今週のトピックス(2023年5月)

2023年5月30日

■中米の商務相が米ワシントンで会談

5 月 25 日、商務部の王文涛部⻑は米国で行われたアジア太平洋経済協力(APEC)貿易担当大臣会合に参加した際、ワシントンで米商務省のレイモンド⻑官と会談した。双方は中米の経済貿易関係や双方が関心を寄せる経済貿易問題について率直で、専門的、建設的な意見交換を行った。中国は米国の対中経済貿易政策、半導体政策、輸出規制、対外投資審査などについて重点的な関心を示した。双方は意思疎通のチャンネルを構築し、具体的な経済貿易の関心事や協力事項について交流を維持・強化することで合意した。

■中国とフィリピン、6月2日にRCEP協定発効し関税削減を相互に実施

中国財政部が発表した情報によると、2023 年 6 月に中国とフィリピンは地域的な包括的経済連携(RCEP)協定に基づく関税削減を相互に実施するという。協定における約束を厳格に履行し、RCEP の全面的な発効・実施を積極的に推進するため、中国国務院関税税則委員会は公告を出し、23 年 6 月 2 日より、フィリピン原産の一部の輸入物品について RCEP が ASEAN 加盟国に対して適用する協定税率を適用することとし、次年度以降の税率は同年の 1月 1日より適用することを明らかにした。

■高成⻑を維持する中国の動力電池産業

世界動力電池会議2023 が 24 日に行われた。中国の動力電池産業は 1­4 月に高成⻑を維持し、車載電池搭載量が前年同期比41%増の 91GWh(ギガワット時)にのぼった。産業のグリーンなモデル転換と低炭素型発展を力強く支えた。動力電池産業のエコシステムがますます整備されており、中国がすでに世界で最も揃った川上・川中・川下及びアフターマーケットを一体化させた産業チェーンを完成させたことが注目される。正・負極材料、電解液、隔膜などの重要主材の世界出荷量は70%以上にも達するという。

■中国、「バーチャルヒューマン」市場拡大、22年は2374億円に

中国のエンターテインメント業界や各種産業のサービス・宣伝などの分野で、コンピューターグラフィックス(CG)で生成された仮想人間「バーチャルヒューマン」が活躍する場が増えている。市場調査会社の艾媒諮詢によると、中国国内のバーチャルヒューマン市場規模は2022 年に約120 億8000 万人⺠元(約 2374 億円)に積み上がった。関連産業に1866 億1000 万人⺠元の経済効果をもたらしている。今後の市場規模は25 年に480 億 6000 万人⺠元、関連産業の経済効果は6402 億 7000 万人⺠元に膨らむと艾媒諮詢は予想している。

2023年5月24日

■中国、日本を抜き世界一の自動車輸出大国に

中国自動車工業協会が発表した自動車の生産・販売に関するデータによると、2023年4月の自動車の生産台数は前年同期比76.8%増の 213 万3000台となり、販売台数は同 82.7%増の 215万 9000台となった。新エネルギー自動車の生産は前年同期の2.1 倍となる 64万台、販売も前年同期の2.1倍となる 63万 6000 台に達した。自動車メーカーによる輸出台数は前年同期の2.7 倍となる37 万6000 台だった。また、同協会が整理した税関総署のデータを見ると、今年第1 四半期(1-3 月)の中国の輸出台数は前年同期比58.1%増の 107 万台となった。 一方、日本自動車工業会によると、日本の輸出台数は5.6%増の 95万 4000台で、前年同期の1 位から 2 位になった。

■中国・中央アジアサミット西安宣言発表

中国が主導する中央アジア5 カ国との首脳会議(サミット)が 18 日夜西安で開かれ、2 日間にわたって 19日に「西安宣言」を発表して幕を閉じた。中国が招待したのは、旧ソ連圏のカザフスタン、キルギス、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタンの首脳。参加6 カ国の元首が署名したこの宣言は、「より緊密な中国・中央アジア運命共同体の構築」「中国・中央アジア元首対話メカニズムの確立」などを盛り込んだ15 項目からなっている。この枠組みで、旧ソ連構成国としてロシアの影響が強かった中央アジアにも、中国の影響力が広がっていくことが考えられる。

■中国、農村 NEV 普及を支援、充電インフラ建設加速へ

中国の国家発展改革委員会(発改委)と国家能源局は 17日、農村部での新エネルギー自動車(NEV)消費を促す「新能源汽車下郷」を推進すると同時に、充電設備の整備を加速させる方針を表明した。農村部で公共充電インフラが不足している現状を踏まえ、同インフラを整備することでNEV 購入を促す。発改委などが発表した実施意見によると、条件を満たす地方政府に対し、専項債(公益事業向け資金調達を行う特別地方債)などを利用した充電インフラの整備を奨励。また NEV 普及に関しては、地方政府による消費券配布など、購入支援策の実施を奨励。

■中国大手 10 社の 1~4月新車販売684.6 万台

業界団体の中国汽車工業協会は11 日に発表したデータによると、上位 10社(グループ)の新車販売台数(輸出含む)が今年1~4月に前年同期比3.8%増の 684 万 6000台に伸び、10 社で市場全体の 83.1%を占めている。前年同期比の増減率では、販売台数4位の比亜迪(BYD)が 91.7%増の 76 万 2000 台と最大の伸び。一方、販売台数首位の上海汽車集団は8.9%減の 123 万 2000台に縮小。そのほか、新エネルギー自動車(NEV)に限ると、上位 10社(グループ)の新車販売台数は今年1~4月に前年同期比58.6%増の188 万 7000台、10 社で市場全体の84.9%を占めている。うち BYD が 76 万 2000 台で圧倒的首位となる。

■EV 充電・電池交換特許で中国トップ、日本の 1.5 倍に

2010年から22年までの関連特許出願数は、中国企業が累計4 万 1011 件で世界トップとなった。出願数は 2位の日本を 52%上回る水準だ。中国の出願数は、15年までは日本、ドイツ、米国を下回る水準にとどまっていたが、16年以降に急増した。なお、国際エネルギー機関(IEA)によると、中国の EV 販売台数(BEV、PHV)は 16年に米国を追い抜き、世界トップに浮上。22年の中国EV 販売台数は 590 万台となり、世界全体の 6 割を占めている。

2023年5月17日

■EY報告書「中国の対外直接投資が好調なスタート」

英国のアーンスト・アンド・ヤング(EY)が発表した報告書「2023年第1 四半期(1-3 月)中国海外投資概観」によると、2023年1-3月期に中国では産業全体の対外直接投資が前年同期に比べて大幅に増加し、中国企業のアジアで発表した取引金額と取引数量がいずれも最多で、アジアは引き続き最も人気のある海外M&A(合併買収)の目的地になったという。同報告書は、「2023年第1四半期の中国の海外投資において、取引金額ベースで計算すると、3大人気産業は先進製造・輸送、不動産・ホテル・建設、TMT 産業(科学技術・メディア・通信)となり、この 3 産業で取引総額の 73%を占めた。

■海南離島免税ショッピング新規定実施一ヶ月 3.5 億元分近くが「購入後即引き取り」

5 月 1日、海南省の離島免税ショッピング政策に新たに「購入後即引き取り」、「輸入税相当の担保提供後即引き取り」の 2 種類の商品引き取り方式が加わってから 1 ヶ月を迎えた。同省の海口税関のまとめた統計によると、新政策が実施されてからの 1ヶ月間に、同税関が監督管理を行った「購入後即引き取り」での免税ショッピング額は3 億 4800 万元(1 元は約 19.5 円)、ショッピング件数は 36 万 2800 件、買い物客数は延べ 16 万 3600 人に達した。

■中国2022年の平均給与が発表 ITが最高、不動産が低下

国家統計局は 2022年の平均給与に関するデータを発表した。22年は都市部の非民間企業も民間企業も、働く人の平均給与の上位 3 業界は、いずれも技術のウェイトが高い情報伝達・ソフトウェア・情報技術(IT)サービス業、金融業、科学研究・技術サービス業だった。そのうち情報伝達・ソフト・IT サービス業の平均給与が抜きん出ており、業界別でトップに立った。19 の業界分類のうち、18業界で働く人の平均年収が増加を続け、低下したのは不動産業だけだった。

■中国、25-34歳の若年層がネット動画創作の中心に

第 1 回上海インターネット動画コンテンツ創作者会議が 11 日に上海市で開幕した。会議で発表された「2022年インターネット動画コンテンツ創作者白書」によると、2022年に中国のネット動画の市場規模は8002 億元(1 元は約 19.4円)に達し、25-34歳の若年層が動画創作の中心だったという。同白書によれば、過去数年間の爆発的成長期を経て、ネット動画業界はユーザーの規模が飽和状態に近づき、徐々に安定に向かい、構造的最適化と内在的成長の方向へ発展するようになっている。

■世界 NEV 販売市場で中国勢快走

世界の新エネルギー自動車(NEV)市場で中国勢のプレゼンスが増大している。NEV 販売上位 10 社のうち、中国企業比亜迪、上海汽車集団、浙江吉利控股集団はそれぞれ首位、3 位、5 位を占め、躍進が目立っている。世界全体で新規登録された NEVは、今年第1四半期に前年同期比30.2%増の 270 万 2000台に拡大している。車載電池の搭載量も38.6%増の 133GWh(1 億 3300 万 kWh)に伸びた。

■「第 133回中国輸出入商品交易会」の輸出取引額が216 億 9000 万ドルに

中国最大規模となる輸出入展示会「第 133回中国輸出入商品交易会」(広交会)が今月5日、広東省広州市で閉幕した。展示会のオンラインプラットフォームは今後も常設運営が続けられる。今回、会場での輸出取引額は 216 億9000 万ドル(1 ドルは約 134.8 円)に達した。工業自動化・スマート製造、新エネルギー、スマートコネクテッドカー、スマートライフといった新しいテーマの展示エリアが活況となり、革新的な製品や、グリーン・低炭素関連製品が人気となった。

2023年5月10日

■商務部「中国にはCPTPP加入の意志と能力がある」 

中国商務部は、「中国には環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定(CPTPP)に加入する意志と能力があると伝えた。中国のCPTPP加入はCPTPPの全ての締約国の利益にかなうものであり、CPTPPメンバー11ヶ国がいずれも中国の加入を支持することを期待する」と表明した。また、「中国はすでに一部の自由貿易試験区と自由貿易港で、CPTPPのルール、基準、管理面の高水準の義務に照らして試行や試験を先行実施している。 

アルゼンチン、中国からの輸入商品の人民元建て決済をスタート

アルゼンチンは、中国からの輸入商品に対する米ドル建ての決済を停止し、人民元建ての決済に切り替えると発表した。マサ経済相は、「各企業との間で合意を締結した後、アルゼンチンは今月から価格にして約10億4000万ドル(1ドルは約133.7円)相当の中国からの輸入商品について人民元建て決済を開始する。人民元を使用することでアルゼンチンの今後数ヶ月間の中国商品輸入ペースが加速し、関連の認可手続きの効率がさらに向上する。5月以降、アルゼンチンは価格7億9000万ドルから10億ドルの中国の輸入商品について人民元建て決済を行う見込みだ」と述べた。

ネットショッピング・飲食物流が13%増

今年第1四半期(1-3月)には、消費促進政策に後押しされて、民生の消費物流ニーズが急速な伸びを示し、ネットショッピングと飲食関連の物流が旺盛な勢いを保った。飲食関連の物流ニーズがリバウンド的に回復上昇し、同期は約13%増となった。重点物流企業がサービスを提供する店内飲食、デリバリー、コールドチェーン物流の現物の数量が増加した。店内飲食の物流ニーズは同20%以上、デリバリーの注文は同30%以上、コールドチェーン物流の業務量も同10%以上増加した。 

雲南でのデジタル人民元試行事業 取引額が6億元を突破

中国人民銀行昆明中心支店によると、雲南省におけるデジタル人民元の試行事業が初期的な成果を上げた。2023年4月23日時点で、同省の昆明市と西双版納(シーサンパンナ)州の2ヶ所の試行事業実施エリアで開設されたデジタル人民元ウォレットは個人向けが58万6500件以上、企業向けが2万8900件以上に上り、取引額は6億元(1元は約19.4円)を突破した。 

2023年国際消費フェスティバルが上海で開幕

2023年国際消費フェスティバルおよび上海「五五ショッピング・フェスティバル」の開幕イベントと、国際消費センター都市フォーラムが4月29日夜、上海市北外灘の世界会客庁で行われた。国際消費フェスティバルは商務部(省)の「消費振興年」6大テーマイベントのうちの1つで、5月から12月にかけて全国規模で展開される。「国際市場と国内市場、オンラインとオフライン、政府と企業、中央と地方、貿易と消費」を総合的に連携させることで、一連の消費促進イベントを組織展開し、消費の国際化・高品質化・利便化レベルを向上させ、世界の優れた質の高い商品とサービスの生産・販売のマッチングおよび交流・協力を円滑に進め、消費の高度化とポテンシャルの発揮を促進することを目指す。 

■日本から中国への渡航者、出発前48時間以内のPCR検査を抗原検査で代替可能に 

在日中国大使館は4月25日、日本から中国への渡航者に対し、新型コロナウイルスにかかる水際対策として渡航前に義務付けていた措置の変更を発表した。これまで実施を求めていた出発前48時間以内のPCR検査を、出発前48時間以内の抗原検査で代替することが可能となった。4月29日(当日を含む)から適用する。在日中国大使館は、検査結果が陰性であれば渡航可能で、WeChatミニプログラム版、ネット版、アプリ版のいずれかの中国出入国健康申告書にフライト情報、健康状態、検査結果などを記入し、申告するよう求めている。