日系企業進出状況(2025年10月)
2025年10月30日
■トヨタ、⾛⾏⾞の合流で実証実験 中国⾞メーカーや清華大などと共同
トヨタ自動⾞は清華⼤学、中国通信機器⼤手の華為技術(ファーウェイ)、中国自動⾞⼤手などと共同で、⾛⾏時の合流に関する実証実験をしたと発表した。各メーカーの⾞両と道路の情報をクラウドで共有し、スムーズで安全に合流できるかを試した。重慶市で22日に開幕した自動⾞技術に関する国際会議で発表した。トヨタの中嶋裕樹副社⻑が6社共同のプロジェクト「甲所⾏動」の成果を⽰した。
■セイコーエプソン中国生産拠点、RBAプラチナ認証を取得
セイコーエプソンは23日、中国生産拠点の愛普生精密電⼦(蘇州)有限公司(EPSZ)について、グローバルサプライチェーンのCSRを推進する「Responsible Business Alliance(RBA)の実施するValidated Assessment Program(VAP)監査において、プラチナ認証を取得したことを知らせた。エプソンは、2019年4月にRBAに加盟し、その⾏動規範に則って、主⼒生産拠点においてVAP監査を自主的かつ計画的に受審し、CSRの向上に努めている。
2025年10月23日
■ヤクルトが広州第1工場を閉鎖、他拠点に製造移管
ヤクルト本社は20日、中国南部の広東省広州市にある広州第一工場を11月30日に閉鎖すると発表した。同工場では乳酸菌飲料「ヤクルト」を⽣産しており、閉鎖後は同省内の2工場に集約する。中国における販売が苦戦するなか、⽣産体制の⾒直しで収益確保を目指す。閉鎖後は既存の広州第二工場と仏山工場に⽣産機能を移管する。同社は「2026 年3月期の連結業績に与える影響は軽微」としている。
■トヨタEV「bZ3X」、香港でも販売開始
トヨタと中国企業が共同開発した純電動小型SUV「bZ3X(鉑智3X)」が16日、香港で発売された。広汽トヨタ(広州汽⾞集団とトヨタの合弁会社)を通じ、すでに中国本土では今年3月6日に発売されている。このモデルは、右ハンドル専用のバージョンで、安全、実用性、利便性を重視した設計が特徴である。香港での販売は、トヨタ、廣汽豐田、英之傑グループの協⼒によるもので、100台の早期購⼊特典が用意されているという。
2025年10月15日
■「博多やりうどん」が海外初進出 香港で10月25日オープン
⻄⽇本鉄道は、グループ会社の「⻄鉄ストア」が運営する飲⾷店「博多やりうどん」の⾹港1号店を25⽇に開業すると発表した。繁華街の尖沙咀(チムサーチョイ)に⽴地し、フランチャイズ契約を結ぶ現地企業が運営する。同店の海外進出は初めて。⻄鉄は「⾹港出店を⽪切りに、今後も中国やマカオ、タイといったアジア圏への出店を計画するなど積極的な事業展開に取り組む」としている。
■ファストリが中華圏苦戦、海外ユニクロ事業は通期13%減益
「ユニクロ(UNIQLO)」や「GU(ジーユー)」を展開するファーストリテイリングは10月9⽇、2025年8月期の通期連結決算を発表した。売上⾼にあたる売上収益は3兆4005億円(前年同期⽐9.6%増)、営業利益は5642億円(同12.6%増)、親会社の所有者に帰属する当期純利益は4330億円(同16.4%増)となり、4期連続で過去最⾼の業績を更新した。海外ユニクロ事業も成⻑を維持し、売上収益は前年⽐11.6%増の1兆9102億円、営業利益は同9.1%増の3093億円となった。地域別では韓国、東南アジア・インド・豪州、北米、欧州が2桁の増収増益となった一方で、中華圏は売上収益が6502億円(同4.0%減)、営業利益926億円(同11.6%減)と減収減益となった。
2025年10月8日
■みずほ証券が独資で中国に証券会社設⽴へ、証監会が承認
みずほフィナンシャルグループ傘下のみずほ証券は1日、中国証券監督管理委員会(証監会)から独資による証券会社設⽴の許可を取得したと発表した。新会社はみずほ証券が100%所有し、登録資本⾦は23億元(3億2308万ドル)。申請は約2年前に受理されていた。中国は2020年に証券会社に関する外資規制を撤廃し、株式市場を含む中国資本市場に外国⾦融機関がより積極的に参⼊する道を開いた。
■PayPay、香港と台湾のキャッシュレス決済サービス「八達通 Octopus」・「台新Pay+」と連携開始
PayPay 株式会社(以下、PayPay)は、全国のPayPay加盟店において、「HIVEX(R)」を通じて⾹港のキャッシュレス決済サービス「八達通 Octopus」が2025年9月より順次連携を開始、さらに台湾のキャッシュレス決済サービス「台新Pay+」についても順次連携が可能になることをお知らせした。これにより、これまで連携していた海外のキャッシュレス決済サービスと合わせて、14の国と地域で利⽤されている28のキャッシュレス決済サービスのユーザーは、日本に訪れた際に、PayPay加盟店で飲食やお土産代、宿泊費などの決済ができるようになる。
2025年10月1日
■三菱UFJ銀⾏、テンセントと提携 中国で基幹システム刷新
三菱UFJ銀⾏は中国ネットサービス⼤⼿の騰訊控股(テンセント)と中国事業で提携する。まず中国本土の基幹システムを2027年10月めどにテンセントのクラウドサービスに切り替える。人工知能(AI)を活用した業務の効率化にも協業を広げる。この動きは、中国市場に最適化したシステム構築を目指すもので、AIを活用したデータ分析、リスク管理、顧客対応の⾼速化を通じて、預⾦・融資管理の効率化を図る戦略である。しかし、日本国内の顧客データへの影響やセキュリティ対策の不透明さが議論を呼んでいる。
■日産、東風汽⾞系に出資、新会社、オフロード⾞製造
中国国有⾃動⾞⼤⼿、東風汽⾞集団は、同社が4割出資する新会社に日産⾃動⾞も出資すると発表した。日産と東風汽⾞集団が折半出資する合弁会社、東風汽⾞が1割に当たる9億2000万元(約190億円)を出資する。カバーする⾞種の領域を増やし、販売を強化する狙いだ。新会社は⼤型多目的スポーツ⾞(SUV)であるオフロード⾞の製造販売に特化する⾒通し。


