中国の環境認証制度︓⼗環認証とグリーン製品認証
- 中国で製品を販売するには、「⼗環認証(中国環境ラベル)」や「グリーン製品認証」を取得すると信⽤につながり、販売しやすいと聞きました。これらはどのような制度で、どう違うのでしょうか。
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中国の「⼗環認証(中国環境ラベル)」と「グリーン製品認証」は、いずれも環境配慮型製品を認証する制度ですが、同じものではなく、それぞれ異なる体系を持っています。特に⼗環認証は、中国で最も歴史が⻑く代表的な環境ラベル制度として独⾃の重要性を持っています。以下に整理します。1.グリーン製品認証
- 特徴︓製品のライフサイクル全体(原料調達〜廃棄)を評価し、環境負荷が⼩さく、資源節約や品質向上を満たす製品を認証。
- 対象︓建材、家具、繊維製品など11分野。
- 運営主体︓国家市場監督管理総局が統⼀管理、CQC(中国品質認証センター)などが認証業務を実施。
- 位置付け︓2020 年以降の国家統⼀認証制度で、「⼀つの製品、⼀つの基準、⼀つのマーク」を目指している。
2.⼗環認証(中国環境ラベル)の詳細
- 正式名称︓「中国環境マーク認証」。1994 年に導⼊され、中国で最も歴史が⻑く代表的な環境ラベル制度。マークは10個の環が連なるデザインが特徴。
- 制度の枠組み︓ISO14024 に準拠した「タイプⅠ環境ラベル制度」。第三者認証機関が、製品が特定の環境要件に適合しているかを評価する。
- 評価基準︓設計・製造・使⽤・廃棄・リサイクルまで、ライフサイクル全体を通じて低環境負荷であることを審査。同類製品に⽐べて、低毒性・低害性・省資源などの環境優位性を証明する。
- 運営主体︓中環連合(北京)認証センター有限公司(CEC)が認証を運営。政府政策の⼀環として実施され、特に政府調達品目リストに掲載される条件の⼀つになっている。
- 役割︓
o 消費者に環境配慮型製品を選択する目安を提供。
o 企業にクリーン生産技術の導⼊や製品構造の改善を促す。
o 日本の「エコマーク」や韓国の環境ラベルと相互認証協定を持つなど、国際的な整合性も確保。
認証プロセス
- 初回認証︓書類審査、現場検査、製品試験、技術審査を経て証書交付。
- 年次監督検査︓認証後、毎年のモニタリング検査。
- 復評認証(更新)︓有効期間(通常3年)終了時に再評価を実施。
取得メリット
- 企業の環境対応が第三者により可視化され、ブランド価値・信頼度を向上。
- 環境配慮製品として市場競争⼒を強化できる。
- サプライチェーン全体での環境活動推進につながる。
- 中国政府の調達案件で優位性を得られる。
3.両制度の違いと関係性
4.まとめ
- ⼗環認証は、中国における環境ラベル制度の草分けであり、現在も政府調達や消費者認知度の面で強い影響⼒を持っています。
- グリーン製品認証は、新しい国家統⼀枠組みであり、複数の既存環境基準を包含。その中で⼗環認証は特定分野を対象とする「サブセット」として位置付けられています。
- 製品戦略上は、
o ⼗環認証︓政府調達や国際的な環境基準との整合を重視する場合に有効。
o グリーン製品認証︓持続可能性や包括的な環境対応を訴求したい場合に有効。
以上