中国 RoHS と新規定について(その1)
- 中国 RoHS の規定が変わり、制限物質が増えたと聞きました。どのような変化があったのか、教えてください。
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最近、中国政府は中国版 RoHS 電気・電子製品制限物質要求「第 1 号訂改リスト」を正式に発⾏し、新基準を定めました。制限物質は当初の 6 種類から 10 種類の増加。また、試験方法が GB/T 26125 法から GB/T 39560 シリーズ法に変更され、六価クロムの試験方法と判定要件が変更されました。
中国の 3C 強制認証は知っていても、中国版 RoHS のことはよくわからないという方もいるので、今回はまず、RoHS 規制から説明し、その後で中国語版 RoHS について、ポイントを整理したいと思います。■RoHS 規制について
RoHS とは、「Restriction of the use of certain Hazardous Substances in electrical and electronic equipment」の略称です。日本語で直訳すると、Restriction of the use of certain = 「使用制限」。Hazardous Substances = 「有害な物質」。In elextrical and electronic equipment = 「電気・電子機器の中の」となり、「電気・電子機器における特定有害物質の使用制限」を意味します。電気・電子機器のリサイクルを容易し、最終的に埋⽴てや焼却処分されるときに、⼈や環境に影響を与えないように、EUで販売する電気・電子機器の有害物質を非含有とさせることを制定の目的としています。
廃電気・廃電子機器の約 90%が正しい処理を経ずに埋⽴てや焼却されており、化学物質が地下⽔へ浸出することによる環境汚染、また⼈体への悪影響が問題となっています。このため、EUでは「RoHS 指令」という電気・電子機器における特定有害物質の使用制限に関する法律が 2003 年に告示され、2006 年から施⾏されました。さらに 2011 年に大幅に改正され 2013 年の施⾏以来、現在に至っています。これが、RoSH2 指令です。RoSH2 指令では電気・電子機器において具体的に、カドミウム、鉛、⽔銀、六価クロム、PBB(ポリ臭化ビフェニル)、PBDE(ポリ臭化ジフェニルエーテル)、4 物質のフタル酸エステルの使用が制限または禁止され、2015 年にフタル酸エステルなど 4 種類の規制物質が追加され、制限物質は 10 物質となり、「RoHS10 物質」とも言われています。この計 10 物質はそれぞれ最大許容濃度が定められ、最大許容濃度を超える量を含む製品はEU域内で製造・販売できません。
また、RoHS2 の最大許容濃度以下であることが明確化された指定の販売製品には、CE マーキングという安全マークの貼付が義務づけられました。対象となる電気、電子製品は AC1000V、DC1500V 以下の定格電圧を持つすべての電気・電子機器となっています。
■中国 RoHS について
中国 RoHS、または中国版 RoHS は、2007 年 3 月 1 日に施⾏、中国 RoHS1 と呼ばれていますが、2016年 7 月 1 日に改正版RoHS(令 32 号)が施⾏となり、それまでの中国 RoHS 管理規則は廃止となりました。
中国 RoHS の目的もまた、EU と同様に「電器電子製品廃棄後の環境汚染を抑制・削減するため」であり、クリーンな⽣産および資源総合利用を促進し、グリーン消費を奨励することです。
対象となるのは電気・電子製品で、「定格電圧が直流 1500V/交流 1000V を超えない製品および付属品(発電所、送配電設備は除く)」です。対象となる電気・電子製品の管理に関しては目録管理方法で⾏います。
※参照︓電器電子製品有害物質使用制限管理弁法(中国語原文)
http://www.cesi.cn/rohs/page/fgptbz.jsp?catalog=/001/001-008/001-008-006/001-008-006-001電器電子製品の⽣産者、輸入者は、製品に有害物質使用制限表示に関する国家標準および業界標準に基づき環境保全使用期限を明示します。表示は、電子電器製品有害物質制限使用標識要求(SJ/T 11364-2014)に準拠します。中国 RoHS は、EU と異なり、右記の国家標準に定められた標識を付ければ有害物質が最大許容濃度以上含まれていても販売できます。
最大許容濃度以下であれば、下記のグリーンマークを貼付し、有害化学物質が最大許容濃度を超えて含有している場合には中央に環境保護使用期限を入れたオレンジマーク貼付する義務があります。最大許容濃度は、均質材料当たり EU の RoHS 指令と同じでカドミウム 0.01wt%、そのほか 0.1wt%です。
※次号に続きます。以上