今週のトピックス(2024年3月)
2024年3月27日
■深圳、ドローンが出前運ぶ 「低空経済」育成中
広東省の深圳市でドローンや空飛ぶクルマの活用が進んでいる。ドローンが配送する出前が身近になり、空飛ぶクルマの商用化に向けた準備も進む。国内の景気回復がもたつく中、関連の「低空経済」を今後の産業発展の柱の一つに位置付けている。
■香港国安条例、議会で可決 ビジネス環境後退も
香港の立法会(議会)は 19 日、スパイ行為などを取り締まる国家安全条例案を可決した。2 週間に満たない審議で重要法案を通す異例の手続きで、欧米が制裁などで介入する隙を与えない戦略をとった。中国本土と異なる自由な事業環境が後退し、外資の経済活動に影響する懸念がある。
■世界最大の半導体展示会、上海で開幕 日米大手が出展
世界最大級の半導体分野の国際展示会「セミコン・チャイナ」が 20 日、上海市で開幕した。米国が先端分野の半導体の対中輸出規制を強化するなか、中国側は成熟分野の製造装置の調達を急いでおり、米国や日本の大手企業は出展などを通じて中国市場での拡販をめざす。
■不動産の遠洋、最終赤字 4000 億円超 前期見込み
中堅不動産開発会社、遠洋集団控股は 19 日、2023 年 12 月期の最終損益が 200 億~230 億元(約 4100億~4800 億円)の赤字になったようだと発表した。市況の低迷で採算が悪化し、不動産の減損引当金が増えた。
■PDD ホールディングス、23 年通期の純利益 9 割増
新興ネット通販の PDD ホールディングスは 20 日、2023 年 12 月期通期の純利益が前の期比 90%増の 600 億元(約 1 兆 2600 億円)だったと発表した。中国国内で手がける低価格帯の通販「拼多多(ピンドゥオドゥオ)」など、国内外の通販事業が好調だった。
2024年3月20日
■EU の対中貿易、2023 年は赤字幅縮小も、引き続き最大輸入相手国
EU 統計局(ユーロスタット)は 3 月 4 日、2023 年の EU の対中貿易赤字(財金額ベース)は 2,910 億ユーロで、前年比 27.0%(1,060 億ユーロ)減と発表した。EU の財の対中貿易赤字は 2013 年から 2023 年にかけて、2013 年の 1,040 億ユーロから 2022 年の 3,970 億ユーロまで拡大したが、EU による中国からの輸入減を主因として、2023 年は赤字幅が縮小した。
■全人代が閉幕 24 年成⾧目標「5%前後」など承認
第 14 期全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の第 2 回会議が 11 日午後、北京の人民大会堂で閉幕した。2024 年の実質経済成⾧率の目標を「5%前後」と定めた政府活動報告や、前年比 7.2%増の国防費を盛った24 年予算案を承認した。
■再開発で住民に「住宅券」 移転促し在庫削減狙う
「城中村」と呼ばれる旧市街の再開発が注目されている。再開発地区から立ち退いた住民が別の場所で新築住宅を購入することで、積み上がった住宅在庫を減らす効果が期待されるからだ。住民の立ち退きと移転を円滑に進められるかが課題になる。
■⾧電科技、米大手半導体傘下の晟チョウ半導体を買収
半導体後工程を請け負う江蘇⾧電科技(以下、JCET)が、米国の大手半導体企業である Western Digital Corporation(以下、WD)傘下の晟碟(チョウ)半導体(上海)の株式 80%を買収すると発表した。発表によると、株式の取得価格は約 6 億 2,400 万ドルで、買収取引完了後、売り主である WD 傘下の SANDISK CHINALIMITED は晟碟半導体の 20%の株式を保有する。
■アリババ、韓国でクーパンに挑戦状 3 年で 1600 億円投資
アリババ集団が韓国で物流センター整備などに今後 3 年間で 11 億ドル(約 1600 億円)を投資することが 14 日わかった。物流基盤を整えて低価格と高速配送を武器に韓国最大手クーパンの牙城に挑む。
2024年3月13日
■iPhone の中国販売 24%減 ファーウェイとの競争激化
香港の調査会社カウンターポイントは 5 日、2024 年年初から 6 週間の米アップルのスマートフォン「iPhone」の中国販売台数が、前年同期比 24%減だったと発表した。華為技術(ファーウェイ)などとの競争が激化している。カウンターポイントによると、中国市場全体の販売台数は前年同期比 7%減だった。
■中国国防費 7.2%増の 34 兆 8000 億円 24 年、軍拡路線貫く
国務院は 5 日、2024 年の国防予算(中央政府分)が前年比 7.2%増の 1 兆 6655 億元(およそ 34 兆 8000億円)だと発表した。伸び率は 3 年連続で 7%を超えた。中国経済の低迷が続く状況でも軍備拡⼤を優先する姿勢を鮮明にした。
■グリーン水素、中国が猛攻 再エネの余剰電⼒追い風に
中国内陸部では太陽光などの再生可能エネルギーで発電した電⼒を有効活用できていないため、再生可能エネルギー由来の電⼒で生成するグリーン⽔素のインフラ整備が中国で動き出した。中国⽯油化⼯(シノペック)など⽯油⼤手が生産拠点や輸送設備の建設を急ぐ。
■アリババ、インフルエンサー依存から脱却へ 生配信増強
アリババ集団の通販プラットフォーム、淘宝網(タオバオ)が生配信で商品を紹介するライブコマース企業を設⽴した。李佳琦さんなどの「スーパーインフルエンサー」への依存から脱却し、ネット通販競合各社に対抗する。タオバオライブが運営する新会社は、タオバオを初めて利用する配信者を主な対象として、企業マッチング、マーケティング、在庫や財務管理といったサービスなどをワンストップで提供する。
■BYD、複数⾞種で値下げ エンジン⾞に価格競争仕掛ける
比亜迪(BYD)が 2 月中旬から電気⾃動⾞(EV)やプラグインハイブリッド⾞(PHV)を複数⾞種で刷新するのに合わせて、相次ぎ値下げに踏み切った。エンジン⾞を意識した価格設定で、EV など「新エネルギー⾞」へのシフトを促す。
2024年3月6日
■中国政府、全人代開幕
全国⼈⺠代表⼤会(全⼈代、国会に相当)が 5 日、北京で開幕し、李強⾸相は今年の経済成⻑率目標を「5%前後」にすると表明した。不動産不況などが続いていることで国際機関や市場は成⻑率が 4%台に落ち込むとの⾒方を⽰す中、昨年と同じ⽔準に据え置いた。
■中国ネット出前、1000 万人配達員担う ⻑時間労働深刻に
中国で飲⾷店から料理を届ける「フードデリバリー」の拡⼤が続いている。2023 年の市場規模は 30 兆円を超え、3 年間で 2 倍以上に増えた。美団と餓了麼(ウーラマ)の⼤手 2 社で配達員は計 1000 万⼈規模に達する。市場の成⻑は配達員の割安な収入や⻑時間労働に⽀えられている面があり、社会保障の整備など課題も多い。
■中国、不動産プロジェクト融資 2.7 兆円 当局が指導
中国の商業銀⾏が再び不動産業界の⽀援に乗り出している。主要⾏が明らかにした不動産プロジェクト向け融資額は1300 億元(約 2 兆 7000 億円)を超えた。不動産不況に危機感を抱く中国政府の指導が背景にある。
■ファーウェイ、新型 PHV がヒット 協業会社の株も急騰
中国の通信⼤手、華為技術(ファーウェイ)と中堅⾞メーカーの賽⼒斯集団(セレス・グループ)が共同開発した新型⾞が中国で⼤ヒットしている。ファーウェイのブランド⼒によって消費者の注目を獲得。セレスは株式市場で評価が⾼まり、時価総額は 2022 年末⽐で 7 割増えた。
■VW と小鵬、EV 開発期間を 3 割短縮 技術協⼒で契約
独フォルクスワーゲン(VW)と、同社が出資する中国の電気⾃動⾞(EV)メーカーの小鵬汽⾞(シャオペン)は 29日、EV 関連の技術で協⼒する契約を結んだと発表した。共同開発を進めている EV の開発期間を従来より、3 割短縮できるとしており、コストの削減にもつなげる狙いだ。