今週のトピックス(2025年12月)

2025年12月11

■中国「ペット経済」求人増加、AIエンジニア迫るペース

中国で「ペット経済」に関連する職種の求⼈が増加している。その増加ペースは「⼈工知能(AI)エンジニア」に迫る勢いだ。ペット用品をはじめ、ペット医療、ドッグトレーナー、ペット保険、トリミング、写真撮影、交流イベント開催など、ペット関連の職種が増加している。ある求⼈サイトによると、ペット業界に関連する職種の求⼈は今年1〜9月に前年同期⽐で30.4%増加。増加率上位10職種のうち、トップのAIエンジニアに次ぐ高い伸びを示した。その背景には、中国のペット経済の急成⻑がある。中国のペット飼育市場は年平均13.3%のペースで拡⼤し、世界で最も成⻑の速いペット市場。

■中国1〜11⽉貿易⿊字、初の1兆ドル超え 対米輸出減少もアジア向け増

税関総署が8日発表した11月の貿易統計(ドル建て)は、輸出から輸⼊を差し引いた貿易⿊字が前年同月⽐14.7%増の1116億ドル(約17兆円)だった。1〜11月では1兆758億ドルと史上初めて1兆ドルを突破し、今年通年での貿易⿊字も過去最高更新が確実になった。「トランプ関税」の影響で対⽶輸出が⼤幅に減る中、⽶国向け以外の輸出を急増させた。11月の輸出は前年同月⽐5.9%増の3303億ドル、輸⼊1.9%増の2186億ドル。1〜11月の累計では輸出が前年同期⽐5.4%増の3兆4147億ドル、輸⼊は0.6%減の2兆3388億ドルだった。

■世界ヒト型ロボ業界の11⽉資⾦調達142%増、中国は25件

深セン市高工産業研究有限公司(GGII)によると、世界の⼈型ロボット(ヒューマノイドロボット)業界における今年11 月の資⾦調達額は合計で75億⼈⺠元(約1640億円)を超えた。前年同月⽐で141.9%増加している。うち25 件が中国の案件で、ほか2件が⽶国だった。11月は⽶中両国で⼤型の資⾦調達が実施されている。うち規模が⼤きい案件は、ロボット本体を手がける⽶アプトロニック(Apptronik)と中国の星動紀元(ROBOTERA)だ。他13社のロボット本体メーカーには極佳視界(GigaAI)、深朴智能(SimpleAI)、原⼒霊機(Dexmal)等が含まれる。

■中国半導体ムーア上場、時価総額6兆円超 エヌビディア元幹部設⽴

中国半導体新興企業の摩爾線程智能科技(ムーア・スレッド)が5日、上海証券取引所のハイテク新興企業向け市場「科創板」で新規株式公開(IPO)した。中国政府は半導体の国産化率向上へ業界を後押ししており、成⻑期待から公開価格の114.28元(約2500円)を⼤幅に上回る650元(約1万4000円)で初値を付けた。初日終値は425%高の600.5元(約1万3000円)、時価総額は2822億5200万元(約6兆2000億円)。※「摩尔线程智能科技(北京)股份有限公司」(https://www.mthreads.com/

■バイトダンス、ZTEと「AIスマホ」 音声指示に対応 全3万台が完売

中国ネット⼤手の字節跳動(バイトダンス)が1日に発売したスマートフォンが注目されている。同社製の生成AI(⼈工知能)「⾖包(ドウバオ)」を搭載し、利用者の⾳声による操作指示に応える。商品名は「nubia M153」で価格は3499 元(約7万7000円)、中国通信機器⼤手の中興通訊(ZTE)と共同で販売を始めた。初期ロットは瞬く間に完売し、⼤きな消費者の関心を示した。ZTE の Nubia ブランドがハードウェアのエンジニアリングと技術研究開発を担当し、ByteDance の⾖包チームが AI スマートフォンアシスタントソフトウェアの製品定義とユーザーエクスペリエンスデザインを主導した。

2025年11月5

■中国、「オンデマンド・リテール」急成⻑、30年市場は2兆元へ

中国で近年、「即時零售(オンデマンド・リテール)」が急速に拡大している。第15次5カ年計画期間の2026〜30年には、年率平均12.6%で伸びると分析された。26年の市場規模は、1兆人⺠元(約22兆円)の大台を突破する⾒通し。30年の時点では、2兆人⺠元規模に達するとみられている。すでにオンデマンド・リテールは、中国小売業の新たな成⻑エンジンに躍進している。良好なエコシステムの構築と高品質な発展が市場拡大を促した。オンデマンド・リテールとは、利用者がインターネットで商品を注文すると、20〜30分程度で⼿元に届く即時配送型の小売サービスを指す。

■ロシアが中国に短期ビザを免除 26年9⽉まで、人的交流を拡⼤

ロシアのプーチン大統領は1日、同国を訪れる中国人向けに短期滞在ビザ(査証)を免除する大統領令に署名した。中国が9月にロシア人向けの短期ビザを1年間免除したのを受け、同様の措置で人的交流を広げる。ロシア大統領府が発表した。2025年12月1日から2026年9月14日まで、就労・留学を除く、観光やビジネス、文化交流など30 日以内の短期滞在が対象。

■中国宅配業務量が過去最⾼、年初来で1800億件超え

中国の宅配業務量が安定的に拡大している。国家郵政局の最新統計によれば、年初以来の宅配取扱件数(中国郵政集団の小包事業は除く)は11月30日時点で、初めて累計1800億件の大台に乗せ、過去最高を更新した。すでに2024年通年の1750億8000万件を上回っている。月平均の取扱件数は160億件余り。単日ベースの最大は7億7700万件、1秒当たり6200件超に達している。

■アリババの7〜9⽉、クラウド事業34%増収 AIブーム追い風に

中国ネット通販最大⼿のアリババ集団は25日、2025年7〜9月期決算を発表した。人工知能(AI)ブームを追い風にクラウド事業が好調で、同事業の売上高は34%増の398億元(約8800億円)だった。同事業の調整後EBITA(利払い・税引き・⼀部償却前利益)は35%増益だった。今回の決算はおおむね堅調と言え、中国のAI開発を主導する存在として投資家の支持を後押ししそうだ。アリババはAIモデルの発表を加速させ、今月にはモバイルAIアプリの刷新版「千問(Qwen)」のサービス提供を開始。これまでのところ好スタートを切っている。 ただ、アリババの利益率は低下し、7-9月の純利益は209億9000万元に減少。商品の値引きに加え、AI開発の費用増加が利益を圧迫した。期中の販売・マーケティング費用は前年同期に⽐べて倍増した。

■中国の安踏体育と李寧、プーマ買収検討

中国のスポーツウエアメーカー安踏体育用品と李寧は、経営再建に取り組んでいるドイツのプーマ買収を検討している。両社は買収を検討中だが、プーマの時価総額が今年半減したことで筆頭株主の持ち株会社アルテミスと評価額で合意するのは難しいという。買収に向けプライベート・エクイティーと⼿を組む可能性もあるという。香港上場の両社のほかアシックスなども買収に関心を寄せる可能性があると報じたことで、プーマ株は15%上昇した。