Bluetooth やWi-Fi など無線機器に必要な“SRRC認証”とは(2)

中国でBluetoothやWi-Fiなどの無線機器を販売する場合、“SRRC認証”が必要と聞きました。SRRC認証とは何ですか︖また、どのように取得すればよいのでしょうか︖

今週も前回に続いて、SRRC 認証について解説します。
SRRC認証取得の大まかな流れは、以下の通りです。

1.事前準備
 申請機器の仕様書や回路図、会社登記書類(中国語)、アンテナ仕様、操作説明書、製品写真、テスト指示書、周波数チャンネル表などを揃えます。

2.認定試験所での予備テスト・本試験
 中国認定の試験所にサンプル製品(通常3〜5台程度)を提出し、無線性能や技術基準への適合性を検証します。

3.申請・当局審査
技術資料や試験成績書一式をMIIT(工業情報化部)に提出し、書類・実機両面からの審査を受けます。

4.認証書の発⾏
 すべての基準をクリアすると、SRRCから正式な認証証書(CMIIT ID)が発⾏されます。取得までの標準的な所要期間は2〜3ヶ月ですが、書類不備や追加試験が必要な場合は⻑期化することもあります。

【申請時の注意点・現場の課題】
 SRRC認証申請には、すべての書類・資料を中国語で用意することが不可⽋です。製品や工場に関する詳細な技術情報・証明書類が多く、書類の不備や記載ミスは即座に差し戻し対象となるため、正確性と網羅性が求められます。また、規制や審査基準は毎年のように更新されるため、直近の法規制動向を常に把握しておく必要があります。

 とくに初めて中国でSRRC認証を申請される企業の場合、「必要書類が足りなかった」、「試験内容が最新基準と合わなかった」、「現地当局との連絡がうまくいかず、スケジュールが大幅に遅れた」・・・など、予想以上の時間・コストがかかる事例も少なくありません。そのため、事前のヒアリングや現地サポート、専門家のアドバイスを受けて計画的に進めることが重要です。

【SRRC認証とNAL認証の違い・関係】
 ここで「SRRC認証」と混同されやすい制度に、「NAL認証(Network Access License︓ネットワーク接続許可)」があります。
 どちらも中国での通信機器販売に⽋かせませんが、それぞれ目的・対象範囲が異なります。

◆ SRRC認証

  • 目的︓無線通信機器が中国の無線周波数規制・電波法に適合していることを証明
  • 主管庁︓MIIT(工業情報化部)無線管理部門
  • 対象︓すべての無線送信機能付き機器(Bluetooth機器、Wi-Fiルーター、無線LAN、無線リモコン等)

◆ NAL認証

  • 目的︓公衆通信ネットワークへの端末接続時の安全性・互換性・品質基準適合を証明
  • 主管庁︓MIIT(工業情報化部)通信管理部門
  • 対象︓電気通信端末機器(携帯電話、固定電話、ファックス)、無線通信機器(無線ルーター、基地局)、インターネット関連機器(モデム、ネットワークカード、タブレット端末等)

◆ 両者の運用ポイント

  • SRRC認証は“電波法規制”への適合証明、NAL認証は“ネットワーク規制”への適合証明。
  • スマートフォンや無線ルーターなどの“無線機能+ネットワーク接続”両方を持つ機器は両方の認証が必須
  • 通常、SRRC認証取得後にNAL認証申請が⾏われ、SRRC認証証書はNAL申請時の添付資料となる。
  • どちらもMIITの申請ポータル(https://jwxk.miit.gov.cn/homePage)で手続きできますが、書類や試験内容は異なります。

【実務アドバイス・桜葉コンサルティングのサポート】
 中国市場で無線・通信機器を展開するには、SRRC認証(無線型式認証)による「電波法適合」と、NAL認証(ネットワークアクセス許可)による「ネットワーク規制適合」の両方が必要となる場合があります。どちらも中国市場進出における“基本インフラ”ですが、年々規制が厳格化し、申請手続き・技術要件も⾼度化しています。

 そのため、申請担当者には無線・通信技術だけでなく、現地法規・中国語・⾏政⼿続きに関する実務知識が求められます。
 桜葉コンサルティングでは、初回ヒアリングから必要書類のご案内、中国語での技術翻訳、認定試験所の手配、現地当局への申請、認証取得後のフォローまで、日本語でワンストップ支援しています。
 費用や期間のお⾒積りも無料ですので、計画段階からぜひご相談ください。

【公式情報】
SRRC当局公式サイト︓http://www.srrc.org.cn/
MIIT公式申請ポータル︓https://jwxk.miit.gov.cn/homePage

  
以上