今週のトピックス(2022年1月)

2022年1月25

■2021年の対外直接投資が9366億9千万元を突破

商務部は 2021 年、全業界の対外直接投資が前年比 2.2%増の 9366 億 9 千万元(1 元は約 18.0 円)に達したことを明らかにした。その中で、対外請負工事の完成工事高は同 7.1%減の 9996 億 2 千万元、新規契約額は同 5.4%減の 1 兆 6676 億 8 千万元であった。通年の対外投資協力には次の 3 つの特徴が見られた。(1)「一帯一路」(the Belt and Road)沿線国への投資が急増した(2)対外請負工事で大型プロジェクトが増加した(3)海外での経済貿易協力区の建設が著しい成果を上げた。

■中国トレンド玩具の海外フォン急増中 ポップマートが英国進出

中国のトレンド玩具業界のリーディングカンパニーであるポップマートの英国 1 号店が今月 15 日、テスト営業を開始した。ポップマート英国エリアの責任者は、「ポップマート英国店は 1 月 20 日に正式にオープンする。テスト営業期間中、想像を上回る英国ファンの熱気に感動し、我々のマーケットに対する自信を深めた。ここ数年、「トレンド玩具の海外進出」を進めてきたポップマートは、これまでに韓国、日本、米国、カナダ、英国、シンガポールなど 23 の国と地域に進出を果たした。

■デジタル人民元の実証実験が808万ヶ所を超えた

国務院は 18 日に、2021 年の金融統計データについて説明した。2021 年 12 月 31 日の時点で、デジタル⼈⺠元の実証実験はすでに 808 万 5100 ヶ所を超え、個⼈ウォレットは累計 2 億 6100 万開設された。また取引金額は 875 億 6500 万元(1 元は約 18.0 円)に達しており、デジタル⼈⺠元の業務技術設計とシステムの安定性、製品の使いやすさとシーンの適用性が効果的に検証され、社会の⼈々のデジタル⼈⺠元設計理念に対する理解が深まったことを発表した。中央銀行金融市場局によると、次の段階として、引き続き着実にデジタル⼈⺠元研究開発テストを推進し、小売り取引や公共料金支払い、政務サービスなどの実証実験を進める。

2022年1月19日

■上海封鎖、細る供給網 アップル取引先の工場停止

新型コロナウイルス感染拡大に伴う中国・上海市の都市封鎖(ロックダウン)で、中国経済の下押し圧⼒が強まっている。現地の個人消費に影を落とすほか、⽶アップルの取引先が生産を停⽌し、マツダも日本で工場を⼀時⽌めるなど、サプライチェーン(供給網)にも混乱が広がる。⻑期化すれば世界経済の波乱要因となる。

■大連市で国家級蓄電システム実証プロジェクトが試運転開始

国有企業の大連融科儲能技術発展と大連恒流儲能電站が開発・運営する中国初の国家級蓄電システム実証プロジェクトが 2 月から試運転に入っている。6 月の正式稼働を目指しており、第 1 期では約 40 万キロワット時(kWh)の電⼒が貯蔵可能になる。このプロジェクトにより再生可能エネルギーを蓄電することで、エネルギー構成における再生可能エネルギーの⽐率をさらに⾼めることができる。また、災害時や非常時には、大連市送電網のバックアップ電源として機能する。

■天津通関地の輸入企業関税減免額が、月平均 160%増

地域的な包括的経済連携ʻ(RCEP)協定が発効してからの 3 ヶ月間にあたる今年第 1 四半期(1-3月)に、天津の通関地で RCEP による関税引き下げの恩恵を受けた物品の輸入額は月平均 79%増加し、輸入企業の関税減免額は月平均 160%増加。天津税関が発⾏した RCEP に基づく原産地証明書の件数は月平均 10%増加したという。
天津税関の劉輝副関⻑は、「今年第 1 四半期に、天津税関で RCEP の関税引き下げの恩恵を受けた物品の輸入額は 8 億 2 千万元(1 元は約 19.5 円)に上り、関税 1372 万元が減免された。天津税関が発⾏した RCEP の原産地証明書は 688 件、物品の価格は 2 億 3900 万元だった。

■上海市、アプリで⾷糧調達、共同購入で困難を打開

上海市内では、各地の防疫政策の影響を受けて、市外からのトラックや野菜販売業者が市内へ速やかに野菜を供給することが出来なくなり、⼀部の野菜は直接供給拠点からの輸送ができなくなった。こうした状況により省を越えた輸送が⾏われており、現在は江蘇省昆⼭市と浙江省平湖市の 2 ヶ所に、市内の上海⻄郊外国際農産物取引センターを合わせた全 3 ヶ所の生活物資中継ステーションが稼働している。上海の⼀部の EC プラットフォームは配送が追いつかなくなっており、野菜を入⼿するため、市⺠は発売時間に合わせて⼀日に何度もアラームを鳴らす状況だ。そのため、アプリでの野菜入⼿困難を緩和する「アシスタント」が登場した。オンラインフードデリバリープラットフォーム「Eleme」、新⼩売プラットフォームの「盒⾺」や「美団」など⾷糧供給を保障する複数の企業が、北京、武漢、広州、安徽など複数の地域から数千人に上るスタッフを上海に送り込み、サポートを⾏っている。EC サイトの「京東」は配達員を含む 2 千人以上の第⼀線のスタッフを続々と動員してサービスを提供している。

2022年1月11日

■RCEP 協定、1月1日に日本含めた 10 カ国で発効

日本を含めた 15 カ国が参加する「地域的な包括的経済連携(RCEP)協定」が1月1日に 10 カ国で発効した。2020 年 11 月 15 日に 15 カ国が署名した RCEP 協定は、ASEAN10 カ国のうち少なくとも6カ国と、非 ASEAN 国(日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランド)のうち少なくとも3カ国が批准書または受諾書、承認書(以下、批准書など)を ASEAN 事務局⻑に寄託した日の後 60 日で、寄託をしたこれらの国について効力を生ずる。2021 年 11 月2日付でオーストラリアとニュージーランド両国が寄託したことで、それまでに批准書などを寄託済みのブルネイ、カンボジア、中国、日本、ラオス、シンガポール、タイ、ベトナム(アルファベット順)と合わせて発効要件を充足し、これら 10 カ国で発効する運びとなった。また、2021 年 12 月3日には韓国が寄託を終え、2月1日に発効を迎える。
RCEP 協定は世界の GDP、貿易総額、⼈口の約3割を占める地域の大型協定で、日本にとっては中国、韓国と初めて締結する経済連携協定となった。日本の貿易額(2019 年)でみると、輸出の 43%、輸入の49%を RCEP 参加国が占め、同協定により、日本の貿易総額の 46%を占める地域がカバーされることになる。

■今年の中国スマート音声認識産業が拡大

12 月 18 日、中国スマート音声認識産業発展サミットフォーラム並びに中国音声産業連盟 2021 年年次総会が北京で開催された。その席上で、同連盟が「2020-2021 年中国スマート音声認識産業発展白書」を発表した。同白書によると、新型コロナウイルス感染症の影響や産業のデジタル化ニーズに牽引されて、中国のスマート音声認識市場の規模は安定した拡大傾向が続いている。21 年には前年同期比 44%増の285 億元(1 元は約 17.9 円)に達する見込み。

■寿司に金箔で処罰 食品安全法に違反

上海市⻑寧区市場監督管理局は最近、メニューに⾦箔を使用した飲食企業を、食品安全法に基づき処罰した。調べによると、この店はオンラインショップで⾦箔2瓶を購入した。2021 年6月からメニューの「あぶり和牛寿司」に使用し、一⼈前 48 元で 122 食分を販売、合計 5,856 元を違法に所得していたという。中国衛生部では、2001 年から⾦箔の食品使用を禁止している。消費者には外食時の食品安全に注意し、⾦箔や不明物が使用されている場合は食べずに市場監督管理部門へ連絡するよう呼び掛けた。

■中国、1-11 月の中国総合保税区の輸出入額が 5 兆 2400 億元に

総合保税区は中国の対外開放の先端分野であり、1-11 月に同区の輸出入額は前年同期比 25.7%増の累計5 兆 2400 億元(1 元は約 17.8 円)に上った。そのうち輸出は同 29.2%増の 2 兆 8600 億元、輸入は同21.8%増の 2 兆 3800 億元であった。各地の税関が政策の研究とイノベーションの取り組みを強化しており、同区内の各種政策を組み合わせ融合させ、区内企業の迅速な発展を促進することに重点を置いている。山東濰坊総合保税区は新エネルギーや新材料などの産業の育成発展に力を入れ、第 1-3 四半期(1-9月)には対外貿易輸出入額が同 255%増の 350 億元を達成した。浙江⾦華⾦義総合保税区は杭州税関の推進を受けて食品加工の機能を充実させ、今年は輸入ナッツ類の保税加工を⾏う企業が 3 社増え、1-11月の区内での加工ナッツ類の生産額は 7 億元を超えた。