元に届く即時配送型の小売サービスを指す。

■ロシアが中国に短期ビザを免除 26年9⽉まで、人的交流を拡⼤

ロシアのプーチン大統領は1日、同国を訪れる中国人向けに短期滞在ビザ(査証)を免除する大統領令に署名した。中国が9月にロシア人向けの短期ビザを1年間免除したのを受け、同様の措置で人的交流を広げる。ロシア大統領府が発表した。2025年12月1日から2026年9月14日まで、就労・留学を除く、観光やビジネス、文化交流など30 日以内の短期滞在が対象。

■中国宅配業務量が過去最⾼、年初来で1800億件超え

中国の宅配業務量が安定的に拡大している。国家郵政局の最新統計によれば、年初以来の宅配取扱件数(中国郵政集団の小包事業は除く)は11月30日時点で、初めて累計1800億件の大台に乗せ、過去最高を更新した。すでに2024年通年の1750億8000万件を上回っている。月平均の取扱件数は160億件余り。単日ベースの最大は7億7700万件、1秒当たり6200件超に達している。

■アリババの7〜9⽉、クラウド事業34%増収 AIブーム追い風に

中国ネット通販最大⼿のアリババ集団は25日、2025年7〜9月期決算を発表した。人工知能(AI)ブームを追い風にクラウド事業が好調で、同事業の売上高は34%増の398億元(約8800億円)だった。同事業の調整後EBITA(利払い・税引き・⼀部償却前利益)は35%増益だった。今回の決算はおおむね堅調と言え、中国のAI開発を主導する存在として投資家の支持を後押ししそうだ。アリババはAIモデルの発表を加速させ、今月にはモバイルAIアプリの刷新版「千問(Qwen)」のサービス提供を開始。これまでのところ好スタートを切っている。 ただ、アリババの利益率は低下し、7-9月の純利益は209億9000万元に減少。商品の値引きに加え、AI開発の費用増加が利益を圧迫した。期中の販売・マーケティング費用は前年同期に⽐べて倍増した。

■中国の安踏体育と李寧、プーマ買収検討

中国のスポーツウエアメーカー安踏体育用品と李寧は、経営再建に取り組んでいるドイツのプーマ買収を検討している。両社は買収を検討中だが、プーマの時価総額が今年半減したことで筆頭株主の持ち株会社アルテミスと評価額で合意するのは難しいという。買収に向けプライベート・エクイティーと⼿を組む可能性もあるという。香港上場の両社のほかアシックスなども買収に関心を寄せる可能性があると報じたことで、プーマ株は15%上昇した。