その36.本格的な「日中辞典」は入門者の必需品
―――次の一手
発音記号(ピンイン)が読めるようになった人の、次の一手は何か?
「日中辞典を購入することです。」
と、こう申し上げると、「じゃー、初級者用の薄いのを買おう」ということになりがちですが、それは、間違いの元です。
できるだけ厚い本格的な「日中辞典」を買うべきです。
ここが英語と中国語の違いなのです。
英語の場合は、簡単な「語彙」から、少しずつ増やしていかなければならないのですが、中国語の場合は、違います。
折角我々の先輩達が苦労して漢字を自国語に取り入れて来たのですから、それを活用しない手はありません。
中国語の場合は、
自分が最も話題にしたい単語(語彙)
から覚えてゆくべきですし、日本人に限ってそれができるのです。
例えば、薄い「日中辞典」を買い、
「太陽」
「牛」
「机」
等を引いて覚えるより、
「デフレ」
「しっちゃかめっちゃか」
「四苦八苦」
等を引いて、それを実際の会話で使って行く(最初は、挿み込む位しか出来ないでしょうが……)べきなのです。
これは日本人にだけ与えられた特権です。
ちょっと手元の「日中辞典」で上に挙げた3つの会話を引いてみましょう。
「通貨緊縮tong1 huo4 jin3
suo1」
「(残念、辞書に載っていません)」
「千辛万苦qian1 xin1 wan4 ku3」
さー、読めますか?
「田中式ピンイン表記法では、こうなります。」
tong(赤、1)
huo(4) jin(3) suo(1)
qian(赤、1)
xin(1) wan(4) ku(赤、3)
どうですか、「デフレ」だって「赤」一つです。決して発音的にはどうってことないのです。
中国語の学習が進みこのレベル=発音記号(ピンイン)が読めるレベルになると日本人であることの強みが俄然顕著になってくるのです。裏返せば、日本人は発音さえちゃんとできれば、中国語の上達は、中国人をあっと言わせる程速い筈なのです。
「おかしいな、全然、そんな風に思えないな?」
という人こそ、騙されたと思って、「日中辞典」を買ってみてください。
(続く…)
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