中国 RoHS と新規定について(その3)

中国 RoHS の規定が変わり、制限物質が増えたと聞きました。どのような変化があったのか、教えてください。

 先週、先々週と中国 RoHS について説明を続けてきましたが、今回、対応が求められているのが新基準です。国家標準委員会は中国版 RoHS 電気・電子製品制限物質要求「第 1 号訂改リスト」を正式に発行し、新基準では、中国版 RoHS の制限物質が更新され、6 種類の制限物質が 10 種類の制限物質に増加しました。また、試験方法が GB/T 26125 法から GB/T 39560 シリーズ法に変更され、六価クロムの試験方法と判定要件が変更。中国RoHS 規制の新基準は 2026 年 1 月 1 日に実施される予定です。
 新基準の発表に伴い、中国の RoHS 制限物質要件は以下のように更新されました:

 新しい 4 つのフタル酸エステル規制は、中国の RoHS が国際基準に完全に準拠していることを示すものであり、国内の電気および電子製品に使用される材料も 10 の制限物質の要件を満たし、国内販売と海外販売を区別しません。

■CCC 認証と CQC 認証(中国 RoHS…等)
 「CCC 認証」は、中国における「強制性製品認証制度」のことです。この「CCC 規制の対象製品」は CCC 認証を取得する必要があり、取得していない製品は「中国へ輸出することができません。しかし、CCC 対象製品外になった場合でも、今回解説している中国 RoHS を任意で取得することがあります。
 中国 Rohs 認証は、中国質量認証中心(CQC)が実施する「任意性製品認証制度」ですが、一部電気電子製品有害物質使用制限合格評定制度により強制要求となり、従って自己適合声明ができない、あるいは自己適合声明を希望しない場合は、任意認証を取得する必要があります。
 中国 RoHS 認証のように自主的な CQC 認証を行い、CQC マークされた製品は、中国の税関で止められることがほぼなくなりますし、CQC マークが貼ってあることで、中国市場における製品の信用が高まります。
 弊社(桜葉コンサルティング)は中国質量認証中心(CQC)とは古くから業務関係があり、認証の代行業務を行っています。何かあれば、連絡してください。最近実施した中国 Rohs 認証では、次のプロセスで進めました。

■CQC 認証プロセスについて(全体のプロセスは、下の図表の通り)
1)製品情報を提供し CCC 対象製品かどうかを区分定義。
  [BOM 表(部品構成表)及び製品外観、内部構造写真を提供]
2)CCC 対象製品外だった場合、以下の資料を提出。
  ①CQC 新規申請書
  ②申請人の会社登記簿謄本写し(生産工場が他社であれば、両社のものが必要)
3)CQC から申請が受理された場合、サンプル一覧表と
  該非判定書が提供されるので、申請者はサンプル品を準備。
4)CQC の指定業者がサンプル品を引き取りに訪問し、
  以下の対応を行う。
  ①日本の税関申告資料の作成
  ②中国税関申告資料の作成
  ③税関でトラブルが発生したときの対応
  ※認証を取っていない無認証の貨物はいったん税関でストップされ、通関でトラブルが起きやすい。
  そのためにかなり細かい資料を準備し、CCC 免除申請の資料も作成し、税関業者に依頼する。
  ④通関の後の中国国内の輸送に関する資料作成とサポート


※サンプル品が中国国内の試験ラボに到着してから、認証証書を受領するまで、期間は約 40 日間がかかります。

以上