その6.筆談はなぜ無理か?−日本語と中国語の違い(2)
前回の図はいかがでしたでしょうか?
「何を言いたいんだ?」
「白い部分と黒い部分はどういう違いがあるんだ?」
という疑問を持たれた方が多いと思います。
それに対する、答えを先に申し上げますと、
「日本語と中国語はかなり異なる言葉である。共通の語彙は、共1、共2の部分のみで、お互いにちゃんと勉強しなければ理解できない言葉である。」
「黒い部分では、曲りなりにも筆談が成り立つが、白い部分では、筆談は成り立たない。(但し、それぞれが全体のどの位を占めるかは、今後の研究課題である。つまり、前の図が必ずしもその比率を正しく表わしているとは言えない。)」
そこで、先ず、共1から具体例を見て行きたいと思います。
今まで挙げた具体例は、中国語を知らない人にとっては、面白い反面、ストレスもたまるものだったはずです。
この辺で、そのストレスを発散しましょう。
日本人と中国人が、宴会で筆談をします。お互い自国語にはすばらしく堪能ですが、相手の国の言葉には触れたことがないという間柄です。
日本人甲:日本 経済産業省指導下 情報技術 急速 進歩
中国人乙:我同意
これは、共1の範囲内の筆談と言えます。実に痛快ですね。もし、日本人と中国人が、あらゆる面についてこのような筆談が出来たとしたら、庶民同志の交流は間違いなくもっともっと進んでいたに違いありません。
これに、共2が加わると、こうなるでしょう。
日本人甲:日本 経済産業省指導下 IT 急速 進歩
中国人乙:我同意
最近、中国語にも日本語と似た現象が起きています。外来語が増えているのです。しかも、漢字以外の文字をそのまま使用した、例えば「AA制(割り勘)」のような言葉が徐々にではありますが、増えて来ています。但し、残念ながら、日本のひらがなやカタカナ、或いはハングルを使った例はまだありません。アルファベットが主流です。
最近若い中国人の間で、
「sayonara」
が広がっていると聞きます。これは、前の図では、日4に属する言葉ですので、アルファベット表記になってしまっていますが、「撒'口約(1文字)'那拉」位でも良いのではないでしょうかね。
(…続く)
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