日系企業進出状況(2025年7月)

2025年7月30日

■サイゼリヤ、中国事業が成⻑鈍化 苦渋のメニュー値上げで収益性改善へ

サイゼリヤはこのほど、2024年9月〜25年5月期の連結決算を発表した。売上高と利益はいずれも過去最高を記録したが、主要財務指標の多くで成⻑率が前年同期を下回った。中国ではコストパフォーマンスの高さを売りに店舗網を拡大してきたが、収益性には課題が残る。新店舗の開設を進めた結果、中国を中心とするアジア事業の24年9月〜25年5月期の売上高は、前年同期⽐10.5%増の630億5800万円となったが、営業利益は5.4%減の77億9900 万円に落ち込んだ。サイゼリヤはたびたび「値上げはしない」と表明してきたが、この状況を受けて中国でメニュー価格の引き上げに踏み切った。

■ソニーがテンセント提訴、ゲーム著作権侵害

ソニーがテンセントを提訴した。発売予定のゲーム『LIGHT OF MOTIRAM』が、「Horizon」シリーズの模倣だと主張している。先週、カリフォルニア州の裁判所に提出された訴状によると、テンセントのアドベンチャーゲーム『LIGHT OF MOTIRAM』が、クリーチャーのデザインから主⼈公、マーケティング素材に至るまで、あらゆる点で『Horizon Forbidden West』と『Horizon Zero Dawn』に酷似しているという。両作品のさまざまなマーケティング素材のスクリーンショットやゲーム内容の概説などを⽐較しており、多数の類似点が指摘されている。

2025年7月23日

■三菱自が中国エンジン⽣産終了、現地市場から完全撤退

三菱自動⾞は22日、中国でエンジン⽣産を終了すると発表した。現地企業との合弁関係を解消した。2023年に中国で完成⾞の⽣産から撤退した後も、現地の自動⾞メーカーへのエンジン供給を続けていた。電気自動⾞(EV)の台頭を受けて、中国で自動⾞関連の⽣産から完全に撤退する。現地企業などと設⽴した「瀋陽航天三菱汽⾞発動機製造」がエンジン⽣産を終了するという。

■フェローテック、浙江麗水でセンサー⼯場稼働

株式会社フェローテックは、中国センサー事業⼦会社である浙江富楽徳伝感技術有限公司(以下「FTSL」) が中国浙江省麗水市にて建設中であった新⼯場が完成し、2025年7月11日に麗水市幹部、顧客企業等列席のもと、竣⼯式を開催したことを発表した。

2025年7月17日

■ニデック家電用モーター新⼯場、年産能⼒1800万個で⻘島稼働

ニデック株式会(以下、当社)の家電産業事業本部は 7 月 9 ⽇、中国⼭東省⻘島市の膠州において新たな⼯場「ニデック⻘島⼯業園」の開業式を実施した新⼯場は、敷地⾯積 120,000m²を誇り、年間 1,800万台のモータと2,000 万台以上の電⼦部品を生産する能⼒を備えている。新⼯場はこれまで⻘島地域で稼働していた 2 つの既存施設を統合する形で設⽴され、75 本の最先端生産ラインが設置されている。これにより、ニデックは⻘島での 20 年以上にわたる事業基盤をさらに強化し、効率的かつ高品質な製品供給を実現する。

■サイゼリヤが中国展開加速、武漢⼦会社を設⽴

サイゼリヤは9⽇、「武漢薩莉亜餐飲有限公司」(武漢サイゼリヤ)を湖北省武漢市に⽴ち上げると発表した。武漢市内でレストラン「サイゼリヤ」を展開し、中国で更なる事業の拡⼤を図る。サイゼリヤは2003年に中国本⼟1号店をオープンし、現在は中国本⼟に約500店舗を展開。⼀⽅、広州市ではすでに、3000万ドル(約44億円)を投じてソースやパスタなどを製造する新⼯場を建設中。2026年1月の稼働を目指し、生産効率をさらに高めていくという。

2025年7月10日

■クオンタムがIP取得撤回、ゲーム運営は上海軒躍との協業維持

⼈⼯知能(AI)関連事業を⼿がけるクオンタムソリューションズは4⽇、モバイルゲーム「サンクタス戦記-GYEE-」(GYEE)に関連する知的財産権(IP)の取得を中止すると、及び「GYEE IP」に関して上海軒躍商務咨詢有限公司との協⼒関係をこれまで以前と同様に引き続き継続していくことを発表した。

■東陽テクニカ、中国における総代理店権を取得

株式会社東陽テクニカは、中国⼦会社である東揚精測系統(上海)有限公司が、電気化学測定システムの世界的メーカーである仏・Biologic Science Instruments SAS の、電池充放電評価装置カテゴリーの販売について、2025年7 月より中国における総代理店権を取得したことを発表した。総代理店権を取得した中国華南エリアから中国全⼟に商圏を拡大し、中国市場のシェア拡大を目指す。

■ニトリ、中国で事業縮小 実店舗モデルが直面する壁

家具大⼿ニトリが中国で事業縮小を進めている。浙江省寧波店は6月に閉店し、北京市内のイオンモール店舗も8月末で撤退予定。店舗では割引セールも実施中だ。ニトリは2014年に武漢で中国1号店を開店後、北京、上海、江蘇、浙江、広東、四川などに出店を広げてきた。6月時点で中国大陸の店舗数は84店となり、1月から約半年で22店を閉鎖したことになる。背景には、中国市場での消費低迷や、EC・ライブコマース主流化による実店舗モデルの苦戦がある。同じくIKEA(イケア)も2024年に売上が前期⽐7.6%減少しており、家具小売各社にとって中国市場の環境は一段と厳しくなっている。
同社の公式サイトによると、6月15⽇時点の店舗数は世界1035店で、うち⽇本国内が834店舗、中国大陸が84店舗だった。1月時点の中国店舗数は106店だったため、約半年で22店舗が閉鎖されたことになる。

2025年7月2日

■日産、中国から完成⾞輸出 東風と新会社設⽴へ

■日産、中国から完成⾞輸出 東風と新会社設⽴へ
東風汽⾞集団は25日、日産⾃動⾞の完全⼦会社、日産(中国)投資(NCIC)と新会社の設⽴で合意したと発表した。完成⾞や部品の輸出を担う。中国から世界への輸出を進めたい考えだ。資本⾦は10億元(約200億円)で、NCICが6割、東風汽⾞集団が4割を出資する。海外市場向けに完成⾞や部品、アクセサリー装備などの輸出を強化するため、2社の資⾦⼒とサプライチェーン(調達網)を活用するとしている。事業期間は28年間の予定だ。

■くら寿司が中国本土から撤退 顧客つかめず、海外は米国・台湾に注⼒

くら寿司は中国本土の全店舗を閉店する。上海市に出した3店舗の営業を順次終える。新型コロナウイルス禍が一服した2023年に中国本土へ出店したが、後発で現地の顧客をつかみきれず、原材料⾼も響いて採算は悪化していた。海外展開は同業他社に先⾏する⽶国と台湾に集中し、⽴て直しを急ぐ。