中国強制認証制度の厳格化と企業向け産業用製品への適用について

最近、中国では強制認証が厳しくなっていると聞きます。どういう背景からでしょうか︖また、CCC制度(中国強制製品認証)の目的は「一般消費者の保護」のはずですが、なぜ一般消費者が直接使用しない産業用製品やその部品にまで適用されるのでしょうか︖

 中国の認証制度が最近、厳格になり、企業向け(B2B)の産業用製品が規制の対象になっている、その背景と理由を大きく2つの視点からご説明いたします。

  1. 強制認証が厳格化している4つの背景
     最近の中国における規制強化の背景には、主に以下の4つの戦略的な理由があります 。
  • 品質・安全管理の徹底強化:
    中国市場規制管理総局は、2026年末までに特定の16品目について「自己宣言」を廃止し、指定機関による実機試験と工場監査を伴う第三者認証(CCC認証)へ切り替えることを決定しました 。消費者の安全に直結する製品について、国としてより厳格に品質を担保する狙いがあります 。
  • 新技術のリスクへの対応:
    市場の変化や新しい技術の登場によってもたらされる新たなリスクに迅速に対応するため、認証対象の製品リストは定期的に⾒直され、規制範囲が拡大しています 。技術発展に伴い急速に進化したものや、製品交替の頻度が⾼いものなどが新たに追加されています 。
  • 生態環境の保護と健康被害の防止:
    中国版RoHSでは、規制対象が従来の6物質から10物質へと拡大し、2027年8⽉からは法的拘束⼒の強い「強制国家標準」が施⾏されます 。製品の設計段階から使用、廃棄に⾄るまでの有害物質管理を抜本的に強化する国の強い意図の表れです 。
  • 国家の安全保障とデータセキュリティ:
    CCC制度などの強制認証は、消費者保護だけでなく「国家安全」の確保も重要な目的として設計されています 。IoT 機器などの普及に伴い、「サイバーセキュリティ法」や「データ安全法」と連動し、データ越境移転の制限やネットワークインフラ保護などの情報セキュリティ要件が厳しく問われるようになっています 。

2. 産業用製品や部品にも適用される理由
 CCC制度が産業用製品に適用されるのは、制度の目的が単なる「一般消費者の保護」にとどまらず、「国家安全」「⼈⾝の健康および⽣命・財産の安全」「⽣態環境の安全」といった広範なリスク管理にあるためです 。具体的には以下の3つの理由が背景にあります 。

  • 強制国家標準の幅広い適用要件:
    審査基準となる「強制国家標準(GB規格)」は、⼈⾝・財産・国家・⽣態環境の安全などを満たす技術要件に対して制定されると規定されています 。したがって、家庭用だけでなく、工場などの産業現場で労働者が扱う機器や設備であっても、漏電や⽕災などの事故を防ぐための対象となります 。
  • 「重要部品」の安全性確保:
    産業機械の完成品そのものはCCC認証の対象外であっても、内部に組み込まれているACアダプター、小型モーター、低圧電気機器、電線・ケーブル類などがCCC対象品目(重要部品)に該当するケースが非常に多く存在します 。これらの部品は単体で発⽕や感電などのリスク要因となり得るため、最終用途が産業用であっても厳格な安全性の証明が義務付けられています 。
  • 情報セキュリティの確保:
    ルーターやサーバーなどの通信・情報機器は、中国のサイバーセキュリティ法などと連動してデータの漏洩防止やインフラ保護といった「国家の安全保障」に直結するため、産業用・企業用であっても厳しく規制されます 。

 このように、中国政府は「国⺠の⽣命と財産の安全」「環境保護」「国家安全」という3つの大きな柱を守るために管理要件を厳格化しています 。CCC認証は、販売先が消費者か企業かに関わらず、中国国内に流⼊・流通する製品全体に対して、国家レベルでの安全性や品質の最低基準を強制的に担保するための制度として運用されています 。

※中国の認証について、ご不明な点がございましたら、お気軽に弊社までお問い合わせください。

  以上