外商投資法施行後の中国で、合弁会社を設立するときの注意点

浙江省で、中国人個人と合弁会社設立を検討していますが、可能でしょうか?また、注意点があれば教えてください。

 2020 年 1 月 1 日から施行された「中華人民共和国外商投資法」及び同法実施条例は、「中外合資経営企業法」、「外資独資企業法」および「中外合作経営企業法」(いわゆる「外資三法」)に代わる、新たな外商投資企業の基本法となっています。その中、以下の変更点が今回の合弁会社設立に関係してきます。

●中国籍の自然人との合弁事業が可能に
 外商投資法施行前では、中外合弁事業を立ち上げる際に中国側の合弁パートナーとなる対象が、会社やその他組織などの法人に限られていました。「外商投資法施行条例第 3 条、外商投資法第 2 条では、その他の投資家と称し、中国籍の自然人も合弁事業の投資者になり得ると定められています。

●企業組織形態、組織機構は「会社法」などに準拠
 「外商投資法」は外資三法と異なり、外商投資企業の組織形態に対して規定がなく、外商投資企業も中国国内企業と同じく、会社の設立、管理、清算およびその他の会社業務の面については、統一して「会社法」、「外商投資合伙企業法」および「個人独資企業法」などの法律が適用されます。
 既存の有限責任会社または株式有限会社の組織形態を継続する場合、いずれも「会社法」の要件に従い、株主会/株主、董事会/執行董事、監事会(監査役会のこと)/監事などの組織機構を設置する必要があります。

●法定代表者
 中外合弁企業法では、法定代表者は「董事⾧」でした(中外合弁企業法実施条例第 34 条)。
 これに対して会社法(有限会社)では、法定代表者は「董事⾧、執行董事又は総経理のうち定款で定めたもの」とされています(会社法第 13 条)。

●外商投資法施行後の中外合弁企業
 1)「中華人民共和国外商投資法」第 2 条第 2 項第 1 項は、「外国投資家は、単独または他の投資家と共同で、中国国内に外国投資企業を設立する」と規定し、外国投資家の中国における投資方法の 1 つとなっており、これがすなわち合弁会社です。
 2)「中華人民共和国外商投資法」第 2 条第 3 項において、「本法にいう外国投資企業とは、外国投資家が全部または一部を投資し、中国法に基づく登録によって中国に設立された企業をいう」と規定されており、外国投資企業の投資家は、一部の外国投資家であってもよいと明確に規定されています。
 

以上